前腕と手首の筋トレ方法|頻度や回数をマスターして太い腕を作ろう!

監修者

中島 健

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)

【プロトレーナー解説】「前腕」は腕の中でも露出しやすい部分であり、ここを鍛えているだけで、見た目の印象は大きく変わります。ダンベルなどの器具を使えば自宅でも十分に鍛えることができます。前腕の筋トレは毎日やってもいいのか?頻度や回数も合わせて解説します。

前腕の筋肉はとても多彩!

前腕の筋肉は全身の中で見ると非常に小さいのですが、その種類はなんと約10種類にも及びます。肘・手首というとても複雑な動きをする関節に関わっているため、それぞれが細かい役割分担をしているというわけです。筋トレではそうした筋肉を「前腕筋群」と総称してトレーニングをすることが一般的です。

しかし、その前提として「前腕は様々な『角度』から筋トレをした方がいい」と覚えておきましょう。
これから紹介する3つのトレーニングでは、手首を前後に動かすものや左右にひねるもの、あるいは肘の屈曲を利用して鍛えるものなど、様々な動きをするメニューを選びました。

中島 健監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)

デスクワークの多い人は、前腕部の筋トレをすることで筋肉のストレッチと腱鞘炎の予防などにも繋がるので、ぜひ取り入れてみてください。

前腕の筋トレ①リストカール(リバース・リストカール)

前腕を鍛える筋トレでよく取り入れられているのが「リストカール」です。
リストカールは前腕の主に手の平側の筋肉を鍛えることができます。ベンチに座って腕をももに置き、そしてダンベルを持ってください。そして手首を巻き込むようにして、ダンベルの上下運動を行います。トレーニング時はケガ防止のため、ゆっくりとした動作で行いましょう。

このトレーニングは手の平を上にして行いますが、逆に手の甲を上にして行う「リバース・リストカール」という種目もあります。この種目は尺側手根伸筋・橈側手根伸筋など手の甲側にある前腕を鍛えるトレーニングです。リストカールと1セットにして、両サイドの筋肉を鍛えるといいでしょう。

前腕の筋肉は胸筋などと違い大きい筋肉ではないため、ダンベルを使って鍛える場合は重量をあまり重くしすぎないように注意してください。

【リストカール(リバース・リストカール)をもっと詳しく知りたい方はこちら】

前腕の筋トレ②プロネーション(スピネーション)

「プロネーション」は、前腕筋群の円回内筋・前腕屈筋群・方形回内筋といった筋肉を刺激します。いくつかの筋肉の名称に「円回」という言葉が入っているように、これらは手首の旋回に関わってくる筋肉です。

プロネーションはベンチに座って行います。片手でダンベルを持ち、ダンベルを立てた状態でスタンバイをします。この時、もう片方の手は肘に添えて支えてあげるといいでしょう。

そしてダンベルをゆっくりと体の外側に倒していきましょう。この時、前腕の内側にある筋肉の伸縮を意識してください。 あまり高負荷で行うと手首のケガにつながるので、ダンベルの重量に気をつけて行うのがポイントです。

この種目も、ダンベルを反対側で上下に動かす「スピネーション」という種目があります。こちらは回外筋という逆側の筋肉を鍛えられるので、プロネーションと1セットで行うといいでしょう。

【プロネーション(スピネーション)をもっと詳しく知りたい方はこちら】

前腕の筋トレ③ハンマーカール(リバースカール)

ダンベルで行うアームカールは、主に上腕の筋肉を狙った筋トレです。しかし、手首を返して手の平の向きを変えることで、上腕の動作への関与が減少し前腕の筋肉を鍛えることができるようになります。

まず1つ目は、拳を縦にした状態でダンベルを持つ「ハンマーカール」です。このトレーニングでは、前腕筋群の中でも特に肘の連動と深く関係している上腕筋を鍛えることができます。肘の連動に欠かせない筋肉なので、普段のアームカールと一緒に使い分けて行うといいでしょう。

もう1つが、手の甲を上にして行う「リバースカール」という筋トレです。先ほどの上腕筋に加え、腕橈骨筋という筋肉も鍛えられます。腕橈骨筋は肘周辺の筋肉の盛り上がりを作ってくれる筋肉なので、ぜひ取り入れたい種目です。

前腕の筋トレの頻度は?毎日やってもいいの?

前腕に限らず、筋肥大を起こすなどの筋肉を成長のために必要なことは、筋トレの「負荷」「回数」「頻度」の3つです。

筋肥大を起こしたいのであれば、負荷と回数は8〜10回がギリギリの重さ(8〜10RMといいます)で3セット以上行いましょう。

これ以上に負荷を大きくしてしまうと、例えば3RMほどの超高負荷で筋トレを行うと、筋肥大よりも瞬間的に爆発的な力を発揮するという神経系の能力がアップします。負荷を10RMより小さく、15RM〜20RMにすると動員される筋肉が筋肥大の筋肉から変わり、筋持久力(遅筋)が鍛えられます。

前腕は日常の生活から動員される回数が多いです。ペットボトルを持つ際や、ちょっと何かを運ぶ際です。

そのため前腕は意外と鍛えられていたりしており、そのため前腕の筋トレをする際は負荷を軽くしてしまいがちです。
引き締まった太い前腕を手に入れるためには、負荷に注意してください。

毎日鍛えても良いのか?

前腕は大胸筋や大臀筋などの筋肉と比較するとサイズが小さいため、筋肉痛になり、筋肉の修復までにかかる時間は比較的短いです。
しかし、だからといって筋トレ上級者でない方は毎日鍛えることは控えましょう。

筋肉痛にならなくても筋肉は修復をしている可能性があります。「筋肉痛=筋肥大」ではないのです。
他部位と同様、中1〜2日は空けて前腕の筋トレを行ってください。

前腕は自宅でたくましくすることが可能!

前腕の筋トレを紹介しましたが、前腕は自宅でダンベルさえあれば(そんなに高重量のものでなくてもいい)しっかり鍛えることが可能です。

女性であればペットボトルに水を入れて行うだけで十分負荷をかけることができるでしょう。

ジムで筋トレをする場合は、胸・肩・背中といったトレーニングでも常に刺激されています。重いバーベルを握ってベンチプレスをしているだけでも前腕が鍛えられます。そのため、前腕を集中的に鍛えたい時にはトレーニングのラストに行い、最後の追い込みをかけていくといいでしょう。

前腕は露出機会が多い部位ですので、しっかり鍛えてアピールしましょう!

中島 健監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)

前腕の筋群は比較的小さく、大きな筋力を発揮する筋肉ではないので特にはじめは筋肉の収縮を意識できる重量で行いましょう。

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