コアラの握力は1トンって本当?嘘?実は危険な動物?

「ザ・ワイド」という番組で取り上げられていたコアラが1トンの握力があるというのは本当?それとも嘘?コアラって実は危険な動物?コアラの実際の握力はどのぐらいでしょうか?

コアラが1トンの握力があるって本当?嘘?

コアラの握力は1トンある?

可愛いパンダが実は攻撃性の高い凶暴で危険な動物であるのと同じようにコアラにも隠された秘密があります。
それは握力が1トンあるということ。何処かで聞いたことがあるという人もいるでしょう。

確かに握力が1トンもあれば相当危険な動物ですよね。軽く人を捻り殺せる動物です。飼育員さんからすれば、ドキドキしながら作業をしていることになります。コアラを見る目も変わってきてしまうかもしれません。
そして、握力を高めたいという人には参考にしたいと考えている人もいるでしょう。握力の強い動物の生態性を知れば、トレーニング方法もわかってきます。
コアラの握力は本当に1トンあるのでしょうか?

コアラの握力1トンはテレビが流した嘘

コアラは握力が1トンもある本当は危険な動物である、という噂を耳にした人もいるかもしれません。

事実からいうと、それは嘘です。

2004年頃に放送された「ザ・ワイド」という読売テレビと日本テレビの共同制作番組で大袈裟に歪曲して報道されたもののようです。
コアラはオーストラリアだけに存在する動物です。そこで検証しにくいということで、そうした嘘を吐いてもバレにくいという事情があったのでしょう。

コアラの本当の握力は?

しかし、ただデマカセに言ったわけではなく、常に木に掴まっているというイメージがあるため、握力は強いというのは本当みたいです。
成人した人間でも30キロから150キロ超までと握力というのは差があるので、コアラにも差があり、一概に特定してはいえません。ただ、コアラとしての握力はその程度の平均です。
コアラの平均握力は40キロ前後となります。
実はちょうど、人間と同じくらいなのですね。ちょうど、人間程度とイメージしてくださればと思います。

握力と体重の関係性についてどうなの?

コアラの体重は握力に関係ない

動物は体重が重いと筋肉が発達して握力が強くなるというイメージがあるかもしれません。しかし、体重は握力とは特に関係ありません。コアラが1トンもの握力を持つというのは、コアラは体格が大きくて太っているので体重が重いために握力が強いという先入観があったのかもしれませんね。動物によって発達する筋肉は違いがあります。人間の中でもアスリートによって発達している筋肉は違います。体重と握力は、関係ありません。

コアラ以外の哺乳類はどのくらいの握力がある?

人間の握力は?

人間は低い人で30キロ程度、ハンマー投げ選手として活躍している室伏広治さんは150キロ以上あると開きがあります。
これは単純に人間が使う筋肉が違うからです。鍛える部分に個性があり、肉体として差が出てきます。コアラは人間の成人男性の平均的な40キロ程度の握力を持っているといわれています。

猿の中でもチンパンジーは意外と握力がある!

動物によって様々な違いがある握力ですが、その中でも同じ二足歩行の動物でも違いがあります。例えばチンパンジーです。チンパンジーは木と木を使って移動しており、主に木の上で生活をしています。そのため、「木に掴まってぶらさがっている」という特殊な状態でいることが多く握力が高いです。
その握力は300キロから400キロといわれています。
平均の人間からみると10倍はある計算になりますね。かなり特徴的です。

ゴリラはやはりパワーがある動物!

哺乳類で握力が強そうな動物はゴリラですよね。ゴリラもやはり握力が高いです。これは単純に生存本能からその体格を得たのですから、子育てなどで物を運ぶ際などに握力が必要ですし、戦いの時にもゴリラは握力を使うことができます。
ゴリラの握力は400キロから500キロといわれています。
チンパンジーと比べるとあまり差がないように見えますが、かなりの握力です。

コアラは危険なのか?

コアラは決して危険な動物ではないというのは明らかな事実

コアラは可愛いらしい外見とは裏腹に危険な動物なのか?
確かにどの動物にも生存本能がある以上、「人間が求める愛玩動物」という動物はなかなかいないのが現実です。犬は強調能力に長けているため、人と共に育ってきた歴史があります。猫は元々エジプトにいた生き物ですが、きちんとした愛情を与えて育てれば攻撃性もなく、感染症もない生き物であるため、世界中に広まりました。馬はその持久力から戦争の道具として共存し、戦車が出てくると姿を見せなくなりました。家畜は遺伝子組み換えの結果であり、自然的なものでなく、最終的には搾取され、殺される動物です。そうした動物は人間の身近にいます。

では、コアラはどうでしょうか?身近にはいませんよね。
だからといって危険というわけではありません。コアラの数が少ないというだけですね。後はオーストラリアしにしか生息していない貴重な生物だということです。オーストラリアではカンガルーを食べて日常的にスーパーに並んでいるということで、残酷だと批評を受けていますが、コアラは幸いながら食べられていないようです。
コアラが1トンの握力。
惹きつけられるキャッチコピーではありますが、全くの嘘で本当ではありません。普通に穏やかな動物です。コアラは雑食性でオーストラリアに天敵もいないために攻撃性もありません。1トンの握力で人が握りつぶされることもありません。そもそも1トンも握力があれば生息地である木を握り潰してしまいます。まず、現実的ではありません。
コアラは危険な動物ではありませんので、ご安心ください。

コアラが危険な動物に進化する可能性はあった?

オーストラリア大陸にはそもそも大型の肉食動物がおりません。犬の類となる肉食動物はいるものの、大きさはその程度です。コアラを捕食する動物がそもそもオーストラリア大陸にいない以上、攻撃性を持って進化することはなかったと考えられます。捕食動物がいない以上、体格が大きくてもその体格を攻撃性に使う進化はしません。コアラが危険な動物になる要素は歴史的になかったのですね。分岐点もなかったと考えられますね。
オーストラリア大陸の自然豊かな環境がコアラの性格と可愛らしい姿を作ったのですね。コアラは温和で優しい動物ですので、是非とも動物園では穏やかな優しい目で見てあげてください。