懸垂は最強の自重筋トレ!絶大な効果を体幹しよう!

自重で行う筋トレは非常に数多くのトレーニングメニューがあります。しかしその中で、高強度に関してなら最強といっても過言ではない筋トレが「懸垂」です。今回は絶大な筋トレ効果を誇る懸垂で鍛えられる筋肉や正しいフォームなど、懸垂の基礎知識を徹底解説します!

懸垂は背中を効率よく鍛えられる筋トレ

懸垂は「チンニング」「プルアップ」といった名称で呼ばれるトレーニングです。基本的に鉄棒やジムのバーを使って行う自重トレーニングですが、筋トレ上級者は腰にベルトを巻き、そこに重りをつけてさらに強度を上げて行います。

懸垂は、数ある筋トレの中で背中を鍛えるのに非常に効率的な筋トレです。実際に、懸垂を行うことで以下のような筋肉を鍛えることができます。

広背筋
大円筋
僧帽筋下部
菱形筋
三角筋後部

背中をこれだけ広範囲に鍛えられるトレーニングはなかなかありません。また、懸垂はそのフォームによって肘周辺の筋肉や、腹筋にも負荷をかけることができます。その強度の高さに加えて、非常に応用を効かせやすいというのも大きなポイントと言えるでしょう。

意外と少ない?懸垂の平均回数

中学生などを中心に行われる体力テストの中には、この懸垂が項目として加えられていたことがありました。体力テストでは懸垂ができた回数に応じて点数が与えられますが、1回以下は0点、2回は1点と加算されていき、21回以上で満点の20点が与えられていました。

しかし、実際に中学生が20回以上も懸垂ができたかというと、その平均回数は3〜4回にとどまっていたというのが実情のようです。懸垂が体力テストの項目から廃止されたのも、こうした背景が原因だったのかもしれません。

仮に15歳で成長期にある中学生が3〜4回しかできなかったとして、成人になったらどのくらい回数を増やせるでしょうか?実際には、5、6回あたりが平均回数として収まるのではないかと考えます。

中学生・高校生あたりまでは、運動部に所属して定期的に運動をしていた人も多かったでしょう。しかしそこから卒業して、大学進学や就職をすることで運動する機会が減れば、大きく筋力がアップするということはありません。したがって、中学生時代からしっかりとスポーツをしている人でない限り、懸垂のできる回数は増えないでしょうし、むしろ回数が減ってしまうこともあるかもしれません。

さらに、この後紹介する筋トレとしての懸垂のフォームを守ろうとした場合、1回も懸垂ができない人も少なくありません。それくらい、この種目は強度が高いトレーニングなのです。

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懸垂の正しいフォームをチェック!

この後で紹介しますが、懸垂のフォームには様々な種類が存在します。その中でも、一般的だとされている「正しいフォーム」をもとに、懸垂のやり方を解説していきましょう。

①肩幅より拳2個分広くバーを握ります。
②両足は膝を少し曲げて、足を交差しておきます。
③腕ではなく肩甲骨を寄せるようにして、体を上へと持ち上げます。
④胸の上部がバーにつくようなイメージで体を持ち上げ、重力に逆らいながらゆっくりと元のポジションへ戻ります。

この一連の動作を、10回の3セットを目標に行ってみましょう。

懸垂筋トレのポイント①両足は交差して組んでおく

懸垂を行なっている時、下半身をぶらりと伸ばしておくと体が上下に動いた時にブレてしまうことがよくあります。そうするとトレーニングに集中できないので、両足は膝を軽く曲げて、ふくらはぎか足首のところで交差して組んでおきましょう。

また、こうすることでこの後に紹介する動作のポイントも行いやすくなります。

懸垂筋トレのポイント②肩甲骨を動かして体を持ち上げる

懸垂を行う時、ついつい腕の力をメインで使おうとしてしまう人がいます。懸垂はあくまで背中の筋肉を主体的に使うトレーニングで、その動きの中心となるのが「肩甲骨」です。肩甲骨を寄せる動きに連動して腕や体の他の部分が動くイメージでトレーニングを行なってください。

ただし、肩甲骨を動かすといってもいまいちイメージが湧きにくいという人も多いでしょう。そこで、肘を直角に曲げて体の横に広げてみてください。ちょうど懸垂でバーを掴んでいるような感じです。

そこから、「胸を張る」ようにして肩甲骨を寄せてみましょう。そうすると、上半身がやや後ろ斜めの姿勢になるのと同時に、両腕が少し下に動くと思います。これが、懸垂で肩甲骨を寄せる動きによく似ているわけです。

ちなみに、このように上半身を動かすと、バーに対して体がまっすぐになるのではなく、やや斜めの姿勢になります。そんな時に体の安定性を確保するために、先ほど紹介した足を組むという動作が重要になってくるわけです。

懸垂筋トレのポイント③できる範囲で無理をせずに行う

懸垂のトレーニングを行う時、できれば胸の上部がバーに接するまで体を持ち上げるのが理想です。しかし、なかなかそこまで上げるのは大変かもしれません。そんな時は無理をせず、あごやひたいなど自分ができるところまでを目標にトレーニングをしましょう。

ただし、体をほとんど持ち上げられないのに懸垂を続けても、効果が薄いどころかケガにも繋がってしまいます。そんな時は、ウェイトを調整しやすいラットプルダウンといったトレーニングに切り替えて、自重に近い重量が扱えるようにトレーニングをした方が効率がいいでしょう。

懸垂の種類あれこれ

懸垂には様々な種類が存在します。そのうちの一部を簡単に紹介しましょう。

ワイドグリップの懸垂

通常よりも広いグリップで行う懸垂です。数ある懸垂の中で、特に広背筋への刺激にフォーカスしたトレーニングです。

ナローグリップの懸垂

通常よりも非常に狭いグリップで行う懸垂です。またこの懸垂では、通常と違い手のひらを自分に向けてバーを握るので「逆手懸垂」とも呼ばれます。このトレーニングは広背筋や大円筋だけでなく、上腕二頭筋など腕への刺激が強くなるトレーニングです。

アーチャープルアップ

アーチャープルアップは、youtubeなどで筋トレのモチベーション動画で行なっている人が多いトレーニングです。簡単に説明すると、体をまっすぐ持ち上げるのではなく、「左右それぞれの手」に向かった斜めに懸垂をするという方法です。

やり方は動画などを参考にした方がわかりやすいのですが、懸垂の中でも特に難易度の高い次のトレーニングの準備として試してみるといいでしょう。

ワンハンドの懸垂

この懸垂は名前の通り、片手で行う懸垂です。数ある懸垂トレーニングの中でも、高強度という点でこのトレーニングに勝るものは少ないでしょう。ただし、トレーニング効果が高いというよりも、ある意味「できるとかっこいい!」というシンボルのようなトレーニングと言えるかもしれません。

腹筋も刺激する懸垂の上級トレーニング

冒頭で少し触れましたが、懸垂はそのフォームを維持するために、腹筋を始めとした体幹にもある程度の負荷がかかります。しかし、そこからさらに腹筋にフォーカスした懸垂があるのです。それが「L字懸垂」です。

名前の通り、体でLの文字を作って行う懸垂です。なるべく上半身と下半身が直角になるよう、腹筋にしっかり力を入れましょう。非常に苦しいですが、このトレーニングが10回3セットできるようになっている頃には、全身の筋肉が大きく鍛えられていることでしょう。

懸垂はハードだけど非常に効果の高い筋トレ

懸垂によって鍛えられる筋肉や正しいフォーム、そして様々な種類について紹介してきました。自重トレーニングとしてトップクラスの強度を誇る懸垂は非常に難易度の高いトレーニングですが、これができれば理想的な肉体を手にいれる大きな一歩となることでしょう。

1回、2回と回数を増やしながら、ぜひ懸垂にチャレンジしてください。

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