【プロトレーナー解説】ダンベルローイングは広背筋・大円筋・僧帽筋中部・菱形筋の部位を鍛える筋トレの種目です。上半身の逆三角形を作り、姿勢の維持・改善にも効果的です。基本フォームやコツ(重量の目安や回数)や腰を痛めないための注意点、ローイング系筋トレメニューのバリエーションを紹介します。
ダンベルローイングで鍛えられる部位と効果
ダンベルローイングで鍛えられる部位
ダンベルローイングはどこが鍛えられて、またどんな効果があるのですか?
佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス
ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。
ダンベルローイングは、背中の筋肉(主に中部から下部)を発達させ、厚みを出すのに効果的な筋トレメニューです。
(背中は太ももに次いで大きな筋肉になるので、代謝を上げるのにも有効です)
ダンベルローイングの効果
肩が後方に引かれるので、猫背の予防・解消など、日常の正しい姿勢の維持・改善の効果が期待できます。
また、肩関節の伸展(腕を後ろに引く動き)は、スポーツ競技で正しい動作や姿勢をとるのにも役立ちます。
体操競技の吊り輪・鉄棒・段違い平行棒などで体を持ち上げるときや、ロック・クライミングやロープ・クライミングで体を引き上げるときに不可欠な動作となります。
また、水泳の腕を後方にかく動作、アーチェリーやボートで腕を後方に引く動作、テニスのバックハンド、柔道やレスリング、ラグビーのタックルの際の引きつけなど、様々な場面でこのようなローイング動作が行われています。
ダンベルローイングのやり方・フォームと効果を上げるコツ
ダンベルローイングのやり方・基本フォーム
ダンベルローイングは、どのように行えばいいのですか?
佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス
ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。
ダンベルローイング(片腕で行うワンハンドローイング)の動作を、順を追って確認してみましょう。
2.下背部は自然なアーチを保ち、ヒザを曲げた状態で前傾し、上体が床と平行(またはそれに近い角度)になるようにします。
3.前足側の手をベンチ(またはラック)について体を安定させ、もう一方の手にニュートラル・グリップ(手のひらを体に向けた状態)でダンベルを持ちます。ダンベルを握った腕は下に伸ばします(ヒジは軽く曲げ、自然に腕を下げます)。
5.トップポジション(完全に引きった状態)で1~2秒静止してから、息を吐いてゆっくりとスタートポジションに戻します。
片方の腕で指定の回数を繰り返したら、反対側の手でも同様に行います。
ダンベルローイングの基本フォームのコツ
動作の注意点などは、ありますか?
佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス
ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。
ダンベルローイングの、動作のコツを上げてみます。
動作の開始時は、腕を力強く引くこと。そうすることでウェイトを動かし、可動域いっぱいに使った動作が行いやすくなります。背中のエクササイズ、とくにダンベルローイングは全可動域の動作で、トップポジションで筋肉を収縮することが筋肉を発達させるカギとなります。
②ウェイトを上げる際、上体をひねらない!
③背中は丸めない!怪我のもと!
④上腕二頭筋は使わない!
ダンベルローイングでは、上腕二頭筋(力こぶの筋肉)の力はなるべく使わないようにします。背中(と肩の後部)の筋肉でウェイトを引き上げることに意識を集中します。
ダンベルローイングの重量の目安
ウェイトが重すぎると、動作の範囲が限定されてしまいます。ヒジを背中よりも高く上げることができなければ、広背筋や僧帽筋中部、菱形筋を最大限に収縮することができなくなってしまいます。動作の途中でウェイトが上げられなくなるようならウェイトをやや軽くして、トップポジションで背中の筋肉が十分に引き締められるようにします。ダンベルの重量は8~12回、繰り返せる重量が目安です。
ダンベルローイングの効果を上げるコツ
広背筋上部(および背中の上部)に対する刺激をより強めるには、プロネーテッド・グリップ(手のひらを後ろに向けた状態)を用いると効果的です。この場合、ヒジは外側に向け、わきを開いてダンベルを引き上げていきます。
②重いウェイトを扱い時のコツ!
ワンハンドローイングは、足を開いて床に両足をついて行うやり方と、ベンチに片方(鍛える側と反対)のヒザをついて行うやり方があります。床に両足をついてスタンスを広くしたほうが体が安定し、重いウェイトを扱いやすくなります。ただ、腰に不安のある場合や、(なるべく下半身の力を関与させず)より背中の筋肉を集中して鍛えたい場合は、ベンチに片ヒザを乗せて行うやり方も有効です。
③背中全体を鍛えたい時のコツ!
背中全体を鍛えるには、ダンベルローイングをニュートラル・グリップ(中部・下部を鍛える)と、プロネーテッド・グリップ(上部を鍛える)の両方を取り入れると効果的です。
ローイング種目のバリエーション7つ
ダンベル(ワンハンド)ローイング以外にも、同じような効果を上げる種目はありますか?
佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス
ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。
両手で行うダンベルローイングやバーベル、マシンを使ったローイング種目があります。
両手で行うダンベルローイング|①ツーアーム・ダンベルローイング
両手で行うダンベルローイング|②インクライン・ダンベルローイング
バーベルで行うローイング種目|③ベントオーバーローイング
肩幅よりやや広く、手のひらを後ろに向けてバーベルを握り、上体を床と平行よりもやや上の位置まで前傾します。ヒジを曲げて腹部の中央に向かってバーベルを引き上げ、肩甲骨を引き寄せ絞り込むようにします。