砂糖と糖質の違い、糖質制限ダイエット中に甘いものを食べたい時の対処方法

砂糖=糖質ではありません。糖質は砂糖の中に含まれている栄養成分の一つです。曖昧になっている砂糖と糖質の違いを明らかにします。その上で、糖質制限ダイエット中に砂糖を使用することができるか、また、砂糖の代用品について解説いたします。

甘い=糖質ではない!糖質と砂糖の違いはどこに?

砂糖とは?

砂糖は中国から日本に伝わってきました。日本に伝えたのは、鑑真和上か遣唐使かという説がありましたが、現在は遣唐使であるという説が主流になっています。
砂糖は甘藷といわれるサトウキビ、甜菜(テンサイ)を原料にして作られています。
私達が料理などでよく使用する砂糖とは上白糖のことで不純物を遠心分離器などで除去して作られたものです。
ちなみに、黒砂糖は余分なものは除去せずに、そのまま煮詰めたものです。
また、砂糖を化学名「ショ糖(スクロース)」といいます。
ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)で構成されています。ブドウ糖と果糖、両方とも単糖類で、二つの単糖類が結合しているので、2糖類に分類されています

砂糖と糖質の違いはどこに?

よく医師から「糖分(質)は控えて」と言われると、「甘い物を控えるということだな」と思われる人もいますが、糖質の全てが甘いわけではありません。甘い糖質もあれば、甘くない糖質もあります。
甘い物だけを控え、甘くない糖分は控えない食生活を送り、血糖値を測定したら、血糖が高いと診断され、「甘い物は控えたはずなのに」という経験をされた人も少なくないでしょう。
実はジャガイモ、ごはん、甘くないパンなどにも糖質はたっぷりと含まれています。

砂糖(100g中)
・糖質量 99.2g(食物繊維0g)
・エネルギー  384Kcal

確かに、砂糖100g中に糖質量が99.2gも入っていますから、感覚的に糖質=砂糖といえなくもありませんね。残りのわずか0.8gは、ミネラルなどの量に相当します。
そこで、砂糖から見れば、糖質と同じようなものかもしれませんが、糖質には糖質としての砂糖とは違う定義が確立されています。
まず、炭水化物=糖質+食物繊維です。
砂糖の炭水化物は99.2gで、糖質量も99.2gです。
99.2(炭水化物)=99.2g(糖質)+0g(食物繊維)となりますから、砂糖の食物繊維は0ℊとなりますね。
つまり、砂糖には食物繊維は入っておらず、糖質のみということです。
白ごはんは、炭水化物が77.6gで食物繊維が0.5gですから、77.1gの糖質があります。
この比較で砂糖そのものが糖質というわけではないことがおわかりいただけたと思います。

糖質にもたくさんの種類がある

では、糖質とは何なのでしょうか?
砂糖は先程、ブドウ糖と果糖という単糖類同士が結合したものだと説明しました。
このブドウ糖や果糖が糖質の仲間です。また、この2つの単糖類が結合してできた2糖類のショ糖(砂糖のこと)も糖質の仲間です
仲間ということは、糖質に分類されているものは他にもあるわけです。
炭水化物が体内に入ると、糖質と食物繊維に分かれます。
この糖質の仲間を紹介しましょう。

糖質
・糖類…単糖類(ブドウ糖、果糖)
    2糖類(砂糖、麦芽糖)
・多糖類…オリゴ糖、でんぷん、デキストリン
・糖アルコール…キシリトール、エリスリトール  

しつこいようですが、砂糖のほとんどが糖質で占められているとはいえ、砂糖は糖質そのものということではなく、あくまでも砂糖の中に糖質があるということになります。

糖質が多い=血糖値が急上昇ではない!GI値を知ろう!

では、砂糖と白ごはん、どっちが早く吸収され、血糖値を急上昇させるでしょうか?
「それは砂糖じゃない?」
「なぜ?」
「糖質量が多いから」
「糖質量が多いから血糖値が急上昇するとは限らないのです」

糖質量が多くても、ゆっくりと血糖値が上がっていく場合もあります。要するに、血糖値の急上昇を邪魔する成分が入っていると、上昇はするものの、ゆるやかに上がっていきます。
このことを念頭において考えてみましょう。先程、説明しましたが、白ごはんには食物繊維が含まれていて、砂糖には含まれていません。
食物繊維は血糖値の上昇をゆるやかにする働きがあります。
そのため、食物繊維が豊富に含まれる食材は、糖尿病を予防すると言われています。
食物繊維が食材の中に含まれていると、食物繊維が食材の栄養成分を包み込むようにして腸まで持っていこうとします。
そのため、栄養成分の一つである糖質も吸収されにくく、血糖値も徐々にしか上がらないということです。
砂糖は食物繊維が入っていないため、真っ先に分解、吸収され、速攻で血糖値を上昇させます。
そこで、血糖値が急上昇しやすい食材か、ゆるやかに上昇する食材か食べる前からわかっていると、とても便利ですよね。
わかるバロメーターがあります。
GI(グリセミックインデックス)値で予測がつきます。GI値が高いほど、短時間で血糖値は急上昇し、低いほど、血糖値の上昇はゆるやかと考えてください。
必ずしも糖質量が、またはカロリーが高い食材のGI値が高いとは限りません。糖質制限ダイエットを行う場合、糖質量やカロリーだけでなく、GI値も参考にするとより効果的です。

     GI値
・上白糖:109
・黒砂糖:99
・三温糖:108
・ハチミツ:88
・メープルシロップ:73 

ハチミツやメープルシロップは上白糖と較べて、GI値が低くなっています。 これは上白糖と比較して血糖値が緩やかに上がるということ。
ハチミツやメープルシロップには、糖質以外の成分が多く入っていることで上白糖よりは血糖値の上昇が緩やかになります。
だからといって、ハチミツやメープルシロップをたくさん摂ってもいいというのではなく、これらの甘味料もかなり高い糖質量とGI値になるので、控えなくてはいけないのは当然のことです。

ところで、砂糖とハチミツでは甘味の感じ方が、ハチミツのほうが圧倒的に強いですよね。
ハチミツ小さじ1杯≒砂糖大さじ1杯
つまり、ハチミツは砂糖の1/3の量で砂糖と同じ甘さを感じます。
ハチミツは砂糖よりもカロリーが低く、ビタミンやミネラルも豊富ということも重ねますと、ハチミツを砂糖の代用甘味料として有効に使い回すことができますね。
では、次に気になるのが糖質制限ダイエット中の砂糖の使用量です。砂糖は極力、減らしたほうがいいのは誰もがわかっているとはいえ、実際のところ、どこまで減らせばいいものかと思います。

糖質制限ダイエット中、砂糖は絶対にNGなの?

100g中に糖質量が99.2gもある砂糖を糖質制限ダイエット中に使用するのであれば、糖質制限の意味がないのでは?そんな思いなります。しかし、糖質制限ダイエットが長くなりますと、たまにはストレス解消に甘い物でも食べなければ、続けられないという思いも出てきます。
そこで、ゆるやかな糖質制限で知られているロカボに当てはめて考えてみたいと思います。

ロカボダイエットから砂糖の摂取を考えてみよう

ロカボといわれるゆるやかに糖質制限をする食事法があります。このロカボを用いてダイエットを行うと考えて検討してみましょう。
厳しい糖質制限を自宅でやるのは健康を害しやすいので、専門医や管理栄養士の元でする必要があります。しかし、ロカボは制限がゆるく、自宅でもできるので、このロカボが提唱している糖質量で糖質制限中の砂糖について考えてみましょう。
ロカボでは、1日の摂取糖質量を70〜130gとしています。

詳細は……
・1食分  20g〜40g(1日3回)
・スイーツなど    10g(1日1回)

合計で70〜130gになります。
1食の糖質量を上限の40gに合わせると、白ごはんが52gで茶碗1/3に該当します。
しかし、これだと全く砂糖を使うことはできません。
砂糖を使うのであれば、もっと白ごはんを減らすか、ごはんは食べずにおかずを作るのに砂糖を使うようにしなければいけません。

そこで、ごはんは食べないようにしておかずを作るために砂糖を使うのであれば、砂糖40.3g(糖質量40ℊ)も使うことができます。計量スプーンに換算しますと、大さじ4.4杯です。結構、使えます。
1人分のおかずに砂糖大さじ4杯も使用することはまずありませんので、最大量を大さじ1杯(9g)としましょう。
1回の食事に含まれる糖質量を40gとした場合、まだ31ℊの糖質量があります。糖質量31gはごはんが約40ℊに相当しますので、茶碗1/3以下です。
なので、糖質制限ダイエット中でも砂糖を使えないことはないわけです。
ただ、砂糖の場合は他の食材よりもGI値が結構、高いことを思えば、もう少し砂糖の量を減らしたほうがいいかもしれません。

また、ごはんを完全に抜きますと、かなりカロリーダウンになりますので、たん白質や脂肪を増やさなくてはいけなくなります。ということは、おかずもたくさん必要になります。これでは手間もかるし、不経済です。
その他に砂糖よりもカロリー、糖質量、GI値が低いハチミツがあります。低いとはいえ、他の食材よりはかなり高いので、糖質制限ダイエット中は砂糖と同じ感覚で取り扱った方がいいすね。
バランスよく、ごはんとおかずがあるほうがダイエットを続けられそうとお考えであれば、カロリーゼロの甘味料を使用するという方法があります。

エリスリトールを配合した甘味料がおススメ

エリスリトールは糖質に属している糖アルコールです。
キノコや果物、味噌や醤油などの発酵食品に含まれています。糖質の仲間ですが、血糖値が上昇しません。そしてカロリーは「0」。
そのため、糖質制限ダイエット中でも使用できます。砂糖よりも断然、安心して使うことができます。
気になるのが、甘さの程度ですが、甘さは砂糖の75%と考えられています。
エリスリトールのみの甘味料も販売されてはいますが、エリスリトールの甘味不足を補う物質を配合した甘味料もあります。
たとえば、ラカントsという天然由来の甘味料があります。エリスリトールに羅漢果エキスが配合されて砂糖と同じ甘さになっています。そのため、砂糖が大さじ1杯ならラカントsも大さじ1杯なので、換算の必要がなく、使いやすい特徴があります。
アスパルテームという人口甘味料とエリスリトールを配合したパルスイートという製品もあります。