腸腰筋のストレッチ方法10選!腰痛改善に効果的!

監修者

やざわめぐみ

ヨガラジオ体操・タイマッサージインストラクター

「腸腰筋」ってご存知ですか?名の通り、腸と腰に関係する筋肉。腸腰筋が硬いと腰痛の原因にもなります。今回は、「腸腰筋」に注目したストレッチ方法を10個ご紹介します。

腸腰筋とはどこの筋肉?

「あいたた、運動不足で腰が痛いです」

やざわめぐみ監修トレーナーからのアドバイス

ヨガラジオ体操・タイマッサージインストラクター

腰が痛いと、つい直接トントン叩きたくなりますよね。「腸腰筋」をストレッチすることで良くなるかもしれませんよ!

本当ですか?

やざわめぐみ監修トレーナーからのアドバイス

ヨガラジオ体操・タイマッサージインストラクター

ぜひ、一緒にやってみましょう。まずは「腸腰筋」について、説明します。

腸腰筋とは?

腸腰筋とは、背骨と両足をつなぐ筋肉になります。
腸腰筋はひとつの筋肉を指すのではなく、以下の3つの筋肉をまとめた呼び方で体幹深層(インナーマッスル)にある筋肉です。

◯腸腰筋を構成する筋肉
・腸骨筋
・大腰筋
・小腰筋

小腰筋は退化して、50%の人が失ってしまっている筋肉とも言われています。
実質、腸腰筋は「腸骨筋」と「大腰筋」のふたつを組み合わせた筋肉。
ここでは小腰筋は省いて、解説していきます。

大腰筋とは?

◯大腰筋の場所
真ん中より少し下ぐらいの背骨から始まり、一番骨盤に近い背骨や骨盤の前を通り太ももの骨の内側(小転子)についています。

◯主な働き
・股関節を安定
・股関節を屈曲、外に回す

足をあげる際に作用するので、歩いたり、ボールを蹴ったりするときにも使われます。
運転やデスワークなど長時間椅子に座っていると、股関節を曲げて大腰筋をずっと縮めている状態で止まっているので硬くなりやすいです。
大腰筋が硬くなると収縮が思うようにできず、直立時や歩行時に影響が出てしまう可能性も出てきます。

腸骨筋とは?

◯腸骨筋の場所
腸骨筋は骨盤の内部から始まり、太ももの骨の内側(小転子)についています。

◯主な働き
大腰筋と異なり、背骨に付着していないので、純粋に足をあげる働きです。
股関節を外側に捻りながら曲げる作用になるため、あぐらをかいたり、椅子に座って靴下を履いたりするときにも使われます。
腸腰筋の中でも最も深層部に付着する筋肉です。

「腸腰筋」をストレッチすれば、腰痛が良くなる?

へー。「腸腰筋」は背骨と両足をつなぐ筋肉なのですね。腰痛には関係なさそうですが・・・。 

やざわめぐみ監修トレーナーからのアドバイス

ヨガラジオ体操・タイマッサージインストラクター

それが大いに関係があるのですよ。

腸腰筋が硬いと猫背になる

長時間デスクワークをしていると、だんだん腰の辺りが痛くなったことはないですか?

腸腰筋が凝り固まった状態になるということは、腰椎も前方へ引っ張られることに。
そうすると、まっすぐな姿勢を保てず、骨盤が後傾し、猫背気味になってしまうのです。

猫背は腰痛の原因になる

猫背の姿勢になると、股関節の可動域を狭めることになります。
膝や腰にも負担がかかり、腰痛や膝痛の原因になっていくのです。

腸腰筋の働きは、骨盤の位置に大きく関係しています。
骨盤を前傾させるための筋であり、背骨の反り(アーチ)を形成する大きな役割を果たしているため弱ってしまうと骨盤が後傾してしまう。

つまり腸腰筋は、骨盤の位置を安定させて、正しい姿勢を保つために、非常に重要な役割を担っています。

「腸腰筋」をストレッチで得られる効果

効果①体幹が安定して、姿勢が楽になる

腸腰筋は、骨盤と太ももを繋いでいる筋肉で体幹の安定性に非常に関連しています。
腸腰筋を柔らかく保つことで、体幹が安定。運動の際にも、体がブレにくくなるため、足も踏ん張りがききやすくなります。

効果②腰痛の緩和・予防

腸腰筋(特に大腰筋)が硬くなることで、腰の骨を引っ張るため腰痛の原因となります。
長時間座ったままのデスクワーク、長距離を運転するドライバー、高齢者の方など、腰痛になりやすい方は腸腰筋をストレッチすることで腰痛を緩和・予防が期待できます。
また腰痛だけではなく背中の張りや肩こりにも。

効果③歩きやすくなる

腸腰筋は、地面を蹴る力を前方へ推し進める力として使っています。
腸腰筋がうまく使うことができれば歩幅も自然と広くなり、足の運びがスムーズになったり、階段もスイスイのぼることができます。

効果④つまずき、転倒防止

腸腰筋の柔軟性に欠けると、脚を後ろから前に振り出すときに腸腰筋が無駄に働きます。
腸腰筋をストレッチし、柔軟性を保つことで効率良く、自分が思い描いたように足を振り出すことができるので、つまずきや転倒を防止する効果が期待できます。

「腸腰筋」のストレッチ方法10選

それでは、「腸腰筋」のストレッチをしていきましょう。 

◯時間と回数の目安
目安の時間は15秒~30秒程度。左右あるのはバランスを取るために両方やります。
回数は、3セット~5セット。できるなら朝昼晩のちょっとした合間にでも。

◯「呼吸」を意識することがコツ
普段より深い呼吸を意識します。息を吐きながら、決して呼吸は止めないでください。
体が伸びなくなるのでもったいないです。

①仰向けストレッチその1 

片脚を曲げて、両手で膝を抱えるようにして、お腹に引き寄せる。
ポイントは、背中は丸めず、床につける。伸ばしている脚がまっすぐになること。
(左右)

②仰向けストレッチその2

(1)片脚を外側に膝を折り曲げる。
(2)反対の脚を曲げた脚に被せる。
ポイントは曲げた脚は無理に床についていなくても大丈夫。
(左右)

③うつ伏せストレッチその1

胸の横に両手をついて、上体をそらしていく。
ポイントは、腕をまっすぐにして、天井を見あげる。

④うつ伏せストレッチその2

テニスボールを使う方法
(1)おへその3cmくらい横と、腰骨の内側にテニスボールを押し当てる。
(ボール1個で1ヵ所ずつ。左右合わせて4ヵ所)
そのままゆっくりと体重を乗せて圧がかかっているのを感じる。
ポイントは腸腰筋の近くには鼠経靭帯や動脈や静脈、リンパ、神経などありますので、強過ぎず適度な刺激で行う。

⑤横向きストレッチその1

(1)床についているのと同じ側の手を枕のようにして頭に敷き、下の脚を軽く曲げる。
(2)片手で上の脚のつま先を後ろに引っ張っていく。
(左右)
ポイントは仰向けにならないように、横向きの状態でする。

⑥膝立ちストレッチその1

(1)両膝が90度に曲がるようなイメージで片膝立ちをする。
(2)骨盤に両手を置きながら、前脚に体重を乗せていく。
(左右)
ポイントは、背中はまっすぐにして、視線は前を向く。後ろ側の付け根あたりが伸びているのを感じる。

⑦膝立ちストレッチその2

6の応用バーション
(1)両膝が90度に曲がるようなイメージで片膝立ちをする。ここまでは同じ。
(2)両手を組んでまっすぐ頭上にあげる。その状態で、前脚に体重を乗せていく。
(左右)
ポイントは、手をあげることにより背中が丸まりにくいこと。負荷をかけることができる。

⑧膝立ちストレッチその3

(1)両膝をつき、四つん這いになる。
(2)床に両肘をつき、背中を丸めた体勢をとる。
(3)片脚を後ろにあげていく。
(左右)
ポイントは視線はお腹を見て背中を丸める。

⑨直立ストレッチその1

壁を使う。両手を壁について、片足ずつ大きく後ろに伸ばしていく(左右)
ポイントはあげた足は曲げないで、なるべく水平に近づける。

⑩ヨガで戦士のポーズ

(1)片脚を大きく後ろに引き(つま先はやや外側へ)、両手をそろえて頭上へあげる(左右)
(2)前脚の膝だけ曲げて、体を反らす。
ポイントは視線をやや上に向ける。

やざわめぐみ監修トレーナーからのアドバイス

ヨガラジオ体操・タイマッサージインストラクター

10通りのストレッチをご案内いたしました。
取り組めるものから、ひとつだけでいいのでトレーニングするつもりで続けてやっていきましょう。
「継続」することが大事です。
1日1回はできるように取り組んでください。
次第に腰痛も改善できるはずですよ。