パンプアップとは?筋肥大を促すメカニズムと効果的な筋トレのやり方

監修者

小川 雄翔

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

【プロトレーナー解説】筋肉がパンパンに張る「パンプアップ」。そのメカニズムとは?パンプアップと筋肥大は別物!では筋肥大させるためにはどんな筋トレをする必要があるのか?

パンプアップとは?

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

トレーニングを行うためにジムに行った際にマッチョな人が筋トレが終わって「大胸筋がパンプアップした」と言っている場面をよく見かけます。継続的に筋トレを行っている方はよく耳にする言葉かと思いますが、筋トレをこれから始める方や始めたばかりの筋トレ初心者の方はあまり聞きなれない言葉かと思います。

パンプアップについてあまりわからない方にパンプアップの現象と意味についてご紹介します。

パンプアップとは筋トレを行いメインの筋肉に対して持続的に負荷を掛けることにより、筋肉がパンパンに張っていきます。この筋肉がパンパンに張った状態のことをパンプアップと言います。

例えば二の腕の力こぶの筋肉である上腕二頭筋のトレーニングを行った場合、トレーニングの後半になってくるとだんだん肘を曲げられなくなっていきます。
この時には腕に力を入れない脱力した状態で上腕二頭筋がパンパンに張っています。このような状態のことをパンプアップした状態と言えます。

パンプアップをする意味と効果

パンプアップすることにより筋肉が一時的にパンパンに張るため筋肉が太くなったような錯覚になりやすいですが、時間が経つと筋肉は元の太さに戻ります。

しかしこのパンプアップがメインの筋肉に対してしっかりと負荷をかけられていたかという指標にもなるため、筋トレのやり方などの自己評価をすることも出来るのでこれから筋トレを行った際に確認してみるのも良いです。

このパンプアップを利用する競技があります。それはボディビルなど肉体美を競う競技でパンプアップを利用します。ボディビルなどはいかに筋肉をよく見せるかを競う競技なのでステージ裏では選手たちがパンプアップをさせるために筋トレを必死に行っています。筋肉をパンパンに張らせた状態でステージ上に立って一番いい体を競うのです。

スポーツだけでなくボディメイクやダイエット等にも効果的ですし、きれいな体になりたい女性の方や一般の方にもとてもオススメですので、ダイエット等に効果的な理由も含め、次章以降で紹介します。

パンプアップのメカニズムとは?

パンプアップのメカニズムは次の通りです。

①筋肉を動かすエネルギーを使うことで乳酸や二酸化炭素などの代謝物が分泌される
②これらの分泌物は筋肉の働きを維持するのを難しくするので、体は薄めようとする
③その結果、筋肉の水ぶくれができる(これがパンプアップ)

パンプアップと筋肥大の関係

パンプアップは一時的に身体の見た目が大きくなりますが、筋肥大とはメカニズムが異なります。

◯パンプアップと筋肥大の違い
・パンプアップ
前述したとおり、筋肉に負荷をかけることを通して乳酸や水分などを発生させること。

・筋肥大
筋トレなどで筋肉(筋繊維)に負荷をかけ、筋繊維が傷つき→修復される流れで起こる現象。

パンプアップは筋肉内部の環境を過酷な状態にすることで、筋肥大は直接筋繊維を傷つけることです。

パンプアップは筋肥大に効果的か?

パンプアップと筋肥大はメカニズムが異なるので、「パンプアップさせることが筋肥大につながる」と直接的に結論付けることはできません。
筋肥大させるにはもっと複雑な条件も重なる必要があります。

しかし、パンプアップするまで筋肉を追い込めば、筋繊維が傷つく可能性は十分にあるので、筋肥大につながる可能性もあります。

東大教授の石井直方教授も以下のように述べています。

「パンプアップまで追い込めば、それは確かな筋肉の発達につながると思います。実際にパンプアップさえすれば必ずしも筋肉が太くなると言い切れるわけでもなく、もっと色々な仕組みが複雑に働いているのですが、パンプアップ自体も筋肉を酷使した証拠と考えられています」

バルクアップとの違い

ちなみに、パンプアップは一時的に筋肉がパンパンに膨らむことに対して、バルクアップは筋肉量が増えることを指します。

筋肉量を増やしたい場合、お分かりの通りバルクアップをすることになります。

先ほども話した通り、ボディビルの大会などでは披露する時に筋肉を1番大きく見せる必要があります。なのでボディビルの選手は普段のトレーニングではバルクアップを行い、大会前にパンプアップをして見せるようにしているのです。

筋肥大しやすいトレーニングは?

筋トレで筋肥大が見込めやすいトレーニングはバックスクワットです。
バックスクワットとは下半身の特に太ももやお尻を鍛えるトレーニングです。よくこのトレーニングはボディメイクの観点で男性は太ももを太くすることを目的に、女性は美脚やヒップアップなどの目的で行うことが多いかと思います。今回は全身の筋肉の筋肥大をしやすくするためのトレーニングとしてご紹介します。

まずはなぜ下半身のトレーニングであるバックスクワットで全身の筋肥大が見込めやすいかを説明します。バックスクワットは主に以下の筋肉を鍛えるトレーニングです。

・大腿四頭筋(太ももの前)
・ハムストリングス(太ももの裏)
・大臀筋(お尻)

これらの筋肉は人体の中でも最も大きい筋肉群であり、全身の筋肉量の大きな割合を占めます。これだけたくさんの筋肉を鍛えると、筋肉の合成に必要な「成長ホルモン」の分泌が促されます。

成長ホルモンをどんどん分泌させることで、全身の筋肉が肥大しやすくなるのです。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

単純に大腿四頭筋なども大きな筋肉なので、これらの筋肉も大きくなります。

筋肥大のための筋トレのやり方

筋肥大をさせるための回数、重さ、休憩時間などの項目がとても大事になります。

例えば回数であれば筋肥大を目的に設定しているのに筋肉の持久力を目的とした回数などで筋トレを行ってしまうと目的に対しての行動が違ってきてします。筋肥大に効果的な回数や負荷は以下の通りです。

回数と重さ:8~12回をぎりぎり行える重さ
休憩時間:45〜90秒

負荷に関してはトレーニングを始めてからずっと同じ重さや回数などいつも同じような負荷で行ってしまっては体が負荷に慣れてしまい、ある一定のところからは筋肥大は見込めづらくなってしまいます。
そうなってしまわないように自身の体の反応を見ながらトレーニングの負荷を設定していくことが必要となるでしょう。

筋肥大のためにはどんどん負荷を高くし続けていく必要があるのです。(パンプアップはその必要はありません)

正しい知識を手に入れてしっかりパンプアップさせよう

正しい知識を手に入れて、適切なフォームや適切な負荷や動作で筋肉をパンパンに張らせてパンプアップさせて、筋肥大も見込めるようにこれからのトレーニングでの新しいやり方や意味を理解した上で筋トレを行う頻度や回数を増やしていけるようにトレーニングを意識して行っていきましょう。

そうしていくことでトレーニングの習慣に体が慣れてくれば、また負荷を変えて行っていけば必然的に体も変化していきます。
このような事を繰り返し持続的に行うことで目標の体に少しづつ近づいていって、きれいな体やかっこいいバランスの取れた体、健康的な体などの目標の体を手に入れやすくなりますのでしっかりと目標や目的に沿って筋トレを行っていきましょう。

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