玄米は糖質制限ダイエット向きか?カロリー・糖質・脂質・タンパク量を分析

玄米にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれていてダイエットにピッタリです。これらの栄養素が効果的にダイエットに取り組む補助をしてくれるでしょう。また、毎日の白米を玄米に切り替える事で、ダイエット中でも華のある食事を楽しめるはずですよ。

玄米の簡単な基礎知識

玄米とは

玄米は、収穫されたお米の稲からもみ殻を取り除いた状態のお米の事です。精米されていない為、茶色や黄色っぽい色をしています。日本で一般的に食べられている白米よりも加工される過程が少ない事がポイントです。精米の際にミネラルやビタミン、食物繊維が失われがちですが、玄米は精米されていないため、栄養素が高い特徴があります。ひと昔前まで、白米を食べる事は贅沢で、一般的には玄米や雑穀米が食べられていました。生産量の増大や製造技術や進歩によって白米が主流になりましたが、近年のダイエット志向や健康志向の向上によって玄米が好んで食べられるようになっています。

玄米と白米との違い

玄米も白米も、もとは同じ稲から収穫されています。どちらももみ殻から取り外されるまでは同じです。しかし、白米は精米という、表皮や胚芽を削り取る過程が加わります。玄米には、白米にない表皮や胚芽の栄養素が含まれています。玄米は表皮や胚芽が残っている為、食べにくかったりパサパサとしがちですが、しっかりと水分を吸収させて炊き上げることで、白米は無いモチモチとした触感が表れます。白米では味わえないリッチな食感が好まれています。玄米のモチモチ感や歯ごたえは少量でも、白米よりもより高い満足感を与えてくれるでしょう。玄米と白米の違いは、黒砂糖と白砂糖の違いに似ていますね。

雑穀と雑穀米について

雑穀米は主穀であるお米、小麦や大麦を除いた穀類や擬似穀類の事をさします。雑穀の定義はすこしあいまいな所があり、豆類を雑穀に含めて考えられることもあります。しかし、雑穀はお米ではないので、玄米とは異なります。
雑穀には非常に沢山の種類があり、栄養素も微妙に異なります。例えば、黄色っぽい色をした「ひえ」と呼ばれる雑穀にはマグネシウムや亜鉛が豊富に含まれていて、免疫力の向上などを促します。茶色っぽい色をしている「あわ」は、パテントン酸やナイアシンなどのビタミンB群を有していて、糖質のエネルギー代謝を効果的にします。他にも油殻である黒ゴマや白ごま、金ゴマ、麦類ではアマランサスと呼ばれる小さな粒上の麦やカルシウムやマグネシウムも含んでいるキネアなどがあります。雑穀は精米の様に、加工される過程が長くないため、非常に豊富な食物繊維も有していますよ。これらの雑穀はグルテンフリーです。グルテンは食欲をそそるので、ついつい食べ過ぎてしまいがちですが、グルテンフリーの食事を取ることで、無駄に食べすぎてしまう事が減るでしょう。
この様に雑穀には高い栄養素と食物繊維が豊富なこと、グルテンフリーである特徴が近年注目されています。雑穀をそのまま食べるのには抵抗があるので、玄米や白米と一緒に混ぜて炊く雑穀米の人気が高まっています。
白米に少量の雑穀を加えて炊くだけで、通常の炊飯器でも美味しい雑穀米が用意できるでしょう。玄米に雑穀を加えれば更に栄養素の高い雑穀米が出来上がるでしょう。

玄米のカロリー・糖質・脂質・タンパク質量

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
玄米ご飯(一膳160g) 264 54.72g 1.6g 4.48g
玄米ご飯(100g) 165 34.2g 1g 2.8g
玄米(1合340g) 561 116.28g 3.4g 9.52g
上の表が玄米の食品分析です。玄米1合で561kcal、お茶碗一膳で264kcalのカロリーです。糖質量は玄米1合で116.28g、お茶碗1膳で54. 72gとなっていてます。玄米のお茶碗1膳の脂質量は1.6g、タンパク質量は4.48gです。1合の玄米の脂質量は3.4g、タンパク質量は9.52gです。

玄米の食費分析を他の食品と比較しよう!

玄米と他の主食とのカロリー・糖質・脂質・タンパク質量比較

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
玄米ご飯(100g) 165 34.2g 1g 2.8g
白米ご飯(100g) 168 36.8g 0.3g 2.5g
うどん(100g) 105 20.8g 0.4g 2.6g
そば(100g) 114 20.6g 0.7g 4.8g
パスタ(100g) 149 26.9g 0.9g 5.2g
食パン(100g) 264 44.4g 4.4g 9.3g
玄米の食品分析を他の主食、炭水化物の源と比べてみましょう。玄米のカロリーは100g当たり165kcalで、白米のご飯の168kcalと大きな違いがない事が分かりますね。しかし玄米のカロリーはうどんの1.6倍、そばの1.4倍、パスタの1. 1倍の高さです。食パンと比べると、玄米のカロリーは食パンの63%である事も明らかになります。
玄米の糖質は34. 2gで白米よりもほんの少し低い数値が表れています。でもうどんやそば、パスタと比較すると6割~7割程多い量の糖質が玄米には含まれています。玄米の糖質量は食パンの78%程の糖質量です。
食パンを除けば玄米と他の主食の脂質量には大きな違いはありません。食パンは玄米の4. 4倍の脂質量を有しています。タンパク質量は、玄米と白米、うどんがほぼ同量です。玄米よりもそばが1.7倍、パスタが1.9倍、食パンは3.3倍のタンパク質量を有している事も分かります。

覚えておきたい玄米の栄養素

エネルギー代謝の改善による脂肪燃焼率の向上を促すビタミンB1

玄米には非常なビタミンB1が含まれています。ビタミンB1は水に溶ける性質があり、糖質をエネルギー源に変換する際の補助をする働きがあります。しっかりとビタミンB1を摂取すると、糖質がエネルギー源として素早く利用されるようになります。すると、筋肉細胞に蓄えられている糖質が短時間で底をつくので、脂肪がその代用としてエネルギー源として利用されやすくなります。ジョギングやエアロビ、水泳などの一般的な有酸素運動を行う場合、初めの20分間は糖質がエネルギー源として利用されて、脂質はあまり利用されません。しかし、糖質の蓄えを素早く燃焼できれば、脂質がエネルギー源として利用されて燃焼し始めます。ビタミンB1のエネルギー代謝を促す働きは、脂肪を燃焼されやすくして燃焼率を上げてくれるので、ダイエットを手助けしてくれます。

糖質のエネルギー代謝が良くなると言う事は、糖質からより大きなエネルギーが生み出せるようになるという事です。これは、運動能力やスポーツのパフォーマンスの向上に直結するでしょう。記録が伸びたり、パワフルなプレーが可能になることで、運動やスポーツからより大きな快感や楽しみを得られるのでは無いでしょうか。

GI値をさげる食物繊維

食物繊維は、水に溶けるかどうかと言う基準で、2種類に分類する事が可能です。100g当たりの玄米には、水に溶ける水溶性食物繊維が0. 7g含まれています。この水溶性食物繊維は体内の水分に溶けて、お腹の中でゲル状になり糖質や脂肪の吸収スピードを抑える働きがあります。これはGI値を抑える事に直結します。GI値が高い食品は、糖質や脂質が素早く血液に流れ込み、コレステロール値の急上昇を促します。するとインスリンと言うホルモンが過敏に放出され、脂肪の蓄積が必要以上に起こります。また、脂肪の燃焼を抑制する事で、体内にエネルギーを溜め込む働きもあるので、脂肪の燃焼率が下がります。痩せにくいだけでなく、太りやすくなってしまうので、ダイエットの妨げになります。玄米の水溶性食物繊維はGI値を抑える事で、糖質の吸収を抑えて太りにくい食事を可能にしてくれるでしょう。

また、玄米には水に溶けない不溶性食物繊維も100g当たり2. 3g含まれています。不溶性食物繊維は体内の水分を吸収して腸内で便を作る働きを活発にします。腸に溜まった古い沈殿物や、老廃物などを綺麗に取り込んで、体外へ排出を促すので、デトックス効果が抜群です。便秘解消や快便効果だけでなく、デトックス効果によって老廃物が取り除かれると、腸内の細胞がよりアクティブになりやすく、ほんの少しですが基礎代謝もあがります。基礎代謝が上がるとエネルギー量の消費が増加してダイエットにプラスの効果をもたらします。

玄米には白米よりも豊富なミネラルやビタミン

玄米にはカルシウムが9㎎、鉄分が2.1㎎、マグネシウムが110㎎含まれています。これらのミネラルの量は白米よりも遥かに高くなっています。玄米のカルシウムは白米の1.8倍、鉄分は2.6倍、マグネシウムは4. 8倍の高さです。他にも玄米にはカリウム、亜鉛、銅、マンガンなどのミネラルも白米より豊富に含んでいます。また、玄米にはビタミンB6が0.5㎎含まれていて、これは白米の約5倍です。ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、葉酸などもビタミンの割合も白米よりもかなり高くなっています。

玄米は白米の10倍のイノシトールが含まれている

脂肪肝や脂質異常症などの薬にも含まれている事が多く、幸せホルモンとも呼ばれるセニトロンの分泌とも関係があり、うつ病やパニック障害にも効果があります。

玄米にはグルコースを原料に成り立っているイノシトールが白米の約10倍含まれています。このイノシトールと言う物質は体内で分解されて、イノシトール3やリン酸に変化します。これらの物質は神経のシグナルの伝達を助ける働きがあります。その為、玄米のイノシトールからは神経伝達をスムーズにする効果が期待できます。ちなみにこのイノシトールはグルコースから成り立っているので、食べた際には口の中で甘みを感じます。

玄米は糖質制限ダイエットに向いているのか

糖質制限ダイエット中の炭水化物は玄米もしくは雑穀米で補おう!

玄米と雑穀米は糖質制限ダイエットに向いています。それは、玄米や雑穀米は白米や他の炭水化物からは摂取できない栄養素を補給できるからです。食物繊維やビタミンB1、ミネラル類は糖質制限ダイエットを行う上で非常に重要です。食事を制限すると簡単に不足してしまうこれらの栄養素を、玄米や雑穀米から摂取出来れば、効果的に糖質制限ダイエットに取り組めます。主食の白米や食パンを玄米や雑穀米に変えれば、糖質の摂取量を軽減させながら美味しく高い栄養素を補えます。玄米はうどんやそば、パスタなどより糖質量が高いのですが、これらの食品にはない栄養素のメリットは大きくて魅力的です。

面倒な方は麹菌によって醗酵されている玄米酵素の利用もOK!

玄米を毎日継続して食べる事が難しい方は、玄米を麹菌によって醗酵させて作られた玄米酵素を利用しても良いでしょう。玄米酵素は水を加えて飲むドリンクタイプの健康補助食品や、ご飯を炊く時に加えるタイプのものなど、幾つかの種類があります。麹菌によって醗酵されているので、ビタミンやミネラルなどの栄養素が高まっているので、とてもパワフルです。白米に混ぜて炊く場合、醗酵されている分、通常の玄米以上に粘り気が強く、もち米のような食感を楽しめるでしょう。見た目も白米より鮮やかですので、食事制限ダイエット中など、食べる量が少ない際にも一食が華やかに見える様になるでしょう。

玄米でダイエットを行う際の注意点と美味しい食べ方

糖質ダイエット中の摂取量には気を付けよう!

玄米はダイエット中にも食べたい食品です。しかし、玄米は白米と同様の主食で炭水化物の塊です。糖質ダイエットは糖質量をカットしてコントロールする事で体重を落としていくダイエット方法です。カロリー量や糖質量、脂質量は低めですが、ゼロではありません。食べ過ぎてしえば直ぐに体重は増えるでしょう。超低カロリー、低糖質の豆腐やこんにゃくとは異なります。自制を効かせて、食べる量をしっかりとコントロールする事が大切です。

玄米をより美味しく食べる方法

玄米を炊飯器で炊くとパサパサとしやすい特徴があり、これは消化の妨げになりかねません。玄米を炊飯器で炊く際には、白米よりも長い間水に漬けておくや、ほんの少量の食塩を加える事がポイントです。水に漬けておく時間がない場合は、ほんの少し多めに水を加えて炊き上げると良いでしょう。玄米が水分を吸収してふっくらと炊き上がるでしょう。また、水分を多く含んだ玄米は、大きく膨張するので、ほんの少しですが、より多くの量を食べた気になれるはずですよ。