握力の正しい測り方|握力計の握り方・年齢別平均・記録のコツ

握力は、握力計の握り幅を手に合わせ、まっすぐ立って腕を自然に下ろし、体や衣服に触れない状態で握るのが基本です。左右を交互に2回ずつ測り、各手の最高値を平均した値を記録します。勢いをつけたり、腕を振ったりすると比較できる数値になりません。

この記事では、握力計の正しい握り方と測定手順、年齢別平均、記録を比較するときの注意点、握力を鍛える方法をまとめます。

握力の正しい測り方

1.握力計の握り幅を調整する

人差し指の第2関節がほぼ直角になる位置を目安に、握力計のハンドル幅を調整します。幅が広すぎても狭すぎても力を出しにくいため、他人と同じ設定にせず自分の手に合わせましょう。測定前に指輪などを外し、手やハンドルが滑らない状態にします。

2.腕を自然に下げてまっすぐ立つ

両足を自然に開いて立ち、測定する腕を体の横へまっすぐ下ろします。握力計が体や衣服に触れないようにし、肩をすくめたり、肘を曲げたりしません。座って測る場合は、毎回同じ姿勢と条件にそろえることが大切です。

3.息を止めすぎず、全力で握る

合図に合わせて、握力計を振らずに数秒しっかり握ります。測定中に腕を振る、握力計を脚に押しつける、体を大きく反らすといった動作は避けてください。強く息を止め続ける必要もありません。

4.左右を交互に2回ずつ測る

右、左、右、左の順で測り、各手の良いほうの値を採用します。体力テストでは、右手と左手それぞれの最高値を足して2で割り、kg未満を四捨五入して記録する方法が一般的です。日々の変化を見るなら、時間帯・姿勢・握力計・握り幅をなるべく統一しましょう。

ケトルベルを両手に持ってファーマーズキャリーを行う女性
握力トレーニングは、無理のない重量と安定した姿勢から始めます。

年齢別の握力平均値

次はスポーツ庁「令和5年度 体力・運動能力調査」の成人の平均値です。調査集団の平均であり、個人の合否や健康状態を判定する基準ではありません。測定方法や当日の体調でも数値は変わるため、近い年齢区分を目安として見てください。

年齢男性女性
20〜24歳44.11kg26.84kg
25〜29歳45.60kg27.66kg
30〜34歳45.67kg27.78kg
35〜39歳46.28kg28.13kg
40〜44歳45.78kg28.16kg
45〜49歳45.30kg27.84kg
50〜54歳44.31kg27.05kg
55〜59歳43.41kg26.08kg
60〜64歳41.94kg26.08kg
65〜69歳39.36kg25.08kg
70〜74歳37.50kg23.75kg
75〜79歳35.07kg22.80kg

子ども・10代は成長に伴う変化が大きく、1歳刻みの資料で確認する必要があります。学校の測定結果を比べる場合は、同じ年度・同じ年齢のスポーツ庁資料を参照してください。

平均より低いと健康に問題がある?

平均値を下回っただけで、病気や筋力低下と決まるわけではありません。利き手、体格、運動歴、けが、疲労、測定姿勢、握力計の違いなどでも数値は変わります。握力は全身の筋力や健康状態と関連する簡便な指標として研究されていますが、1回の測定だけで健康リスクを診断するものではありません。

高齢者のサルコペニア評価では、男性28kg未満・女性18kg未満などの値がスクリーニングに使われることがあります。ただし、これは一般成人の年齢別平均とは目的が異なり、握力だけで診断する基準でもありません。急な低下が続く、左右差が大きい、痛みやしびれがある場合は、自己判断せず医療機関へ相談してください。

握力測定で記録を出すコツ

  • 握る前に数分休み、手首や指を軽く動かす
  • 人差し指の第2関節がほぼ直角になるよう握り幅を合わせる
  • ハンドルを指先だけでなく手のひらと指で包む
  • 肩・肘・手首を不自然に曲げず、腕を体につけない
  • 左右の測定間に短い休憩を入れ、疲労を残さない

測定直前にハンドグリッパーを何度も握ると、筋肉が疲れて記録が落ちることがあります。ウォームアップは軽めにとどめ、毎回同じ条件で測ることを優先しましょう。

握力を鍛える3つの方法

ハンドグリッパー

10〜15回ほど丁寧に握れる強度から始め、左右2〜3セットを週2〜3回行います。反動を使わず、閉じる動作と戻す動作をコントロールします。毎日限界まで行う必要はありません。

ファーマーズキャリー

ダンベルやケトルベルを両手に持ち、背すじを保って20〜40秒歩きます。握力だけでなく体幹も使うため、最初は姿勢を崩さず運べる重量を選びます。器具を落として足を傷めないよう、周囲を片づけて行いましょう。

タオル絞り・ボール握り

器具がない場合は、濡らしたタオルを左右に絞る、柔らかいボールをゆっくり握る方法もあります。痛みが出ない範囲で10〜15回を目安にします。手首や指に痛みがある人は中止してください。

よくある質問

握力は右手と左手のどちらを記録しますか?

体力テストでは、左右それぞれの最高値を平均します。片手の能力を追う目的なら左右別に記録してください。

デジタル握力計とアナログ握力計で数値は同じですか?

機器の構造や校正状態によって差が出る可能性があります。経過を比べるときは、同じ握力計を使うのが基本です。

握力は毎日測ってもよいですか?

軽い測定なら可能ですが、最大努力を繰り返すと手や前腕が疲れます。変化を追う目的なら、十分に休んだ同じ曜日・時間帯など、条件をそろえて定期的に測るほうが比較しやすくなります。

まとめ

握力を正しく測るポイントは、握り幅を手に合わせ、まっすぐ立って腕を自然に下ろし、握力計を体につけずに握ることです。左右2回ずつの最高値を平均し、同じ条件で比較しましょう。年齢別平均は目安であり、1回の数値だけで健康状態を決めつけないことも大切です。

参考文献