睡眠の役割は脳をクールダウンさせる事

睡眠時間は足りているのに眠れた気がしない、という人は眠りが浅く、熟睡できていないのかもしれません。
人間の脳は他の動物に比べて複雑な働きをしています。そのため、脳が働き続けて壊れてしまわないよう、睡眠を取る事でクールダウンしています。

良い睡眠のポイントの一つは脳がきちんとクールダウンできる睡眠であるか、という事になります。きちんと脳を冷ます事ができる睡眠を取って初めて、思い通りに頭と体を働かせる事ができるのです。

では、よい睡眠ができるためには何が必要となるのでしょうか。

質の高い睡眠のカギは「体温」

人間の体は活動と睡眠に対応するため、体内時計を通じて1日の中で緩やかに大きく上下しています。

目覚めてから食事をとって動き始める事で体温は上昇し、眠る頃合いになると今度は低下して行きます。お風呂で温まるとよく眠れたりしますが、あれはシャワーだけで済ませた時より、一度上がった体温が下がるという現象がスムーズに起きやすいからです。

デスクワークなどが中心だったり、家でじっとしている生活だったりすると体の筋肉を使わないため、血流が滞りやすくなったり筋肉が凝ったりします。そうすると元々体温が上がっていないのですから、そこから下げようとしても上手く行きません。

また、デスクワークやスマートフォンなどを見る作業は、脳を酷使するため頭の中は疲れています。それなのに使われていない体は疲労を感じていないというアンバランスな状態に陥りがちです。この問題を解決するのに有効なのが筋トレなのです。

Qa in article e9284469ffb1b68fca6cda59d711a7487c50bf3006fda5f7d953416cb4efa276

筋トレが睡眠の質を高める!

https://download.shutterstock.com/gatekeeper/W3siZSI6MTUxNjI5NDYzNSwiayI6InBob3RvLzUxNjM2MzY0MC9tZWRpdW0uanBnIiwibSI6IjEiLCJkIjoic2h1dHRlcnN0b2NrLW1lZGlhIn0sIktoazB2MVQ5UWxwTndXQWJsSGxscWp1THNLNCJd/shutterstock_516363640.jpg

「筋トレをすると身体が疲労し眠りやすくなる」
これは何となくイメージできるのではないでしょうか。しかし、筋トレをすることが睡眠の質を本当に高めるのかどうか、最近まで科学的な根拠はありませんでした。「最近まで」ということはそうです。2017年7月にKovacevic Aという博士が筋トレと睡眠の質について13のシステマティックレビューの研究結果をまとめた論文を発表しました。
(システマティックレビューとは、試験対象に偏りがなく、研究結果として非常に質が高いものをバイアスがないように分析したものです)

その論文の内容が以下の通りです。
Kovacevic A, etc(2017) "The effect of resistance exercise on sleep"

この論文の主張は非常にシンプルで、さらに十分な研究が今後必要ではあるものの、「筋トレは睡眠の質を改善させる」と結論付けるものでした。(以下、原文抜粋)
"These results suggest that resistance exercise may be an effective intervention to improve sleep quality."

筋トレをすることで睡眠の質を高めることができる、と科学的に指示されているのです。

筋トレの時間帯はいつがベストか?

では気になるのは筋トレをする時間帯です。寝る前のどのくらいの時間に筋トレをするのがいいのでしょうか?

これは就寝の大体3時間前くらいが良いと言えるでしょう。

筋トレを行う事は睡眠に対して有効な手段である事は疑いないのですが、睡眠の質をよくする事を主な目的にする場合、行うのに適した時間があります。

人間は活動時間である昼間は「交感神経」を働かせる事で外部からの色々な刺激に素早く対応できるようになっています。逆にリラックスする時は「副交感神経」が働いて、体をゆるませてリラックスさせるようになっています。

この神経の切り替えも体内時計が行っているのですが、寝る直前などに激しい筋トレを行ってしまうと体が「活動しなければならないタイミングが来た」と勘違いして交感神経の方が活発になってしまいます。

こうなると上がった体温が下がっても体は「起きていなければならない」と判断して活動モードに入ってしまっていますから、筋トレの直後はなかなか眠りにつくことはできません。

しっかりと筋トレで身体を疲労させ、交感神経から副交感神経にバトンタッチされるタイミングで寝るために、寝る前3時間くらいには筋トレを終わらせておくことがいいでしょう。会社帰りのジムなどはタイミング的にベストと言えます。

睡眠の質を上げるためにオススメな筋トレメニュー

会社から帰るのが遅い、近くにジムがないという場合、大きな筋肉を軽くほぐす程度の運動をしてみましょう。

一番のおすすめはスクワットです。スクワットは筋トレ種目BIG3の1つであり、筋トレを行うことによる筋力アップや疲労度は高いです。体の筋肉の7割程度が下半身に集中しています。睡眠の質を高める上で筋トレの負荷や回数はどうすればいいでしょうか?
実はこれも研究結果が出ており、睡眠の質は筋トレの「量」に比例して高くなる傾向にあります。1回の筋トレで負荷を高く、回数も増やすとよりいいということです。

筋力アップが目的でないのであれば、1種目を15回程度がギリギリ行える負荷で3セット行いましょう。


余談ですが、筋トレ種目BIG3とは、それぞれ1種目で多くの筋肉を刺激できるのです。
その種目とは、「デッドリフト」、「ベンチプレス」、そして「スクワット」です。

筋トレBIG3の絶大な効果については、以下の記事を参考にしてください。

この他、ランジという膝を付く運動や、プッシュアップ(腕立て伏せ)、うつ伏せの状態から顔を上げるバック・エクステンションなどの運動を、少し疲れたかな、程度の回数で止め体が火照るほどハードに行わないようにします。




睡眠の直前や食後30分は行わないようにします。筋トレをした日はぬるめのお風呂につかる事で筋肉の疲労回復にもなり、体が入眠しやすくなるので睡眠の質を高める事に更に効果が期待できます。

有酸素運動は睡眠の質を上げるか?

実は、筋トレより有酸素運動の方が睡眠の質を上げる効果が高い、という研究結果が出ています。
先に紹介したKovacevic A博士の論文でも、「筋トレ単体よりは、筋トレと有酸素運動、もしくは有酸素運動単体の方が睡眠の質を高める効果が高い」と記載されています。

しかし、だからと言って一概に有酸素運動をしましょう!とは言えません。有酸素運動には有酸素運動の良さがあり、筋トレもそれはまた一緒です。例えば筋肉量を増やせば冷え性の改善になりますし、筋トレが好きな人は筋トレをすればいいでしょうし、ランニングやエアロビクスの方が好きであればそちらを選択すればいいと思います。

筋トレがもたらす、もう一つの睡眠の質のカギ

神経伝達物質の一つであるセロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれる事もある、人の気分の安定に影響を与えるホルモンです。

セロトニンは朝から夕方頃まで作られるのですが、これが夜になると「メラトニン」という物質に変わります。メラトニンは体内時計の調整をする働きがあり、これが不足すると睡眠障害の原因になるとも言われています。

筋トレを行う事で成長ホルモンが分泌されるのですが、セロトニンは成長ホルモンの分泌を調整する働きがあるため筋トレを行う事で結果としてセロトニンの分泌を促す事ができます。

夕方は時間的に筋トレが難しい場合は朝筋トレを行う事でも質のよい睡眠につなげる事ができます。

睡眠の質を上げるための筋トレのまとめ

●熟睡して脳をクールダウンさせる事がよい睡眠の条件の一つ。
●筋トレを行う事で、体温の上下や十分な睡眠ホルモンの分泌につながる。
●筋トレを行う時間は寝る三時間前までが目安。
●あまりハードな運動ではなく少し疲れたかな程度で十分。

快眠が目的であれはそれ程ハードなメニューを行う必要はありませんので、体を動かしていなくて寝付きが悪いと感じられたら気軽に試してみて下さい。

【あわせて読みたい】

Qa in article e9284469ffb1b68fca6cda59d711a7487c50bf3006fda5f7d953416cb4efa276
Thumbnail b72fb92f 09a8 4f75 bbdb 4e5a4078c32b

この記事をお届けした
OLIVAの最新情報を
してチェックしよう!