ほうれん草のカロリーは?ダイエット向き?糖質・脂質・タンパク質比較

ほうれん草は低カロリーでダイエット向き?鉄分やビタミンが豊富?ほうれん草の糖質・脂質・タンパク質量や栄養素の比較からダイエットに効果的なレシピまで大公開します。

ほうれん草とは?ほうれん草の種類と旬

ほうれん草とは?

ほうれん草はアカザ科ほうれん草属の野菜で、日本には江戸時代の初め頃に伝わったとされています。
ほうれん草を生産量が多い都道府県は千葉県や埼玉県、群馬県、茨城県などです。この上位4県はいずれも関東で、この4県と神奈川県で全国の3分の1を生産しています。
ほうれん草は冷え込むと軟らかくなり、味がよりよくなります。

ほうれん草の種類

ほうれん草は2つの品種があります。

東洋種
葉の切れ込みが深くとがった形をしています。アクが少なく、お浸しに向いています。

西洋種
葉は切れ込みがなく丸みを帯びていて、厚みが少しあります。あくが強いため、ほうれん草のソテーなどに向いています。

普段スーパーでは品種まで記載されていませんが、市場に出回っているもののほとんどは上記の交雑種が多く、産地によって東洋種に近いものと西洋種に近いものがあります。

ほうれん草の旬

ほうれん草の旬は11~2月の季節は冬になります。
この時期は色も濃く、栄養分もまして甘味があります。
また、この時期は霜に触れると甘みが増すため、あえて寒い環境で栽培した「寒締め(かんじめ)ちぢみほうれん草」という品種があります。

ほうれん草のカロリーはどのくらい?ダイエットに向いているのか?

ほうれん草のカロリー・糖質・脂質・タンパク質

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
ほうれん草(100g) 20 0.3g 0.4g 2.2g
ほうれん草(1束270g) 54 0.81g 1.08g 5.94g
カロリー、糖質量、脂質量、タンパク質量が全て低く、鉄分、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCなどのミネラルや食物繊維、葉酸を多く含みます。

ほうれん草でダイエットはできる?カロリーは低いの?

カロリーが低く、糖質量、脂質量も少ないため、ダイエットに適した食材といえます。
また、ダイエット中に不足気味な鉄分、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCなどのミネラル、食物繊維、葉酸を多く含むので、ダイエット中に積極的に摂ったほうがよい食材です。

糖質制限ダイエット中にとってもよいか?

ほうれん草は糖質が非常に少ないため、糖質制限ダイエット中は積極的に摂取したほうがよい食材となります。
また、糖質が少ないだけでなく、ダイエット中に不足がちな鉄分やβ-カロテン、カリウム、マンガン、ビタミン等を多く含むため、健康的なダイエット効果が期待できます。

ほうれん草のカロリーを他食材と比較

ほうれん草と他の野菜とのカロリー比較(100gあたり)

食品 カロリー
ほうれん草 20kcal
小松菜 14kcal
はくさい 14kcal
水菜 23kcal
にんじん 37kcal
大根 18kcal
じゃがいも 76kcal
ほうれん草以外の野菜と同様、ほうれん草は非常にカロリーが低い野菜です。

ほうれん草の調理方法別のカロリー比較(1人前)

食品 カロリー
ほうれん草のごま和え(小鉢一杯82g) 61kcal
ほうれん草のお浸し(小鉢一杯94g) 25kcal
ほうれん草の胡麻和えは味付けにごまや醤油、砂糖を使用しているため、カロリーが少し高くなっています。
同じくほうれん草の白和えも豆腐やごま、醤油、砂糖を使用しているためカロリーが高くなっていますが、その分ボリュームも増えるため、ダイエットには向いている調理方法と言えます。
ほうれん草のおひたしは非常に低カロリーですので、積極的に普段の食卓のメニューの一つにするのがお薦めです。

ほうれん草の糖質・脂質・タンパク質量を他の食材と比較

ほうれん草と他の野菜との糖質・脂質・タンパク質量比較(100gあたり)

食品 糖質 脂質 タンパク質
ほうれん草 0.3g 0.4g 2.2g
小松菜 0.5g 0.2g 1.5g
はくさい 1.8g 0.1g 0.8g
水菜 1.8g 0.1g 2.2g
にんじん 6.5g 0.1g 0.6g
大根 2.8g 0.1g 0.4g
じゃがいも 16.3g 0.1g 1.6g
ほうれん草は他の野菜と比べても糖質量、脂質量が低く、タンパク質量は他の野菜よりも多く含まれています。

ほうれん草の調理方法別の糖質・脂質・タンパク質量比較(1人前)

食品 糖質 脂質 タンパク質
ほうれん草のごま和え(小鉢一杯82g) 2.94g 3.53g 3.07g
ほうれん草のお浸し(小鉢一杯94g) 1.13g 0.33g 3.43g
ほうれん草の胡麻和えは味付けにごまや醤油、砂糖を使用しているため、糖質量、脂質量がが少し高くなっていますが、ごまの脂質はリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が含まれており、不飽和脂肪酸には免疫力を高めたり、コレステロール値を下げる働きがあります。

ほうれん草の白和えは豆腐やごま、醤油、砂糖を使用しているため糖質量、脂質量が高くなっています。
豆腐はたんぱく質やカルシウム、鉄分、ビタミンB、カリウムなどの栄養素を含むため、様々な栄養素を摂取できます。

ほうれん草のおひたしは糖質量、脂質量が少なく、タンパク質量がそれほど高くはありませんが含まれています。カロリーが低いので、食事の副菜に1品添えたりするのがお薦めです。

ほうれん草の特筆すべき栄養素

抗発ガン作用や免疫賦活作用がある「β-カロテン」

ほうれん草は非常にたくさんのβ-カロテンを含みます。

β-カロテンとは、「カロテノイド」の一種でカロテン類に分類されます。
β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるため、β-カロテンとビタミンAの2つの作用を兼ね備えています。

β-カロテンは、ビタミンAの作用をするという働きのほか、強い抗酸化作用や、免疫を強化する働きがあります。
抗酸化作用には、体内で過剰に発生した活性酸素を除去する働きがあります。

活性酸素の増加を抑えることは、老化を防止し、動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果があります。
また、抗酸化作用にはガンの予防にも効果があり、これは活性酸素による遺伝子の損傷を防ぐためと言われています。

β-カロテンは、体内でビタミンAの供給源としての役割もあります。
β-カロテンは、小腸で吸収され必要な量に応じてビタミンAに変わります。そして、体内でビタミンAに変わると他の栄養の働きを促す効果があり、ビタミンBやビタミンD、ビタミンEなどの栄養素は、体内でビタミンAが十分に存在することで効果が発揮されます。

またβ-カロテンは体内でビタミンAに変換し、免疫力のアップ、皮膚や粘膜の健康を保つ効果があり、ドライアイの防止や夜盲症の予防改善、視力の低下を防ぎます。そのため、ビタミンAが不足すると、光を捉える網膜の働きが鈍くなるため、薄暗い場所や夜間の視力の低下を引き起こす要因となります。

貧血予防や疲労回復効果がある「鉄」

ほうれん草は非常に鉄分が多く含まれており、100gあたり2.0mgの鉄分が含まれています。
鉄分は体内でさまざまな役割を果たしていて、鉄分はおよそ7割が血液に、残りは筋肉や肝臓などに貯蔵されています。

鉄分は血液を造るために不可欠な栄養素で、赤血球の構成成分となっています。赤血球を作るためにも鉄分を摂り続ける必要があります。
鉄分は赤血球にあるヘモグロビンの材料で、ヘモグロビンは酸素と結びついて身体の隅々や各器官に酸素を送り届ける役割があります。

また、私たちは筋肉を動かすために酸素を細胞内に取込むが必要がありますが、酸素を取込むためには鉄分が必要不可欠です。
その他にも、鉄分は美肌効果や老化防止、活性酸素を抑えるカタラーゼという酵素を作る材料にもなっています。

女性の場合は毎月の生理で経血と一緒に鉄分も排出される分があるため、男性より鉄分が不足がちとなっています。
鉄分が不足すると、頭痛やめまい、たちくらみが起きやすくなるため、鉄分は積極的に摂り続ける必要があります。

免疫力を高めて風邪の予防に役立つ「ビタミンC」

ほうれん草には100gあたり65mgのビタミンCが含まれています。
ビタミンCは万能ビタミンと呼ばれ、免疫力を高めて風邪の予防やコラーゲンの生成を促進させ、しみなどを防ぐ美肌効果や生活習慣病の予防効果があります。
ビタミンCは鉄と一緒に摂れば吸収率が高くなるので、鉄やビタミンCを両方含むほうれん草は非常に相乗効果が期待できます。
またビタミンCはビタミンEと同時に食べることでより効果が高まるので、ほうれん草の胡麻和えはビタミンEが多く含まれたごまをほうれん草と一緒にとることでより効果が高まる調理方法と言えます。

なお、ビタミンCは熱や水分に弱く、空気に触れるだけでも失われていきます。
生で食べるほうがたくさん摂ることができますが、茹でる際は手早く茹でたり、煮物は汁ごと摂るなど工夫するとビタミンCの損失を防ぐことが出来ます。

塩分を体外に出す栄養素「カリウム」

ほうれん草には100gあたり690mgのカリウムが含まれています。
ほうれん草に含まれるカリウムには摂りすぎた塩分の排出を促して血圧を下げる作用があります。
カリウムが不足することでむくみや倦怠感や食欲不振、不整脈などの症状が起こる原因にもなるため、普段からカリウムを摂取することが大切です

骨の形成や健康維持作業をある「マンガン」

ほうれん草はの赤い根の部分にはマンガンがたくさん含まれています。
マンガンは、骨、軟骨、関節液、皮膚などの結合組織の合成や、骨へのミネラルの沈着を助け、骨や皮膚の健康を保つのに重要な栄養素です。
また、マンガンは糖尿病の防止効果や、活性酸素を抑える抗酸化酵素の構成成分となり、肌荒れや老化防止に役立ちます。

注意が必要な「シュウ酸」

ほうれん草にはシュウ酸という栄養が含まれています。ほうれん草のアクの部分になります。
このシュウ酸は唾液中のカルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムになり、尿路結石になるといわれています。
またシュウ酸は体内で鉄と結合して、鉄の吸収を妨げる作業があり、鉄分の吸収率を低下させてしまいます。

シュウ酸は下ゆですることで少なくすることが出来ますが、それだけではシュウ酸をすべて取り除くことは出来ないので、ほうれん草を色んな食材とバランスよく食べる必要があります。

ほうれん草のおすすめ調理方法・レシピ

ほうれん草の胡麻和え

ごまにはカルシウム、マグネシウム、鉄分など、ミネラル成分がバランスよく含まれていたり、ごまの脂質はリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸でできています。
不飽和脂肪酸には免疫力を高めたり、コレステロール値を下げる働きがあります。

<材料>
・ほうれん草 1束
・炒り白ごま 50g
・みりん 大さじ1
・砂糖 大さじ1と1/2
・しょうゆ 大さじ1

<調理方法>
1.ほうれん草は4~5㎝長さに切り、茎と葉に分け、沸騰した湯に塩少々を加え、茎から入れてゆでます。
 茹で上がったら、冷水に取りざるに上げ、水気をよく絞ります。
2.ごまはもう一度軽く炒ってすり鉢に入れ、ねっとりするまでよくすります。
 砂糖、しょうゆ、みりんを順に加えてごま衣を作ります。
3.2の中にほうれん草を加え、ごま衣がからむようによくあえます。

ほうれん草のおひたし

カロリーが低いのでダイエット中も副菜として重宝します。ほうれん草の歯ざわりを楽しめるように、ゆで過ぎないのがコツです。

<材料>
・ほうれん草 1/2束
・だし汁 大さじ2
・削りかつお 適宜
・しょうゆ  小さじ2

<調理方法>
1.ほうれん草は根元を落としてからよく洗い、沸騰した湯に塩少々を加え、茎から入れてゆでます。
 茹で上がったら、冷水に取りざるに上げ、水気をよく絞り、長さ3~4cmに切ります。
2.しょうゆ小さじ2にだし汁大さじ2を加えて薄めます。ほうれん草を皿に盛り、だし汁で薄めたしょうゆを回しかけて、削りがつおをのせます。

ほうれん草でダイエットの注意点、健康上に問題、太ってしまう理由

ほうれん草そのものはカロリー、糖質、脂質共に低いため、ダイエットに向いている食材と言えますが、ほうれん草のバターソテーや炒め物、パスタの具などにした場合は、脂質が高くなりやすいので注意が必要となります。栄養価が高い、カロリーが低いからといって、そればかり食べるのではなく、色々な食材をバランスよく摂取し、全体のカロリーを考えることが継続するダイエットには効果的です。