朝ごはんを食べないとどんな影響が?メリットはあるの?

監修者

山口 里奈

LPY認定ヨガインストラクター 栄養士 食生活アドバイザー

ダイエットにとって朝ごはんを抜くことは良くないと聞いたことがあるけど、実際はどうなのか?朝は忙しく何も食べないことが多いけど健康には影響ないのか?朝ごはんを食べないことによる私たちへの影響や気になる疑問を解説します。

朝ごはんを食べない理由は?

カッコいい体作りを目指してトレーニングに励んでプロテインも飲んでいるのですが、なかなか思い通りに筋肉がつきません。

山口 里奈監修トレーナーからのアドバイス

LPY認定ヨガインストラクター 栄養士 食生活アドバイザー

突然ですが、毎日朝ごはん食べていますか?

一人暮らしなので面倒で食べたり食べなかったりです…

山口 里奈監修トレーナーからのアドバイス

LPY認定ヨガインストラクター 栄養士 食生活アドバイザー

トレーニングや仕事や勉強への影響があるとしたらどうでしょうか?

え?あるんですか??それは困ります

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困りますよね?今回、朝ごはんを食べないとどうなるのか、朝ごはんの重要性についてお話いたします。

朝ごはんを食べない人は約3割

食事を抜くことを「欠食」と言いますが、朝ごはんを食べない方の理由として多いのが以下になります。
・ぎりぎりまで寝ていたい眠気を優先したいから
・朝は食欲がないから
・ダイエットでカロリー制限したいから

そもそも、食事はなぜ必要?

ヒトが食事を必要とする理由は以下の通りです。
「生命を維持していくために必要な食物を体内内に取り入れて消化吸収し、骨や筋肉や血をつくり発育させる」
要するに、生きるためですよね?

健康になるための3本柱は、「栄養・運動・休養」です。そのうちの1つの栄養。食事は生きるために必要なことということになります。私たちに大切な栄養素はそれぞれの役割があります。

たんぱく質は、骨格、筋肉、臓器、血液、酵素、ホルモンなどを構成する主要成分。
脂質は、細胞膜の構成成分や血液成分となります。
炭水化物(糖質+食物繊維)は、体を動かすためのエネルギー源や病気の予防効果があります。
ビタミン、ミネラルは、体の調子を整えてくれます。

すべて私たちにとって必要なものです。
朝ごはんを食べないことで私たちにどのような影響があるのでしょうか。

朝ごはんを食べるメリット

朝ごはんの必要性

起床直後の体は、体温や血糖値が低いだけでなく神経、脳、内臓などの働きも低下しています。朝ごはんを摂ることで、脳にエネルギーが補給され睡眠中に下がった体温を上昇させ、神経や内臓も機能し始めます。
朝ごはんは私たちの体温や血糖値を上げ、元気な1日をスタートさせてくれます。
朝ごはんを食べないと目覚めの悪い状態のまま集中力や運動機能も低下したまま午前の活動をすることにもなるのです。

1日2食じゃ駄目なの?

食事で摂る糖質はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられるといわれていますが、グリコーゲンはブドウ糖になり脳、神経、赤血球のエネルギー源になります。
肝臓に蓄えられたグリコーゲンからのブドウ糖の補給は5~6時間ぐらいしか維持できず、またブドウ糖が不足すると筋肉を分解しエネルギーを作ろうとするとするため、1日3食を摂ること必要な理由がここにもあります。

【参考文献】

山口 里奈監修トレーナーからのアドバイス

LPY認定ヨガインストラクター 栄養士 食生活アドバイザー

このような状態が毎日ともなれば、筋肉が減少することにより代謝が落ちてしまうとなるということになります。

朝食の役割

・昼食までのエネルギー源の供給
・体温を上げ体を目覚めさせる
・体内のリズムをつくる

朝ごはんを食る習慣のない子供は、落ち着きがなく勉強や運動能力が低下する。なんて言われているのも、お昼ごはんの前に勉強や運動をする際のエネルギーが不足してしまうことが原因としてあります。朝ごはんには1日の生活リズムを規則正しくし、眠っていた体を頭を目覚めさせてくれるメリットがあるというわけです。

朝の眠気は朝ごはんを食べないことに理由がある?

朝ごはんを食べない人は夜更かしして睡眠時間が少ない

まず良質な睡眠をとるには、1日の生活リズムを整えることが大切です。
睡眠をつかさどるホルモン「メラトニン」をしっかりと分泌させることが必要ですが、バランスの良い朝ごはんをとれば、14〜16時間後にはメラトニンが生成されタイミング良く眠気が促されるといわれています。
メラトニンの材料となるトリプトファンという必須アミノ酸(たんぱく質)は、肉・魚・ナッツ類などに含まれており、メラトニンを合成する過程で必要になってくるビタミン・ミネラルも一緒に摂ることが必要になります。

ご飯にお味噌汁、主菜(肉魚卵大豆製品などのたんぱく質)、副菜(おひたしやサラダなどの野菜)を取り入れた和定食
まさに「主食・主菜・副菜」の揃ったバランスの良い朝ごはんが理想的です。

簡単にパンなどで済ませる際は、バナナやヨーグルト豆乳に果物などをプラスしてみましょう。もちろんバランスの良い食事に加え、運動、入浴など1日の内の様々な生活のリズムが大切となります。

朝ごはんが眠気覚ましになる

起床後に食事をすることで体温や血糖値が上昇し、起床と睡眠とのリズムにメリハリが生まれ快眠につながります。また、体や脳が朝だと認識することによって眠気がとれてきます。

朝ごはんとスムーズな入眠

朝に体温を上げると夜は体温が下がりやすくなります。
朝ごはんを抜いた状態だと体温が途中で上がりきらず、その後逆に上昇するなど乱れが出るといわれています。
体温が高いときには心身の動きが活発になり、低いときには深い眠りにつくことが出来るといわれていますので朝ごはんを食べることが夜の眠りに関係していると言えます。

山口 里奈監修トレーナーからのアドバイス

LPY認定ヨガインストラクター 栄養士 食生活アドバイザー

日中きちんとした覚醒がなければ、睡眠の質が下がってくる、あるいは量が減る。それがまた次の日の日中の活動に響いてくるのです。

朝食を摂らないとまた翌日の朝食を食べない理由につながり、負のサイクルに陥ってしまうのです。

朝ごはんを食べないと太るの?痩せるの?ダイエットに向かない理由

朝ごはんを今まで抜いていたから、急に食べたら太るんじゃないかって心配です…

山口 里奈監修トレーナーからのアドバイス

LPY認定ヨガインストラクター 栄養士 食生活アドバイザー

ダイエットとは、まず太りにくい習慣を身につけることが大切なんです。

食べたその分カロリーが多くなるんじゃないですか?

山口 里奈監修トレーナーからのアドバイス

LPY認定ヨガインストラクター 栄養士 食生活アドバイザー

大丈夫です!短期的なダイエットなら良いかもしれませんが、食べて痩せる体をキープできた方がよいですよね?ダイエットとリバウンドを繰り返しているうちに痩せにくくなったと感じることはありませんか??
それでは、朝ごはんを食べないことがダイエットに向かない理由をお伝えいたします

欠食するとリバウンドを引き起こしやすくなる。

欠食すると体は飢えを感じているため、摂取した栄養素をすぐに脂肪にして蓄える働きが自然と強くなります。すると、脂肪だけが増え(特に内蔵型脂肪)また体重を落とすために食事制限だけを行う。
この繰り返しにより脂肪が多く筋肉が少ない痩せにくく太りやすい体が作り上げられてしまいます。

これがダイエットのリバウンド現象です。
次の食事までの時間が長くなればなるほど、血糖値が低い状態が続くので、脳が強い飢餓感を感じて食欲をコントロールできなくなり食べすぎの原因にもなります。

体温が低下すると燃焼しにくくなる

ダイエットにおいて「代謝」が重要なことはみなさん御存じだと思いますが、体温が1℃低下するだけで基礎代謝が約13%も下がるといわれています。(出典:厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準(2005年度版)
特に起床してすぐは体温が低くなりがちです。 朝ごはんを食べないと体温を十分に上げることが出来なくなるため、体が省エネモードになり脂肪をため込みやすい体つくりをしていることになってしまいます。

栄養不足になると筋肉が減る

朝ごはんを食べないで空腹時間が長くなると、脳に糖分を送ることが出来ないため、次に筋肉を分解してエネルギーに使う糖新生が起こります。
実際、筋肉がエネルギーに使われるのはかなりの飢餓状態になってからですが、日ごろのダイエットなどで栄養が不足しているとすぐに影響を及ぼしてしてしまいます。

新たに筋肉をつけるためにはたんぱく質が多く消費されますが、就寝中に成長ホルモンの分泌が活発となり筋肉の成長も促進されるため、体内のたんぱく質が多く消費されます。朝ごはんでたんぱく質を摂取することが筋肉をつける上でも重要なことが分かります。

【こちらの記事もぜひ参考に】

朝ごはんを食べて便秘解消

消化によって体温が上昇し、胃腸の働きが活発になりますが、 朝ごはんを食べないと、腸内の刺激が少なく結果便秘になってしまう恐れがあります。
水分もしっかり摂って腸を刺激し便秘を改善し、1日を爽快にスタートさせましょう。

朝ごはんを食べて美と健康を手に入れよう

ダイエットのためと思って朝ごはんを抜いても、かえって太ったり、病気のリスクを上げたりと、メリットが少ないことがわかります。
食べ物に含まれている栄養素はどれも私たちの体に必要な役割がありますので、3食バランス良く食べて、運動しコツコツ取り組むのが一番の近道です。

朝ごはんには、血糖値が保たれやすく腹持ちのよいご飯がおすすめですが、忙しい時や朝ごはんを食べる習慣のない方などは軽めのパンやバナナ、ヨーグルトなど食べやすいものから始めてみましょう。
少量の飲み物から始めていくのも良いです。

また朝ごはんを食べないといった生活習慣では、いくら筋トレをしても効率よく筋肉をつけることは難しくなります。栄養不足ではかっこ良い体作りはできません。筋トレをしている方なら、朝ごはんも体づくりの1つとして考えてみてください。

食欲がわくような彩り鮮やかな料理や、楽しみながらする食事は、消化吸収に良く、食べ物がエネルギーになる率も向上します。私たちがダイエットをしている際になりがちな、食べ物に罪悪感をもちながら摂る食事は太るともいわれていますので、美味しく楽しく食べて、心と体に栄養を与えましょう。

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