目玉焼きのカロリーは?ダイエット向き?糖質・脂質・タンパク質量を比較

朝食の定番、目玉焼き。ごはんにもパンにも合うので朝食には欠かせない人も多いはず。目玉焼きはダイエット中に食べてもいいのでしょうか?気になるカロリーやダイエット中の注意点などを詳しく解説していきます。

目玉焼きのカロリーはどのくらい?

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
目玉焼き(1個66.5g) 130 0.52g 10.21g 7.43g
目玉焼き(100g) 195 0.78g 15.35g 11.17g
目玉焼きは油を使ったり調味料をかけたりするので、生の卵を食べるよりもカロリーが高くなります。
ヘルシーと思われているオリーブオイルも、実はカロリーはバター以上。また、目玉焼きでは卵1個だと物足りず、1度に2個以上焼いてしまう人もいるでしょう。
卵料理の中では低カロリーの目玉焼きですが、使用個数と油と調味料に注意が必要です。
カロリーは黄身の方が断然高く、卵1個のカロリーの4/5は黄身が占めています。
けれどもタンパク質とビタミンB群は白身の方が多いため、こまかいカロリーは気にせずに白身も黄身も区別なく全卵で食べた方が、完全食と言われる卵の栄養素を万遍なく摂取することができます。

卵を使った料理のカロリー・糖質・脂質・タンパク質量を比較

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
目玉焼き(1個66.5g) 130kcal 0.52g 10.21g 7.43g
生卵(1個60g) 91kcal 0.18g 6.18g 7.38g
ゆで卵(1個60g) 91kcal 0.18g 6g 7.74g
ベーコンエッグ(1個102.5g) 276kcal 0.63g 24.29g 12.07g
ハムエッグ(1個84.5g) 152kcal 0.96g 11.08g 10.46g
卵焼き(1個70.5g) 145kcal 4.64g 10.18g 7.38g
スクランブルエッグ(1個81.5) 146kcal 1.01g 11.62g 7.92g
卵は加熱による栄養素の損失がほとんどありません。
目玉焼きも例外ではなく、生卵と比較しても、熱に弱いビタミンB群が若干減少する程度です。
目玉焼きを発展させてベーコンエッグやハムエッグにしてしまうと、オーソドックスな目玉焼きより確実にカロリーが上がります。少しでもカロリーダウンするならベーコンは脂肪分の少ないショルダーベーコン、ハムは豚ももを使ったボンレスハムをチョイスしましょう。
特にベーコンはカロリーが高いので、丸々1枚を使うのではなく、大き目にカットして散らすことで使用枚数を減らしましょう。

スクランブルエッグは卵を2個以上使うことが多く、しかもかき混ぜる過程で余分な油分まで吸収されてしまうので1人前が目玉焼きより高カロリーになりがちです。
市販のものでは、たとえばコンビニで売っている厚焼き卵は家庭で作るものより高カロリーです。ローソンの厚焼き玉子は100g当たり173kcal、ファミリーマートのは100g当たり185kcalです。

目玉焼きの特筆すべき栄養素

バランスのいいアミノ酸と良質なタンパク質

目玉焼きに限らず、卵の特筆すべき栄養素と言えば筆頭にあげられるのがタンパク質です。
肉や魚もタンパク質は豊富ですが、肉や魚はタンパク質に負けないくらい脂質も多い食品群です。十分な量のタンパク質を肉類だけでまかなおうとすると、どうしてもカロリーオーバーになってしまいます。その点卵は比較的脂質が少なく、優秀なたんぱく源と言えます。

卵はタンパク質を構成するアミノ酸のバランスが抜群です。アミノ酸のバランスがいいということは、それらが構成するタンパク質の質がいいということです。

タンパク質は筋肉を増強し、疲労を回復し、細胞の新陳代謝をうながします。卵に含まれる質のいいタンパク質は、吸収効率が高く体内で活用されやすいので、ダイエット中に起こりがちな筋肉の減少や肌荒れを防いでくれます。
また卵でもっとも含有量の多い含硫アミノ酸は、構成要素であるシスチンが作るタウリンの力で、血中コレステロール値をおさえ、善玉コレステロールを増やす効能が期待できます。

豊富なビタミンとミネラル

卵にはビタミンB群がたっぷり含まれています。肌や粘膜をすこやかに保つビタミンB2、赤血球の生成を助けて貧血を改善するビタミンB12、そして特にビオチンの多さが目を引きます。
ビオチンは卵の黄身の部分に存在し、脂質、糖質、タンパク質という三大栄養素の代謝を助けて美肌や美髪を応援してくれる別名「皮膚のビタミン」です。
生卵の状態だと、白身に含まれるアビジンというタンパク質がビオチンの吸収を阻害してしまいますが、目玉焼きにすることでアビジンが熱により変性して効力を無くすので、大事なビオチンをしっかり摂取することができます。

他にも、
・高い抗酸化力で過酸化脂質の生成を抑えるビタミンE
・目の健康を支えるビタミンA
・カルシウムやリンの吸収・定着をうながし歯と骨を丈夫にするビタミンD
・止血効果で内出血を改善してくれるビタミンK
など、卵1個から様々なビタミンが摂取できます。

ミネラルに目を向けると、卵はセレンの含有量が非常に多くなっています。セレンには抗酸化作用があり、老化のもととなる活性酸素を除去して細胞の酸化を防ぎます。
他にも鉄、カルシウム、リン、亜鉛などの必須ミネラルがバランスよく含まれています。さすが、「完全食」と呼ばれるだけあって栄養素が豊富です。

目玉焼きのおすすめ調理方法・レシピ

基本の作り方

目玉焼きを作る時、熱したフライパンにいきなり卵を割り落とすと、べチャッと広がって不格好になります。また厚みが均一にならないので端だけ焦げてしまったり、殻のかけらが落ちてしまうこともあるでしょう。目玉焼きを上手く焼くコツとして以下のことを意識してみましょう。

・焼く前に小さめの別容器にそっと割り入れる
この時、卵の黄身に衝撃が加わると細胞組織が壊れてなめらかな食感が損なわれます。できるだけそっと殻を割り、低い位置から静かに落としましょう。
・フライパンに卵を静かに流し入れる
フライパンが熱くなったら、少な目の油を均等に広げて卵を入れるようにしましょう。

ダイエット効果を上げるためには油をひかえたいところですが、オイルブラシやオイルスプレーを利用すれば少量でも薄く均一に広げることができますし、テフロン加工のフライパンや電子レンジを利用すればノンオイルでの調理も可能です。

あとは中火で2分ほど加熱するだけ。ふたをした方が白身が焦げませんが、ふたをすると黄身の表面が熱で白くなり鮮やかな黄色に仕上がりません。好みで選びましょう。

いろどりきれいで簡単調理。目玉焼きと野菜のグリル

卵には食物繊維とビタミンCが含まれていないので、それらを含んだ他の食材と同時に調理するのがおすすめです。
うっすらとオイルを塗った耐熱容器に卵を割り入れ、1口大に切った野菜を周囲に並べます。それを電子レンジにかければ、いろどりも良く、卵に足りない栄養素を補えて一石二鳥です。付け合わせに適した野菜は、低糖質なアスパラ、ブロッコリー、カリフラワー、ズッキーニなど。塩こしょうであっさり仕上げて素材の良さを楽しみましょう。焼き目が欲しければ魚焼きグリルで数分焼くといいでしょう。

ダイエット中に目玉焼きを食べる時の注意点と太る理由

ダイエット中に食べる場合でも目玉焼きは非常に低糖質・高タンパクなのでおすすめです。その中でもさらに注意してほしい点をご紹介します。

焦げに含まれるAGE

目玉焼きを焼く際、白身の焦げには注意しましょう。あまりに焦げ目を付けてしまうとタンパク質と糖質が結びつき、AGEと呼ばれる老化の原因物質ができてしまいます。

AGEが体内に蓄積すると、細胞の老化が促進されて、動脈硬化や骨粗しょう症など健康リスクが高まります。「酸化」と並ぶ体内の2大ストレス、「糖化」という現象です。あまり神経質になる必要はありませんが、もしも焼くのに失敗して焦げつかせてしまったら、あきらめて作り直しましょう。

糖質制限か脂質制限か

目玉焼きに何かをトッピングしたい時、糖質制限を重視するか、脂質制限を重視するかでおすすめレシピは大きく変わります。
糖質制限を重視するなら、チーズ、オリーブオイル、バターにベーコンなど、これまで目のかたきにしてきたNG食材がオールO.Kです。

2008年、イスラエルで行なわれていたダイエット食の比較実験、「DIRECT試験」の結果が発表されました。比較の対象になったのは、以下の3種類です。

①脂質を極力おさえた低脂肪食
②オリーブオイルとワインを積極的に摂り、肉類や魚介の摂取量をおさえた地中海食
③糖質の摂取量を制限した低炭水化物食

その結果、2年間に渡る実験期間のすべてを通じてもっとも体重を低くおさえられたのは糖質制限食でした。脂質制限より糖質制限の方がダイエットには効果的であることが実証されたのです。

目玉焼きを作る時もオイルのチョイスには気をつけましょう。
トランス脂肪酸の入ったマーガリンは悪玉コレステロールを増やしますし、飽和脂肪酸の入ったバターや生クリームは中性脂肪を増加させます。
これに対しオレイン酸の豊富なオリーブオイルは悪玉コレステロールを抑制し、αリノレン酸の豊富なえごま油は善玉コレステロールを増やす効果があります。できるだけこうした良質なオイルを使って、栄養豊富な目玉焼きを健康的に食べましょう。