「腕立て伏せを毎日100回」は非効率!胸筋を鍛える秘訣とは?

監修者

原田 直生

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

胸筋を鍛える腕立て伏せ。「毎日100回」行ってもあまり効果は期待できません。腕立て伏せの効果と正しい基礎知識を踏まえ、筋力レベルに応じた腕立て伏せのバリエーションをご紹介します!

腕立て伏せは毎日100回やっても大丈夫?

腕立て伏せを毎日100回やったら効果は出やすいですか?

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

実は毎日行なっても効果が出やすいとは限らないんです。

毎日100回の腕立て伏せは非効率

腕立て伏せが100回できることはとても素晴らしいことです。筋力や持久力ともに優れています。

しかし筋トレにおいて100回も出来てしまうということはそれだけ強度が低いということです。その強度設定では筋肉の発達は見込めません。

筋肉量を増やすことや、筋肥大を目的としてトレーニングを行うならば「10回が限界の強度」に設定することがキーポイントとなるのです。また、筋トレを毎日行うことに関しても効率を下げてしまう原因になります。

筋トレを毎日行なってはいけない理由

筋トレを毎日すればそれだけ筋肉が成長するかと言ったら…残念ながらそんなことはありません。むしろ毎日行うことで疲労回復が十分にできず、その結果オーバーワークとなる恐れもあります。
そうなれば、せっかく時間と体力を注ぎ込んでおこなっている筋トレが逆効果となってしまうのです。

筋トレ後は基本的に24〜72時間以内に筋肉痛が起こり、治るとされています。
もし筋トレ後24〜72時間以内に筋肉痛が来ないのであれば…それは強度が適正ではない可能性があります。先ほどの要領で強度設定を改めて行いましょう。

なるほど。では筋肉痛がある時は筋トレはしないほうがいいんでしょうか??

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

筋肉痛が残っているうちは疲労回復に勤めることが優先です。かと言って完全回復を待つため1週間に1回の筋トレでは頻度が少なすぎます。。

そこで筋トレ初心者の方は目安として二日おきに筋トレをおこなってみましょう!

筋肉痛のピークを過ぎ、「若干まだ残っているかな〜?」くらいがオススメのタイミングです。トレーニングに慣れてくると筋肉痛の回復も早くなってきます。それに伴って頻度も一日おきに変化させていきましょう!

腕立て伏せの正しいフォームを解説!

毎日100回行なっても効果は低いんですね…

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

はい、なので効果を上げるために、まずは腕立て伏せのフォームとやり方を確認しましょう

腕立て伏せを行うときはフォームがとても重要になります。

腕立て伏せの正しいやり方

【基本姿勢】

①手の幅は肩幅の2倍程度に開きます
②頭からカカトまでを一直線になるようにキープします

※注意点
・頭が落ちている場合は顎を引く力を入れましょう
・腰が反り一直線ラインが崩れている場合はおへそを凹ますような力を入れましょう

【動作姿勢】

①基本姿勢を保ったままゆっくりと肘を曲げていきます
②息を吸いながら胸が床につくギリギリの位置まで下ろしていきます
③基本姿勢が崩れていないことを確認し、息を吐きながらスタートの位置まで起きていきます

※注意点
顔よりも胸を床に近づけるイメージを持ちましょう。顔だと一直線ライン上から頭が落ちてしまいます。

【カウント】
・息を吸いながら4秒カウントで胸をおろしていきましょう
・息を吐きながら2秒カウントでスタートポジションへ戻りましょう

【回数・セット数・休憩時間】
10回を3セット行いましょう。セット間は60秒〜90秒空けましょう。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

体重60kgの人の場合、しっかりとポイントを抑えておこなえば約42kgの負荷を加えることができます。

ベンチプレスなどのバーベルや機械がない環境の中でこれだけの負荷を加えることができる腕立て伏せは優れものです!!

腕立て伏せで大胸筋を効率的に鍛える方法とは?!

回数は10回の3セットだけでいいんですか?頑張れば100回くらいいけそうな…

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

100回できるようならば強度が低いかもしれませんね。その場合はちょっとアレンジしてみましょう!

通常の腕立て伏せに余裕がある場合

足をイスなど少し高さがあるモノの上に乗せておこないましょう!
【基本姿勢】や【動作姿勢】は通常の腕立て伏せと同じポイントを抑えておこなってください!

足の位置が高いことでより上半身へ負荷を加えることができます。

確かにこれはキツイ…これだと20回もいけないです。。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

それでも余裕がある方はカウントを4秒で下ろすところを6秒〜10秒かけておこなえば100回なんてできないと思いますよ!

もし通常の腕立て伏せでもキツい人はどうしたらいいですか?

通常の腕立て伏せが10回もできない場合

強度を落とすやり方としては、

①膝を曲げて行う
②壁に向かって行う

の2パターンをご紹介していきます!

【①膝を曲げて行う】

基本姿勢は通常の場合と同じですが、膝を曲げるため頭から膝までの一直線ラインとなります。
よく膝付きになるとお尻が引けているような体勢での腕立て伏せをみますが…できるだけ頭から膝を一直線に保つよう頑張りましょう!

通常の腕立て伏せよりも身体の長さが短くなるため、体幹のキープする力が少なくすみます。また、上半身にかかる重量は体重の約60%となります!

【②壁に向かって行う】

壁から距離を取って手をつき、壁に向かって腕立て伏せを行います。
基本姿勢と動作姿勢は通常の腕立て伏せと同じポイントを抑えて行いましょう。
自分自身で体重をかける量をコントロールできるため一番優しい腕立て伏せとなります。

腕立て伏せで使う筋肉と効果とは?

まずは簡単に腕立て伏せで使っている部分の筋肉を抑えておきましょう!

① 大胸筋

もっともメインで使っているのはこの大胸筋!
胸板の厚みやバストラインを引き上げたいなどという目的には強化が必須の筋肉です。

② 三角筋

肩の筋肉で上半身のシルエット作るには欠かせない三角筋!
腕立て伏せに関しては補助的な役割で使われています。

③ 上腕三頭筋

二の腕のたるみの原因となる上腕三頭筋!
腕立て伏せの場合は、肘を伸ばす動きの補助程度の役割で使われています。

④ 腹筋

姿勢を保持する上で体幹部分の力は欠かせません!
腕立て伏せといっても腹筋にも力が入っていなくてはなりません。

正しいやり方で理想の筋肉に

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

今まで100回の腕立て伏せができていたなら、まずは正しいフォームをチェックしてみましょう。
そこから自分の筋力に合うように負荷を調整して行なってみてください。