ベンチプレスのやり方と効果!手首など怪我をしないフォームとは?

監修者

小川 雄翔

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

ベンチプレスは一見シンプルに見えますが、間違ったやり方をしてしまっている人が非常に多いです。筋トレBIG3の1つに数えられるほど絶大な効果を秘めているので、正しいフォームで行い、その効果を十分に享受しましょう。ベンチプレスで鍛えられる筋肉部位・やり方・効果について解説します。

ベンチプレスで鍛えられる筋肉部位

ベンチプレスは筋トレBIG3の1つに数えられるほど、その効果は絶大です。誰しも耳にしたことはある筋トレメニューでしょう。
ベンチプレスがBIG3に名を連ねる理由は、「鍛えられる筋肉が多い」ことにあります。

まずは鍛えられる筋肉部位から見ていきましょう。ベンチプレスで主に使われる筋肉は以下の3つです。

① 大胸筋

人体の中でも大きな筋肉、大胸筋です。
ベンチプレスでメインで鍛えられる筋肉は大胸筋になります。男性であれば分厚い胸板、女性であればバストアップなどの効果があります。

基本のベンチプレスでは大胸筋の中部を主に鍛えることができます。

② 上腕三頭筋

二の腕に当たる筋肉です。
上腕三頭筋は腕の中で最も大きな筋肉なので、鍛えることで見た目が太く、たくましい腕になります。

後述するベンチプレスのやり方次第では、上腕三頭筋に入る刺激が大きく変わります。

③ 三角筋

肩の筋肉、三角筋です。
三角筋は人体の中で4番目に大きな筋肉です。肩幅を広くするには欠かせない筋肉ですね。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

これだけ大きな筋肉群を一度に鍛えられる筋トレ種目はなかなか他にありません。さすがベンチプレスといったところですね。

ベンチプレスの正しいやり方|フォームが超重要!

ベンチプレスの正しいやり方を解説します。フォームを間違えると効果が半減してしまうので、しっかり正しいフォームを身につけましょう。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

フォームは超重要です!

<やり方>
1.ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せて胸を張る
2.足の裏は床にしっかりとつける
3.両腕を肩幅より広めに開き、バーベルを握る
4.みぞおちの位置までゆっくりとバーベルを下ろす
5.肘が伸び切る手前まで一気にバーベルを持ち上げる

回数は10回×3セット行いましょう。(10回ギリギリで行える重量にする)

ベンチプレスのコツと注意点

・胸を張る
大胸筋の筋繊維は横向に走っているので、胸を張ってアーチを作ることで、バーベルを下げたときに、より大胸筋が引き伸ばされます。
つまり、大胸筋に入る刺激が強くなるのでより効果的に鍛えることができるようになるのです。

・手首を立てる

バーベルを持つときに手首が折れすぎてしまうと、手首に強く負荷がかかり、手首を痛めてしまう危険があります。
手首を少し立て、バーベルの重さを手首ではなく、腕を通って胸筋でささえるイメージで行いましょう。

・グリップは強く握らない

グリップを強く握り込んでしまうと、大胸筋ではなく三角筋を使おうと身体が反応してしまいます。
大胸筋の方が大きな筋肉なので、大胸筋に負荷をかけるほうが扱える重量は重くなります。結果、効果的に鍛えることにつながります。

グリップは握りこまず、バーベルを指で挟み込むように持ちましょう。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

サムレスグリップは厳禁です!

・呼吸
初心者はベンチプレスをする際に呼吸を止めてしまいがちです。呼吸が止まると

・体内のエネルギーが足りなくなり重さを上げられない
・血圧が急激に下がり低血糖症になる危険がある

などのデメリットがあります。特に低血糖症は怖いです。

バーベルを下ろす時に息を吸って、バーベルを持ち上げる時に息を吐く。この呼吸のペースを忘れないようにしましょう。

・安全バーは必須!

ベンチプレスで最も怖いのは事故です。重いバーベルが回数を重ねると持ち上げられなくなり、自分に降り掛かってくるという事故は命の危険にさらされます。

自身の筋力を過信せず、しっかり安全バーを両サイドに設置しましょう。
初心者の方はスミスマシンで行えばより安全ですよ。

ベンチプレスの効果

ベンチプレスには様々な効果がありますが、主な効果である以下の2つについて解説します。

①全身の筋力アップ
②脂肪燃焼効果

① 全身の筋力アップ

ベンチプレス自体に大胸筋、上腕三頭筋、三角筋といった大きな筋肉を鍛えることができますが、高強度でこれらの筋肉を鍛えることで全身の筋肉がつきやすくなります。

この秘密は「成長ホルモン」にあります。
筋肉をつけるためには成長ホルモンの分泌が欠かせません。それはベンチプレスのように大きな筋肉を鍛えることでより分泌されます。

成長ホルモンが分泌される場合とそうでない場合では、他の部位の筋トレをしたときに筋肉のつきやすさに差が出ます。
なのでベンチプレスとスクワットを両方行ったほうが、スクワットだけの場合よりスクワットの効果は高くなりますよ!

② 脂肪燃焼効果

運動による消費カロリーは「運動をしている時間」に比例するので、ベンチプレスの運動自体には消費カロリーは期待できません。

しかし、高強度の運動をすると高いEPOC効果という脂肪燃焼効果が運動後に発生します。

EPOC効果の正体は、筋トレで損傷した筋繊維などの修復に身体がエネルギーを使うことで、ベンチプレスなどの高強度の筋トレをするとその後数時間〜半日ほどは通常より代謝がアップしているのです!

ベンチプレスにダイエット効果が期待できるんですね!

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

その通りです!

ベンチプレスの種類3つ!様々な角度から大胸筋を鍛える

大胸筋は左右上下に大きな筋肉なので、基本のベンチプレスだけでは全体を満遍なく鍛えることは難しいです。

ベンチプレスの種類を3つ紹介するので、これらで大胸筋の上部・中部・下部を満遍なく鍛えましょう。

ダンベルベンチプレス

バーベルではなくダンベルを使ったベンチプレスです。

フォームはバーベルを使った場合と同じです。
ダンベルプレスの特徴は、腕がバーベルよりも下がる点です。より腕が下がれば、より大胸筋が引き伸ばされるので効果が高くなります。

インクラインベンチプレス

<やり方>
1.ベンチの角度を頭部が上になるように設定(45度程度)する
2.肩甲骨を寄せて、頭と肩とお尻をベンチにつける。
3.両手幅を通常のベンチプレスより2〜3cmほど狭めに待ち、バーベルを鎖骨と大胸筋上部の間に下ろす
4.腕が伸び切る手前まで真上にバーベルを持ち上げる

<効く筋肉部位>
大胸筋上部

デクラインベンチプレス

<やり方>
1.ベンチの角度を頭部が下になるように設定(45度程度)する
2.肩甲骨を寄せ、手幅は通常のベンチプレスより2〜3cmほど狭めに待ち、乳頭と大胸筋下部の間に下ろす
3.腕が伸び切る手前まで真上にバーベルを持ち上げる

<効く筋肉部位>
大胸筋下部

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

デクラインベンチプレスは頭に向かってバーベルが落ちてくるので、十分注意してください。

初心者でもベンチプレスで100kgの重さを持ち上げられる!

ベンチプレスの重量の増やし方やトレーニング方法、初心者向けのコツなどを紹介しました。ベンチプレスに限らず、ウェイトトレーニングは誰もが最初から高重量を扱えるわけではありません。それでも正しいフォームと重量を扱い続けることで、トレーニング開始時には想像できないくらいの重量を持ち上げられるようになります。

同じように、初心者でもベンチプレス100kgは決して夢ではありません。ぜひ今回紹介した方法を参考に、憧れのベンチプレス100kgにチャレンジしてください!

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