MEC食のダイエット方法とは?効果はあるの?

監修者

狩野 謙斗

NSCA-CPT 調理師 食育インストラクター

【プロトレーナー解説】糖質制限やカロリー制限を初めて行う初心者や苦手な人でも簡単に、そしてシンプルに今日からできる『MEC食のダイエット方法』をわかりやすくメリットとデメリットを踏まえてご紹介します!

MEC食とは何なのか?MEC食のやり方

狩野 謙斗監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT 調理師 食育インストラクター

編集部さん、初めまして!パーソナルトレーナーの狩野です。

狩野さん、よろしくお願いします。さっそくですが、『MEC食』について色々教えてほしいです!

狩野 謙斗監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT 調理師 食育インストラクター

わかりました!今から『MEC食』について一緒に語りましょう。

MEC食とは?

MEC食
まず、MEC食とは何なのか?発祥はどこなのか?
MEC食とは、肉(Meat)、たまご(Egg)、チーズ(Cheese)、これらの英語の頭文字から取って名付けられています。
この3品目で1日に必要とされる必須栄養素のことを言います。

MEC食は沖縄県発祥

このMEC食を提唱したのは、なんと日本人です!

沖縄県那覇市でご活躍されている『渡辺信幸医師』で、これまで4000人を超える患者のダイエットを成功(成功率90%以上)させ、肥満や生活習慣病を改善・完治させています。

沖縄の伊良部島という離島で、たった1人の医師として活躍し、診療のなかから生まれたこのMEC食メソッド。
背景には沖縄の平均寿命の低下と、離島の人は病気になってはいけない、病気になる前に何とかしたいという予防医学の観点から、10年以上、患者さんと2人3脚で作り上げた沖縄発祥のメソッドです。

すごくシンプル!!MEC食のやり方!

ここからMEC食の具体的なやり方と方法をご紹介していきます。

MEC食は前にも述べましたが、肉、たまご、チーズの3種類です!これを意識して毎日摂ることになります。たったこれだけです。
さらに、提唱者の渡辺医師がMEC食の意義について言葉を借りると

<MEC食のやり方>
1、1口につき30回噛む。
2、肉・たまご・チーズを中心に食事し炭水化物を控える。
3、肉は1日200グラム。卵は最低3個。チーズは6Pチーズ一箱、120グラム摂る。
とてもシンプルです。
糖質制限を初めて行う方や苦手な人、ややこしいカロリー制限をしなくても簡単に始めることができます!

MEC食にダイエット効果はあるの?

狩野さん、結局のところMEC食はダイエットに有効なんでしょうか?

狩野 謙斗監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT 調理師 食育インストラクター

はい、様々な観点から有効的かつ効果的だと思います。

MEC食がダイエットに良い理由

MEC食は、肉・たまご・チーズを中心に食事し炭水化物を控えることになりますので、栄養バランスとしては高タンパク質・高脂質・低糖質になります。

近年では、糖質制限ダイエットというダイエット方法もある通り、糖質を減らすことがダイエットに良いことがわかっています。

糖質を摂取すると血糖値の上昇を抑えるインスリンが分泌されます。インスリンは内蔵脂肪を蓄積する働きがあるため、糖質を取りすぎは太る原因にもなります。

また、筋肉の元となるタンパク質を摂取することで筋肉が増えやすくなり、基礎代謝が上がることにより脂肪燃焼が促進されるので、そういった点からもMEC食がダイエットに良い理由になります。

MEC食では痩せない?その理由とは

成功率が90%以上だと言われているMEC食でも痩せないという声も耳にすることがあります。

その理由とは、普段の食事で肉をあまり食べなかったり、朝食を抜くような生活をしていた人が、いきなりMEC食を始めることで1日の摂取カロリーが増えてしまうからです。
人間の身体の仕組みを考えたら理論的にそれは当然ですよね。

それに野菜中心の低糖質ダイエットをしていた人がMEC食にシフトチェンジすることで体重が増える可能性があることは覚えておきましょう。

よくダイエッターが気にする「”体重が増えた”からMEC食は痩せない!」と、決めつけるのは少し早いです。
MEC食の体重の増減は必ずにしろ脂肪が増えるだけでなく筋肉が効率よくついてきた状態であると考えられます。
理由は先に述べましたが、筋肉をつけるためにはタンパク質が必要です。MEC食だとそれを過不足なく補うことができます。

MEC食に関する疑問

炭水化物は必須栄養素に含まれない?

ご飯などの炭水化物は取らなくても大丈夫何でしょうか?

狩野 謙斗監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT 調理師 食育インストラクター

実は炭水化物(糖質+食物繊維のことを示す)は必須栄養素ではないのです。
健常者が糖質をほとんど摂らなくても健康上に問題は起きませんし、摂る必要がほぼないんです!

人間が生きていく上で必須の栄養素は、水、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、電解質、といくつかの超微量元素ということになっています。

ただし、身体づくりでマッチョや美Bodyになるために筋肉をつけたり、スポーツや身体を動かすシーンにおいて、糖質はエネルギー補給として「重要なキーアイテム」となります。

決して糖質が完全不要とかではないので、誤解をしないようにお願いいたします。
必須栄養素ではないとはいえ、運動時には身体にとても必要な栄養素の1つです。上手く摂取することが重要です。
さらに細かい説明については、本題から逸れてしまうので割愛させて頂きます。

コレステロールと食事は無関係!!

肉・卵・チーズはどれもコレステロールが高そうなものばかりですが、健康には影響はないのでしょうか?

狩野 謙斗監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT 調理師 食育インストラクター

大丈夫ですよ。コレステロールと食事は無関係であることが最新の研究でわかっています。

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(以下、BMJ)という国際的にも権威が高く日本でも医師であれば必ず読んでおくべきと言われるイギリス医学誌や、厚生労働省が2015年に「日本人の栄養食事摂取基準2015」を発表し「コレステロールと食事は無関係」と発表しました。

そして、日本脂質栄養学会とコレステロールについて論争をしていた日本動脈硬化学会も2015年「コレステロール摂取量に関する声明」を発表し、「食事で体内のコレステロール値は変わらない」と認めました。

つまり、国や学会のお墨付きってことですね。
コレステロールは理論的に身体にものすごく重要な役割があります。

人間の身体は約60兆億もの細胞が集まってできていますが、その細胞1つ1つの細胞膜の主原料がコレステロールです。
カッコよく美しい身体づくりをするために必要な筋肉を作るときの材料であり、脳の神経細胞にとって大きな構成要素だったり、人間が生きていくうえで欠かせないものなのです。

しかし、コレステロールに関しては、あまりにも悪者扱いされるというイメージがつきすぎてしまっている印象があり、健康やスタイルを気にする男性や女性の中には、ダイエットのために、肉などの動物性食品や油脂類を過度に摂らない食事をしてしまい、低栄養になって不健康になってしまう人がいるようです。

そもそもコレステロールは肝臓で常に合成されています。卵食べても動脈硬化も関係ないし心筋梗塞も関係ありません。
再度、お伝えますがMEC食は必須栄養素である、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミン(ビタミンC以外)が毎日きちんと摂れます!

タンパク質は言わずと知れた筋肉を作る材料です。脂質はコレステロールの原料であり、コレステロールからホルモンやビタミンDが作られます。
そして、身体に適度な脂質があることで『体温を保持する能力』、『身体を動かすとき外から衝撃を受けるときのクッション代わり』と、とても大切な機能を担っています。

ミネラルとビタミンはタンパク質・脂質・糖質の吸収や燃焼に深く関わる成分になります。
先ほども述べたように、MEC食は『ビタミンC』 だけ摂れないので野菜や柑橘系の果物などから摂る必要があります。

コレステロールって食事とは無関係だったなんて知らなかった・・・

狩野 謙斗監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT 調理師 食育インストラクター

脂質の考え方が変わりますね!

MEC食のメリットとデメリットはなんだろう?

皆さん、ここまでお疲れさまでした。

最後にMEC食についてまとめていきます。

【MEC食のメリット】
・内容がシンプルで誰でも簡単にできる!
・身体づくりに必要な栄養素が取れる。
・肌のつや、ハリがアップ
・消化にいいので便秘予防に
・満腹感が高くなりお腹が減りにくくなる
【MEC食のデメリット】
・摂りすぎると腸の悪玉菌が増えるのでおならが臭くなる。
・炭水化物の食べ物に比べるとコスト高くなる。
・ビタミンC が取れない。
・過剰に摂りすぎれば太る。
簡潔にまとめるとこんな感じでしょうか。

実は狩野もMEC食を実施しています。非常にわかりやすく必要なタンパク質も摂れるし重宝しています。

しかし、万能な方法ではないので、彩り豊かな野菜や果物なども必ず摂るようにしてバランスを考えながら行っています。

近年、日本の健康に対する関心が高まってきております。偏ったダイエット法が蔓延するなか、正しい情報と知識を持っておくことがとても大切です。

MEC食もその方法の1つになりますので、足りない部分を補強しながら身体を変えていく正しいダイエットや身体づくりをしていきましょう。

食事制限も大切ですが、運動も取り入れるともっと身体の効果がアップします。

食事管理だけでなく、しっかり運動管理も取り入れることをパーソナルトレーナーとしてお仕事をさせて頂いている狩野から、みなさんにご提案させていただきます。

最後までご精読ありがとうございました。