野球は大きく分けて守備、走塁、打撃という3つの全く異なるプレーが必要になりますが、どのプレーにも必要な「必須の能力」を鍛える筋トレメニューをご紹介します。
野球に必要な身体能力とは
バッティングでもっと飛距離を飛ばしたいです!どのような筋トレをすればいいですか?
岩渕翔一監修トレーナーからのアドバイス
理学療法士、呼吸認定療法士、JARTA認定SS rankトレーナー兼認定講師
目的は「野球が上手になること」ですよね?野球が上達するために必要な項目はいくつかあります。まずはそれについて解説しますね。
そんな必須の能力をジムに行ったりマシンがなくてもでき、自宅で鍛えることができる自重トレーニングを中心にご紹介します。
野球全てのプレーに必要なその身体能力とは、
・肩甲骨の可動性と操作性
・胸郭の可動性と操作性
しかしその能力を鍛えるためには、単に筋力だけでなくスピードやパワー、高度な身体操作能力や柔軟性、全身バランスが重要になってきます。
野球という競技のためにトレーニングをするのであれば目的は「筋肉をつけること」ではなく、「野球という競技パフォーマンスが上達すること」であるはずです。つまり筋力トレーニングの目的を「筋肥大」にフォーカスするのではなく、「動きの質を高めるトレーニング」と捉え、あくまで「野球が上達するために」という考えで行うのが野球のためのトレーニングです。
では、それぞれのトレーニングメニューを紹介して行きましょう。
野球が上達する自宅・自重で行う筋トレメニュー5選!
強靭な下半身と股関節を鍛える筋トレ
強靭な下半身を得ると、
下半身の力をボールに伝えたり、スムーズなピッチング動作を作る。において重要です。
バッティング:
スイングスピードやパワー、飛距離に直結する。します。
走塁はいうまでもありません。
クローズヒップサイクル
・できるだけ大きく回ること
・お尻が床につかないようにすること
・なめらかに動くこと
・股関節の可動域と筋力の向上
・下半身と体幹の連動性の向上
ピッチング:
スムーズでダイナミックなピッチングフォームが獲得できます。
バッティング:
股関節をしっかり捉えることが出来、軸がしっかりします。そうすることでスイングスピードが上がるだけでなく、変化球へ対応する際の粘り強い足腰の動きが可能となります。
四股の状態からジャンプをします。上半身は力まないよう注意しましょう。
・股関節周りの筋力向上
負荷をより強めることで股関節周りの筋トレに最適です。特に大殿筋やハムストリングスの強化に有効です。
岩渕翔一監修トレーナーからのアドバイス
理学療法士、呼吸認定療法士、JARTA認定SS rankトレーナー兼認定講師
どちらも自宅で自重で行えるのでオススメです
肩甲骨の可動性と操作性の筋トレ
この肩甲骨の機能と肩甲骨周りの筋肉をバランスよく筋トレするのが立甲という肩甲骨操作です。
立甲とは
立甲とは文字通り、肩甲骨が立っている状態を指します。言葉で言われてもあまりイメージがつかないでしょう。画像を参照ください。
・肩関節のインナーマッスル強化、稼働効率の向上
ピッチングに好影響を及ぼすのはいうまでもないでしょう。
ただし、立甲の獲得には少し時間がかかります。獲得のポイントは、
・肩甲骨の動きは外転、下制
・尺骨側(小指側)で支持する
・肩甲骨と胸郭が機能的に分化する
・力んで肩を挙げない
などです。四つ這いでできるようになれば次はどんなポジションでもできるようにトレーニングしていきます。
こちらのサイトもご参照ください。立甲について詳しく解説されています。
JARTA(2014)『立甲がパフォーマンスアップ、障害予防に重要な理由』
胸郭の可動性と操作性の筋トレ
ある研究では、野球肘や野球肩の起こす選手の半数以上は胸郭または股関節の可動性に問題があるとされています。つまり、パフォーマンスアップだけでなく、障害予防を行う上でも重要ということです。
cat&dog
・脊柱の前後方向の柔軟性と操作性が強化され、それに関わる肋間筋や多裂筋などの筋肉が鍛えられます。
・24個ある脊柱一つ一つを丁寧に動かそうとする
・体幹を垂直に立てる(そうすることで可動域が上がります)
・両方の坐骨結節をしっかり地面に着ける
・脊柱と胸郭の強化
3軸ある脊柱の可動軸全てを動かすことができ、脊柱と胸郭の強化が可能となります。
・胸郭の可動性の向上
胸郭の可動性は、肩関節や肘への負担を軽くするだけでなく、下半身からのエネルギーをより効率的にボールに伝えることができ、急速アップや球離れの遅さを身に付けることが可能になります。
バッティング:
変化球に対して粘り強い対応が可能になり、いわゆる、「開きを我慢する」ことができるようになります。
野球が上達するために|トレーニングの目的を見誤らないこと!
・強靭な下半身と股関節を捉える力
・肩甲骨の可動性と操作性の筋トレ
・胸郭の可動性と操作性の筋トレ
現在はトレーニングの情報が溢れ、あの有名選手はこんなトレーニングをしている、こんなトレーニングが流行っているなど情報に困ることはほとんどありません。その反面、その情報を取捨選択することが困難になっていることも事実です。
本来スポーツにおけるトレーニングは筋トレであれ、ストレッチであれ、スピードアップであれ、全てのトレーニングが「その競技のパフォーマンスがアップする」ことにフォーカスして行われるべきです。目的は筋肉をつけることでもなく、身体を柔らかくすることでもなく、スタミナをつけることでもありません。その競技のパフォーマンスをアップする手段としてそれらがあるはずです。その先にベストパフォーマンスがあり、障害予防があり、勝利があるはずです。
岩渕翔一監修トレーナーからのアドバイス
理学療法士、呼吸認定療法士、JARTA認定SS rankトレーナー兼認定講師
決してトレーニングの目的を見誤らずにご自身が行いたいプレーやパフォーマンスをイメージしてトレーニングを行ってください。今回ご紹介したトレーニングはそのお手伝いができるはずです。
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