プライオメトリクストレーニングとは?ジャンプ力を高める!

プライオメトリクストレーニングはスポーツで多い「走る・ジャンプする・投げる」といった瞬発系の動作のトレーニングであり、筋肉をただ付けるではなく、筋力を効率的に動作に結びつけ体の連動性を高めるスポーツ競技者が行ってるトレーニング方法の一つです。やり方、種目などを解説します。

プライオメトリクストレーニングとは?競技動作を高める

プライオメトリクストレーニングとは筋肉の「伸張」と「収縮」の切り替えをより早く行うことを目的としており筋力をパワーに変えるためのトレーニングです。

筋力とパワーは似ているようで意味の違う言葉です。
「筋力」とは単純な力の大きさを意味しており、それに対し「パワー」とは力の大きさにプラスして動作スピードの速さも関係してきます。重いものを持って、速く運べる方がパワーがあるという事になります。重いものを持ても運ぶのが遅い場合は筋力値は高いがパワー値は低い、となります。

このパワーを上げるためのトレーニングがプライオメトリクストレーニングなのです。器具を使わない種目が多いのもメリットの一つです。

ヒトは動くためには筋肉が伸張と収縮が交互に行われており、この切り替えの早さが瞬発力の強さに繋がるためスポーツ動作でのジャンプや投げる動作、短距離走の能力が上がると考えられています。プライオメトリクストレーニングを取り入れることで競技力が向上し、より体を動かせる体になるのです。

プライオメトリクストレーニングでなぜ瞬発力があがるのか?

プライオメトリクストレーニングをするとなぜ瞬発力が上がるのでしょうか。
上記でも解説しましたが、プライオメトリクストレーニングは筋肉の伸張と収縮の切り替えを速く行うためのトレーニングです。筋肉は動かす際に常に収縮しているだけではなく、一度伸ばされ、その後収縮することで力を発揮することが可能になっています。

この切り替えが速ければ速いほど、瞬発力が上がります。切り替えを速くするには意識以上に筋肉の反射を使うことで意識下の切り替えより速い切り替えが行うことが可能です。この繰り返しをすることで短距離走やジャンプ、蹴るなどの競技動作が向上するのです。

とはいえ、瞬発力(パワー)のベースは筋力です。絶対的な筋力を上回る瞬発力は発揮しません。基本的なトレーニングで筋力の上限を上げ、その後プライオメトリクストレーニングを取り入れ運動能力を高めるという順番で行いましょう。

またプライオメトリクストレーニングは瞬発力を上げ、体の連動性を高めることにも繋がるので、下半身の力を上半身に伝え、よりスポーツに大切な運動連鎖を効率よく行えるようになると言われています。ある程度トレーニングで体を作り、そこからは競技特性に合わせたプライオメトリクストレーニングを入れるのも良いでしょう。

【参考文献】

プライオメトリクストレーニングの代表例

プライオメトリクストレーニングは競技に合わせて多種多様な種目がありますが、これからプライオメトリクストレーニングを始めるという方には「デプスジャンプ」と呼ばれるトレーニングがオススメです。

方法は台の上から飛び降り、着地したらすぐに切り返して高く飛び上がるというものです。ジャンプは着地したところから真上に上がるようにしましょう。台は高すぎないように注意をし、最初は30cmほどの高さで行うようにすると怪我のリスクを下げることができます。

また、台を使わずに強度を下げて行うトレーニング方法としては「ダブルレッグホップ」という種目があります。
これは肩幅ほどに開いた足のまま前方にジャンプし着地と同時に前方に再びジャンプを繰り返すものです。着地からジャンプまでの時間を短くすることを意識して行うようにしましょう。

縄跳びはプライオメトリックトレーニング

縄跳びはまさしくダブルレッグホップのトレーニングになります。誰でも馴染みのあるトレーニングですし、ただ前方にジャンプすることに飽きる場合はぜひ縄跳びを行いましょう。

代表的なトレーニング例を挙げましたが、これはプライオメトリクストレーニング初心者向けのもです。さらに体の連動性が上がってきたらより、競技特性に合わせた動作を取り入れていきましょう。

本格的にプライオメトリクストレーニングを始める前に注意点を抑え怪我をしないように注意しましょう。

プライオメトリクストレーニングを行う際の注意点

プライオメトリクストレーニングは伸張から収縮を速くするトレーニングであるため、筋肉や健に負担がかかりやすく、筋肉の炎症などの怪我のリスクが高いです。

慣れていない時に高強度なプライオメトリクストレーニングをしてしまうと筋肉や健が耐えきれず損傷が激しくなってしまうので、最初は自重で体の使い方をマスターしその後、重りなど用いてさらに効果を引き出すのも良いでしょう。

怪我をしてしまい長期間トレーニングを行うことができなくなってしまえば筋力は落ちパワーも同時に落ちてしまい本末転倒になってしまうので注意しましょう。

プライオメトリクストレーニングの頻度

上記で解説した通り、プライオメトリクストレーニングは強度が自然と高くなります。その場合、筋肉痛を感じることがあるでしょう。

基本的に筋肉痛を強く感じる間は休息をしたほうが良いでしょう。一般的にトレーニングは週に2~3回とされています。これは使用部位の筋肉が損傷し筋肉の回復、修復がほぼ完了した状態になるためにおおよそ2日から3日必要とされているからです。

トレーニングをし2〜3日休み、またトレーニングをするのを繰り返すのです。

プライオメトリクストレーニングに限ったことではありませんが筋肉痛を感じている間が栄養と休養を十分に摂ることしっかりと筋肉を休ませ、高いパフォーマンスの状態でさらに負荷をかけることができ、質の高いトレーニングをすることが可能になるため、しっかり休むこともトレーニングを行う上で必要になってきます。

プライオメトリクストレーニングは瞬発力だけじゃない?

プライオメトリクストレーニングはトレーニングで鍛え上げた筋力をさらに動く実用的な筋肉変えるトレーニングです。

スポーツパフォーマンスをあげることはもちろん、ジャンプ中などは姿勢の崩れにも気を配るため体幹部も同時に鍛えることができます。またジャンプを繰り返すトレーニングが多く心拍数も上がり、セット数をこなすことで有酸素運動に近い状態にもなります。そのため、脂肪燃焼効果も期待でき、ダイエット目的にトレーニングを行っている人にもオススメです。

さらに、プライオメトリクストレーニングには陸上の短距離走のような瞬発力の専門トレーニングとされていましたが、長距離などの種目にも効果的とされています。

その理由はマラソンなども小さく見たときに一歩一歩はジャンプの着地の繰り返しのため、筋肉を切り返す能力が高くなることで無駄な体力を使わずに温存できるため持久系の競技にもパフォーマンス向上が期待できます。

プライオメトリクスはアスリートには必須トレーニング

プライオメトリクストレーニングは特に競技をしているアスリートに対して行うことで、競技にとってプラスに働かせることができる、トレーニングです。

行う際はとにかく「速く」「高く」「遠く」に飛ぶことを意識しましょう。アスリートだけに限らず、一般の人にもプライオメトリクストレーニングは効果的で体の連動性を高めることができるのでより日常動作は楽に行えるでしょう。

しかし、健や筋肉を激しく伸び縮みさせるため負担は大きくなってしまいます。トレーニングを行う際は怪我に十分注意をし、できれば補助者をつけることをオススメします。プライオメトリクストレーニングでより実用的な体を目指しましょう。

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