糖質制限ダイエットにチートデイは必要?【プロトレーナー解説】

監修者

石井 利幸

加圧インストラクター

今や減量やダイエットの主流となりつつあるのが糖質制限ではないでしょうか?そんな糖質制限やダイエットの中には『チートデイ』と言われるものがあります。
糖質制限にチートデイは必要なのか?またそもそもチートデイとは何なのか?今回はこの点についてお話していきます。

そもそもチートデイとは何?チートデイで停滞期を脱する理由は?

この季節、減量やダイエットの情報を見ていると必ずチートデイという言葉を目にします!チートデイとは一体なんでしょうか?

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

確かにSNSなどでもよく見ますね!では減量やダイエットを助ける可能性があるチートデイについて解説していきます。

チートデイとは?

減量やダイエットをしている方の中にはご存知の方も多いチートデイとは一体なんでしょうか?
チート(cheat)は日本語にすると『だます』という意味でチートデイをそのまま訳すと『だます日』となります。

では一体何をだますのか?

減量やダイエットを開始すると必ず食事のコントロールをするようになります。開始前よりは摂取カロリーも少なくなり、カロリー収支のマイナスを作り栄養バランスを整えると痩せていきます。
しかし、カロリー収支にマイナスが出来ていてもいつまでも体重が減り続けるわけではありません。
トレーニングでも同じことが言えますが、人間の身体は与えられた状況に慣れようとします。カロリー収支にマイナスを作るとそのカロリーで生きていけるように体重を減らし、ある程度減ったらそれ以上は落ちないようになっていきます。

この時に使うテクニックの一つがチートデイです。少なくなったカロリーで生活している身体に食事の量を一時的に元に戻す(または若干多くする)ことによって身体が低カロリーに慣れている状態から『元に戻ったようにだます』ようにします。

簡単に言うとこれがチートデイです。カロリーを一時的に元に戻すことによって身体はまたエネルギーを使いやすい状態になり、体重が落ち始めることがあります。

チートデイで停滞期を脱する理由

先ほども少し触れましたが、チートデイを実施する最大の理由は減量やダイエットで起こる『停滞期』を脱する為です。

ダイエットを進めていくと、どうしても食事が質素になり、開始前よりも少ないカロリーで対応できる身体になっていきます。
このように少ないカロリーで活動できるように代謝が落ちていき、そうなるとそれ以上体重が減らなくなります。

このタイミングでチートデイを入れることで、身体が刺激を受け再び代謝が上がるようになります。
※これには脂肪組織からのレプチンの分泌により、脂肪消費に関わるホルモンが分泌されたり、テストステロンが上昇するなどの要因があります。

身体にたくさんのエネルギーが入ってくることで、身体は代謝を上げようとすることからも身体をだます(=チート)という表現となります。
停滞を脱する理由とは関係ないとは思いますが、週1回を目安にチートデイを設けることで精神的なストレスも和らげることができ、ダイエットを継続しやすい環境を作ることも出来ます。

糖質制限にチートデイは必要か?

なるほど!チートデイには代謝をあげて停滞を脱する肉体的な効果とストレス緩和の精神的な効果があるんですね?では糖質制限中もチートデイは必要ですか?

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

糖質制限中のチートデイの必要性は賛否両論あるのが実際です!

糖質制限中はチートデイは必要なのか?

糖質制限は『最近流行している』ように思いますが、1980年代の日本のボディビル界の中では常識的に行われていたようです。

糖質制限と言っても海外で主流のケトジェニック(糖質が総カロリーの10%程度)まで持っていくやり方もあれば、もう少し緩く(糖質が総カロリーの30%程度)行うような場合もある為、一概に必要・不必要と断言することは難しいと思います。

しかし、ダイエットがある程度長期にわたる場合(12週間以上)はチートデイを活用するほうがいいと思います。

ケトジェニックの場合、脂質が総カロリーの60%になるように摂取するので、ケトーシスとなり、ケトン体をエネルギーとして利用するようになります。その場合は低血糖なども起こりにくく、エネルギー不足も感じにくい為、短期間であればチートデイは必要ないと言えます。

チートデイは下がってしまった代謝を上げる為に行うものなので、体重が停滞し続けたり、身体が極端なエネルギー不足を感じている時に行うようにしましょう。
※出来るだけそうならないようにすることが必要です。

チートデイをする前に知っておきたいこと

これは個人的な経験ですが、チートデイを行って実際に効果を感じたのは『ある程度体脂肪が減った状態になった時』です。

体脂肪が多い場合には身体には十分なエネルギーがあるので、基本的に減量やダイエットの初期段階でチートデイは必要がないと思います。

そのような場合は身体にある脂肪を分解・燃焼する為に強度の高い運動をしたり、それを促すサプリメントを活用するほうがいいと言えます。

減量がダイエットがどうしてもストレスに感じてしまう場合は仕方ないかもしれませんが、よほどのことがなければ、減量・ダイエットの初期段階ではチートデイは活用せず、自分の身体にある体脂肪を有効に使う為に必要なことをやりつくすことをおススメします。
チートデイの効果を十分に発揮、理解する為にぜひこの点も覚えておいてください!

チートデイの具体的な方法

チートデイはダイエット期間や糖質制限の程度によって取り入れ方が変わってくるんですね!

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

そうなんです!必ず必要とは言えませんし、やらない方が正しいわけでもないんですね!十分な効果を出すにはタイミングが重要です!最後に実施する場合の具体的な方法について解説していきます。

チートデイの具体的な方法

実際にチートデイを行う場合、何を?どのくらい食べるのか?が気になるところだと思います。

色々な方に話を聞いてみても本当に何でも自分の好きなものを食べるという人もいれば、炭水化物だけを増やす人(ハイカーボデイ、カーボアップデイ)など、個人個人違った設定で増やしていることが多いです。

他には普段制限しているものを中心に食べると言う人もいます。
実際に行ってみるとどちらの方法も効果を感じることが出来ます。

しかし、ここで気をつけたいことが一点あります。それは『食べることを怖がらない』という事です。

減量やダイエットが進行して、見た目が良くなってくるとたった1回たくんさん食べることも怖くなってくる方が多くなります。(特に始めて本格的な減量をする方の場合)
チートデイの目的は低カロリーによって下がった代謝をたくさん食べることで『身体を騙して』上げていくために行います。

ですから少しだけ食べる量を増やしただけでは、効果は殆どないと言えます。怖がらずにしっかりと食べるようにしていきましょう!

それでもやはり少し怖いという方は、何でも食べるのではなく、脂肪の少ない炭水化物を中心に数時間おきに細かく食べるようにしていきましょう!

また、チートデイを行う日を脚や背中のような比較的筋トレのボリュームが多くなる日に当てることも方法の1つです。
個人的には、トレーニングがオフの日にチートデイを実施することで、減量やダイエットによる身体の回復、精神的に食べた満足感を得ることが出来ると感じていますので、減量やダイエットの後半ほどオフの日にチートデイを実施することをおススメしています。

様々な方法でチートデイを試してみよう

ここまで解説したとおり、チートデイにも様々な取り入れ方、タイミング、栄養摂取の方法があります。
どれか1つが正解であるということではありません。
これからチートデイを取り入れる方はぜひ様々なタイミングで様々な方法を試してみて下さい。