インクラインベンチプレスのやり方と効果!【プロトレーナー解説】

監修者

島津 鉄平

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

【プロトレーナー監修】インクラインベンチプレスは大胸筋上部を鍛えることができ、胸板の厚みを作るのに重要です。しかし、的確に大胸筋上部に効かせるためにはいくつか注意点やポイントがあります。

インクラインベンチプレスとは?鍛えられる筋肉とその効果

インクラインベンチプレスは、30〜45度の角度に設定したベンチに仰向けに寝た状態で、バーベル(ダンベルでも可)を両手で持ち、バーベルを上げていく種目です。

◯鍛えられる筋肉
インクライン・ベンチプレスでは、大胸筋上部を鍛えることができます。
また、三角筋前部(肩)や上腕三頭筋(二の腕)も鍛えることができます。

通常のベンチプレスは、主に大胸筋中部繊維を使用するので上部繊維はつきにくいです。インクラインベンチプレスは、ベンチの角度を30〜45度にすることで、大胸筋上部繊維に刺激が入りやすくなります。

インクラインベンチプレスの効果

インクラインベンチプレスは前述の通り大胸筋上部を鍛えるトレーニングです。大胸筋上部を鍛えることで、以下のような効果が期待できます。

分厚い胸板を作る
・たくましい上半身を作る
・肩や腕も鍛える

正しく行うことで胸だけでなく、肩や腕にもアプローチできるのがポイントです。

バーベルインクラインベンチプレスのやり方・フォームのポイント

インクラインプレスのやり方

まず簡単に説明すると、インクラインベンチプレスとは斜めに傾いたベンチに仰向けで寝て、ダンベルやバーベルを上に押すトレーニングだという事をイメージしてください。

<手順>
1.ベンチの角度を30〜45度にセッティングします。

2.肩甲骨をしっかり寄せて、頭と肩とお尻をベンチにくっつけます。また、両足も床にしっかり付けて踏ん張れるようにします。バーベルの場合、手幅はフラットベンチプレスを行う時より2〜3cmほど狭めに待ちましょう。

3.バーベルを鎖骨とバストトップの間に下ろします。

4.バーベルを上げる時は肘が伸ばしきらないようにし、反復します。

では、正しいやり方を踏まえた上でインクラインベンチプレスを効果的に行うための重要なポイントを見ていきましょう。

①呼吸は上げる時に吐き、下げる時に吸う

上げる時に吐く
下げる時に吸う

また、高重量を扱う際に、腹圧を高めるという方法が有効です。

やり方は簡単です。
バーベルを下げる前に大きく息を吸い、お腹を内側から膨らませるようにします。息を止めたままバーバルを下げて上げます。そしてバーベルを上げたら息を吐きます。

②肩甲骨を寄せる

肩甲骨をしっかり寄せたまま行いましょう。肩甲骨が寄せられていないと大胸筋上部ではなく三角筋前部だけを使うようなフォームになってしまうので、肩の怪我に繋がります。

そして肩甲骨を寄せることは出来ても、肩がすくんでしまうという方がトレーニング初心者に多いです。これも肩へのストレスが大きいので気をつけましょう。

③ベンチの角度は30〜45度

ベンチの角度ですが、45度以上急な角度をつけてしまうと、大胸筋よりも三角筋に負荷がかかってしまいます。
まずは30度から初めて頂き、慣れてきたらMAXで45度までにしましょう。

④バーベルを持つ手幅はフラットベンチより狭く

バーベルを持つ時の手幅を広く取ってしまうと、三角筋前部の筋肉へのストレスが大きく肩の怪我をしてしまう恐れがあります。

フラットベンチプレスで行う手幅より狭く行う。で覚えておきましょう。

⑤バーベルを下ろす時に胸との隙間は5cm

胸にバーバルがつくまで下げてしまうと、三角筋前部のストレッチが大きくなってしまい、バーベルを上げる動作の時に非常に大きな負荷が三角筋に働き、痛めてしまう可能性があります。

⑥バーの真下に手首・肘

バーの真下に手首、肘が常にあるようにしましょう。

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

肘が少しでもバーベルの軌道からズレると、三角筋や上腕二頭筋に負荷がかかり、肩を痛めたり、重りを支えきれなくなって体にバーベルを落としてしまう危険性があります。

インクラインベンチプレスのバリエーション

ダンベルとバーベルを使ったインクラインベンチプレスはご紹介しましたが他にもバリエーションがあるので紹介していきます。

①ダンベルインクランベンチプレス

ダンベルを使用する時はバーベルを使う時とほとんど一緒なのですが、違う所を挙げるとしたら、「ダンベルを上げる時に肘を伸ばします。
あれ、伸ばしきったらダメなのでは?と疑問が飛んできそうですがバーバルを使うのとダンベルを使うのでは軌道が変わるのです。

◯バーベルインクラインベンチプレスの軌道

バーベルインクラインプレスを後ろから見たとき、肘を伸ばし切ると英語のVの形になります。

これだとバーベルの重さを斜めに受け止めることになり、不安定になり、バランスを維持するために肩への負担が増してしまいます。

◯ダンベルインクラインベンチプレスの軌道

ダンベルインクラインプレスの場合、肘を伸ばし切ると英語のIの形になります。

ダンベルという重さをそのまままっすぐ体で受け止めてますし、大胸筋上部もしっかり収縮されている為、効果も上がります。
よって、ダンベルインクラインプレスの場合は最後、伸ばし切るようにするのをオススメします。(勢いではなくコントロールすることが大切)

②マシンインクラインベンチプレス

マシンの場合は、なんと言っても軌道がバッチリ決められているので簡単に大胸筋上部に効かせる事が出来ます。
しかし、注意点が二つあります。

①肩甲骨はおろそかにしてはいけない。
いくらマシンだとはいえ、肩甲骨をしっかり寄せて下げておかなければ正しく大胸筋上部には効かせられません。

②腰を反り過ぎない
思いっきり腰を反って、お尻が椅子から完全に離れたフォームになってしまうと、角度が変わってしまうので大胸筋中部を使ってしまいます。

お尻、肩、頭をちゃんとシートにつけましょう。

③スミスマシンインクラインベンチプレス

スミスマシンは軌道が確保されているので、インクラインベンチプレスに慣れていない方はスミスマシンから練習するのをオススメします。

基本的にインクラインベンチプレスとしてやり方は同じなのですが、一つアドバイスです。

スミスマシンの種類に注意です。
スミスマシンは2種類あります。
床に対して垂直な軌道を持つもの
床に対してやや斜めな軌道を持つもの

インクラインベンチプレスのバーの軌道は床に対して垂直なので、出来れば垂直なスミスマシンが良いですが、斜めなスミスマシンしかなければ自分の頭方向に斜め向きに上がっていくようにしておこないましょう。

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

逞しい大胸筋を手に入れようと思ったらインクライン・ベンチプレスは必ず行いましょう。

早速普段の筋トレルーティーンに取り入れてみてください。