懸垂のコツ|これだけおさえれば効果絶大!

監修者

小川 雄翔

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

【プロトレーナー解説】自重トレーニングの中でも特に高強度なことで知られる懸垂。大人の男性でも、反動なしでは1回もできないという人は少なくありません。そんな懸垂のトレーニング方法やコツ、そして懸垂ができるようになるための体作りの方法を紹介します!

懸垂のトレーニング方法とコツ

ジムに行くとマッチョな人が懸垂をしててかっこいいなーって思います。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

懸垂は自重で行える筋トレ種目の中でも最高にレベルに効果が高いですからね!

人によってやり方が違う気がするんですが、いろんなバリエーションがあるんですか?

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

はい。懸垂は多くのバリエーションがあり、それぞれ使う筋肉が変わるのでぜひ覚えてください。なかなか最初は難しいと感じるかもしれませんが、コツを押さえればやりやすくなりますよ。

懸垂と一口に言っても、意外とそのやり方は様々です。その中でも、背中を中心とした筋肉を鍛えるために行う「トレーニングとして」の懸垂のスタンダードな方法をここで紹介します。いわゆる正しいフォームで行う懸垂は、主に次のような方法があります。

①肩幅より拳2個分広くバーを握る。
グリップの幅を広げれば広背筋に、狭めれば上腕の腕にそれぞれ刺激が入りやすくなります。

②両足は膝を少し曲げて、足を交差しておく。
足を交差して固定しておくことで、懸垂の上下運動を行った時に下半身が安定しやすくなります。これによりトレーニングが行いやすくなります。

③腕ではなく肩甲骨を寄せるようにして、体を上へと持ち上げます。
肩甲骨を寄せるという動きは、背中を動かすというよりも「胸を張る」という動きに近いイメージで行います。胸を張る動きで肩甲骨が動き、それに連動して腕が動いて体が持ち上がるという動作になっていきます。

慣れないうちは腕の力で懸垂をしようとしてしまうので、まずは体を持ち上げる高さではなくこの肩甲骨の動きを意識しながらトレーニングをするといいでしょう。

④胸の上部がバーにつくようなイメージで体を持ち上げ、ゆっくりと元のポジションへ戻ります。
無理はせず、あごや額など自分のできる範囲で持ち上げるようにしましょう。

懸垂は何回くらいできれば合格?

先ほど紹介したフォームで行う懸垂は、できれば10回×3セットあたりを目標にトレーニングしてみましょう。とはいえ、初めからこの回数をクリアできる人はそれほど多くはありません。このトレーニングでは主に背中にある広背筋や大円筋、菱形筋と言った肩甲骨周辺にある筋肉のほか、上腕二頭筋など腕の筋肉を使います。

これらの筋肉だけで体の自重を支えて動かすことができるというのは、それだけでかなりの背筋力がある人と言えるのです。実際、冒頭に述べた通り比較的運動経験のある人でも、反動をつけない方法で懸垂を行おうとしたら、1回もできなかったという人は少なくありません。

そこでいきなり10回を目標にすると、フォームが乱れたり無理な力を入れようとしたりしてしまい、結果として体のどこかを痛めてしまう場合があります。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

これから懸垂にチャレンジするという人は、まずは回数にとらわれずキレイなフォームで行うことを意識した状態でのトレーニングをした方が広背筋などの使いたい筋肉を意識しやすく、より早く懸垂が多くできるようになるでしょう。

懸垂ができるようになるコツ

①ラットプルダウン

ここからは、懸垂ができるようになるコツとして、その前段階に取り組むといいトレーニングを紹介します。まず1つ目に紹介したいのが「ラットプルダウン」です。ケーブルや専用のマシンで行うこのトレーニングの最大の特徴は、懸垂とほぼ同じ動きでターゲットとなる広背筋などを鍛えられるという点にあります。

もちろん、マシンを使うこのラットプルダウンは重量設定も簡単にできるので、自分の筋力に合わせてトレーニングが行えるのも魅力です。また、ラットプルダウンは通常座った姿勢で行うのですが、太ももを固定するためのストッパーが用意されているので、体幹が安定し、フォームも安定してトレーニングを行うことができます。

まずはこのラットプルダウンを使って、自重で10回3セットができるように頑張ってみてください。それができるようになった頃には、きっと懸垂がよりやりやすくなっているはずです。

ちなみに、懸垂とは別にラットプルダウンでターゲットとなる筋肉をピンポイントで鍛えるという筋トレ上級者も多くいます。使い方を覚えておいて損はないでしょう。

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②斜め懸垂

斜め懸垂は懸垂の前段階トレーニングとしてもよく使われるトレーニングで、自宅でも食卓やテーブルがあればできるというメリットがあります。このトレーニングの特徴は、体を完全に浮かせないという点にあります。

斜め懸垂は、テーブルや高さの低い鉄棒にぶら下がって行うのですが、この時両足のかかとは地面につけたまま、体を後ろ斜めの姿勢にした状態でトレーニングをします。

このトレーニングは懸垂とは違い、自重の全てを支えなくていいのである程度軽い強度でトレーニングができます。体を倒す角度を調整すればある程度強度も調整できるので、初めのうちは十分高い効果を発揮するでしょう。

ただし、体を倒しすぎて地面と水平に近づくと、「ローイング」などのような懸垂とは違う筋肉の動きになってしまうので注意してください。ある程度強度に慣れてきたら、ラットプルダウンなどより細かい重量設定ができるトレーニングに以降するといいでしょう。

究極の懸垂トレーニング「自衛隊式懸垂」

斜め懸垂やラットプルダウンを経て、ついに懸垂ができるようになってきた。そして目標とする回数・セット数もこなせるようになってきた頃には、あなたの肉体も大きく変化していることでしょう。そうなれば、今度はもっと強度の高い懸垂に挑戦してみたくなるはずです。

そこで、今回紹介したいのが「自衛隊式懸垂」と呼ばれるものです。自衛隊員が体力テストとして行うこのトレーニングですが、先ほど紹介した一般的な懸垂と、以下のような違いやルールが設けられています。

・手は肩幅で鉄棒を持つこと
・体を持ち上げた時、顎が鉄棒の上にくるようにする
・一連の動作では反動を使わない
・体を下ろした時、肘はしっかり伸ばすようにする
・以上の動作を4秒に1回のペースで行う

自衛隊が行うだけあり、その強度の高さがよく伝わります。特にこの中で難しいのは、最後の「4秒に1回ペース」というものでしょう。1秒で上げて3秒で下ろす、あるいは2秒で上げて2秒で下ろすといったペースで行うこの懸垂は、反動を使いたくても使えません。

自衛隊式懸垂のボーダーラインは8回!

自衛隊では、毎年1回体力テストが実施されます。そこでは当然この懸垂もテスト項目として実施されるわけですが、その最低ボーダーラインは「8回」とされているようです。むしろ、8回できて初めて最低合格ラインに乗れるというわけですから、その厳しさがよく伝わりますね。

ちなみに、私たちが経験したことがある体力テストでは、その成績に応じて点数が割り振られました。自衛隊のテストでは回数に応じて、2級、1級と等級が振られます。この自衛隊式懸垂は、もっとも評価の高い1級のボーダーラインが17回に定められているそうです。しかし、現役の隊員でも、この数字はなかなか達成できないと言われています。

もしこれからこの自衛隊式懸垂にチャレンジしてみようという方は、まずは最低ラインである8回を目標に頑張ってみてください。そして10回、13回と回数が重ねられるようになった頃には、あなたの背筋はさらなる高みに到達していることでしょう。

懸垂のコツを知って楽しいトレーニングを行おう!

懸垂のトレーニング方法やトレーニング時のコツ、そして最強の懸垂とも言える自衛隊式懸垂について紹介しました。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

懸垂は非常に難易度の高いトレーニングである分、懸垂ができるようになったりトレーニング回数が増えることで大きな達成感を味わえるトレーニングでもあります。そうした成長を肌で実感できると、もっとトレーニングをしよう!という大きなモチベーションにもつながってくるでしょう。

ぜひ懸垂を1つの軸にしながら、そうした楽しいトレーニングライフを送ってください。

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