アスリートはどんな食事を取っているのか?試合前の献立・メニューを紹介!

アスリートがどんな食事をしているのかは、カラダづくりに励む人にとっては気になるものですよね。今回は、そんなアスリートの食事のポイントや試合前の勝負メシなどを紹介していきます。

アスリートの食事で大切なこと

スポーツ選手にとって食事はトレーニングの一部です。どんな食生活を送るかによって試合でのパフォーマンスが左右される可能性もあるからです。

だからこそ、アスリートの食事は栄養管理士やスポーツ栄養学といった資格を持つプロフェッショナルがサポートします。

ただ、何か特別な食事をしているかというと決してそうではありません。

・栄養バランス
・食事の回数、1回あたりの量
・食べるタイミング

これらのポイントには気を使いますが、メニューや素材そのものが特別というわけではとくにありません。

PFC比をコントロールし体づくりにつなげる

アスリートが試合で結果を出すための肉体をつくるために最も大切であるといわれるのが、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスです。

そのバランスのことを、各英単語(Protein・Fat・Carbohydrate)の頭文字を取り「PFC比」といいます。

アスリートの場合は、PFC比の割合をタンパク質2割:脂質2割:炭水化物6割にすると良いといわれています。

ただ、このバランスはあくまでも基準であるため競技や状況に合わせて調整したほうが良い場合もあります。

実際にアスリートが食べているメニューやレシピって?

サッカーの川島永嗣選手はチコリがお気に入り

ベルギーでのプレイ経験がある川島選手。

そんなベルギーでは「チコリ」が手に入りやすいとか。日本では定番の食材ではないですが、扱っているスーパーもありますよ。

チコリが持つ栄養素のひとつに「カリウム」がありますが、カリウムには筋肉の収縮を促す働きがあるため、足がつるのを防ぐことが可能です。

川島選手の場合は、カリウム不足だと筋肉に負荷がかかった場合に足がつりやすくなってしまうそうです。

スポーツにおいて足がつるというのは、パフォーマンスを一時的に低下もしくは不能にしてしまうことを意味します。

一瞬一瞬の判断が結果を左右するスポーツで頻繁に足がつっていては自身の評価を下げるばかりですから、川島選手はそのリスクをなるべく減らすように日々心がけているのでしょう。

3×3バスケットボール落合選手が好きな献立

2020年の東京オリンピックに新たに正式種目として追加された「3×3バスケットボール」。

その日本代表選手として活動を続けている落合知也選手は、以下のアスリートメニューがお気に入りだそうです。

・主菜 サケとキノコのホイル焼き
・副菜 ほうれん草のなめ茸かけ
・主食 肉入りそば
・デザート ヨーグルトゼリー

落合選手は、魚を毎日食べるようにしているそうです。お気に入りメニューであるサケとキノコのホイル焼きは、「サケがビタミンDを豊富に含むこと」「ホイル焼きにすることで脂質を抑えることができること」が決め手となり選んだとか。

車いすテニス 国枝慎吾選手のお気に入り献立

車いすテニス界の世界的な現役レジェンドである国枝慎吾選手は、以下のメニューがお気に入りだそうです。

・主食 親子丼
・主菜 キムチ鍋
・副菜 青菜とツナのマスタード和え
・デザート いちご大福

世界中を転戦している国枝慎吾選手ですが、どの国に行っても「お米を食べたい」そうです。

また副菜に選んだ青菜を使ったメニューは、青菜が鉄分をたくさん含むことから、常に食べるようにしているとか。

運動をしていると普段の生活よりも多くの鉄が失われてしまいます。

鉄はエネルギーを生み出すために必要な成分でもありますから、スタミナを必要とするアスリートにとっても鉄は重要な栄養素のひとつです。

青菜の他に鉄分が多い野菜には、ブロッコリー、キャベツ、パセリなどがあります。

アスリートは試合前にどんな食事を取っている?

アスリートにとっては普段の食事ももちろん大切ですが、やはり試合前の食事も重要です。

以下では、試合前の食事の取り方のポイントなどを紹介します。

なお試合前の食事の取り方にはいろいろと考え方があるので、以下の方法はあくまでもひとつのパターンに過ぎません。

試合3日前~前日の食べ方のポイント

・エネルギーの70%以上を炭水化物から摂取できるよう、いつもより主食の量を増やします。一方、おかずの量はいつもより控えめにします。
・バナナやりんご、イチゴなどの果物等でビタミンを補います。
・電解質、糖質を含む飲料をこまめに摂取します。
・試合前日の夕食は就寝の3時間前までに済ませ、質の良い睡眠が取れるようにします。

なお、長時間持久力を持続させる必要のある競技では「グリコーゲン・ローディング」といわれる筋肉にグリコーゲンを貯めるための食事が行なわれています。

【注意点】
競技に関わらず、試合前には消化に時間がかかってしまう脂質(脂肪)を豊富に含むメニューはNGです。

また、生ものや食物繊維の豊富な根菜類なども控えておくと安心です。

普段から食べ慣れていて、消化に良いメニューを意識してください。

アスリートの勝負メシ!

アスリートが試合前に実際に食べている勝負メシをいくつか紹介します。

■遠藤尚選手(フリースタイルスキーモーグル)

平昌オリンピックにも出場した遠藤尚選手。

そんな彼の勝負メシは「塩ラーメン」です。

熱々のスープでカラダも温まるので、試合会場の気温が低いモーグル選手にとってはその点も良いのかもしれません。

■浅見八瑠奈さん(柔道)

惜しくも2016年に現役を引退されている浅見八瑠奈さん。

彼女の勝負メシは、勝負メシの定番というイメージも強い「パスタ」です。

何でも彼女の中学生時代のコーチから、試合前には必ずパスタを食べるように言われていたとか。

エネルギー源となるパスタに筋肉をつくるタンパク質を含む具材をふんだんに盛り付けた勝負メシを、浅見さんのお母さんが作ってくれていたそうです。

■藤原新選手(マラソン・陸上長距離)

2012年のロンドンオリンピック代表などの実績で知られる藤原新選手。

彼の勝負メシは「ちまき」。

腹持ちの良いもち米を使ったちまきに砂糖をつけ、試合前に食べるのだとか。

「腹持ちが良い」という点を重視するのは、やはり長時間の持久力を必要とするマラソン選手らしいですね。

■稲本潤一選手(サッカー)

日韓共同開催となった2002年のワールドカップにて2得点を上げる活躍を見せた稲本潤一選手。

サッカーファン以外からの知名度も非常に高いのではないでしょうか?

そんな彼の勝負メシは「おにぎり」。

おにぎりは冷めてもおいしくいただますし、携帯性に優れているというメリットもあります。

稲本選手自身も、練習が終わる夜の9時ごろに持参したおにぎりを食べることもあるそうですよ。

こうして見ると、アスリートの試合前などに食べる勝負メシは炭水化物が豊富なメニューが多いということがわかりますね。また、コンビニでも買えるものが多いというのも少し意外な感じがしました。

体重を落とそうとしている方の中にはカロリーコントロールを目的として炭水化物の摂取量を減らしている方も多いかもしれませんが、より多くのエネルギー源を必要とする試合前には、やはり炭水化物というのは積極的に取らなくてはならない栄養素といえます。

こうしたアスリートのように日々の食事の栄養管理にこだわりたいという場合は、アプリの使用もおすすめです。

栄養管理などが行えるアプリもいくつかリリースされていますので、それを活用することで手軽に栄養バランスの整った食生活を送ることができます。