バナナのカロリーは?ダイエット向き?糖質・脂質・タンパク質量を比較

監修者

高山 菜緒

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

バナナはヘルシーだというイメージがありますが、本当にそうなのでしょうか?バナナはダイエットに向いているのか、バナナでダイエットする際の注意点やポイントをまとめました。

バナナとは?バナナの種類や旬

バナナとは?

朝食やおやつとして家庭でもよく食べられる「バナナ」は、東南アジアの熱帯地域でとれる果物のひとつです。日本でもごく一部の南部の島でつくられていますが、本島に出回ることは極めて稀でとても高価。
バナナは一年中気温が高く、雨が多い地域でないと育ちません。そのため、日本で食べられているバナナのほとんどは、フィリピンやエクアドルなどの外国産です。
原産地で青い状態で収穫されたバナナは、船で12~14℃に保たれた状態で日本まで運ばれます。その後、日本の決められた倉庫の中でおいしい黄色の状態まで追熟させるのです。
収穫されてから早ければ2週間ほど、長くて1~2ヶ月ほどでスーパーなどの店頭に並びます。

バナナの種類

わたしたちが普段よく食べるバナナは「キャベンディッシュ」という種類です。程よくボリュームもあり、さわやかな甘みがあって大人も子供も大好きですよね。
沖縄などで育つ「島バナナ」は国産バナナとして、名前を知っている人も多いでしょう。キャベンディッシュよりも小ぶりで少し丸みを帯びた形が特徴で、酸味も甘みもしっかりとしています。
この他にも、世界には日本では見たことがないバナナもたくさん存在します。日本のスーパーでも見かけるのが「モンキーバナナ」。こちらはフィリピンでつくられる長さ10cmほどの小さなバナナです。
ほかにも赤茶色の皮をした「モラード」という種類や、甘みがなく実が固い調理用のバナナ「プランテイン」というものもあります。南米のある国ではバナナが主食のところもあるほどです。

バナナの旬

バナナは一年中いつでも手に入るので、旬がいつなのか知らない人は多いのではないでしょうか。実際にフィリピンから輸入されるバナナは一年中が旬です。言い換えれば旬がないともいえますが、一年中安定したおいしさで手頃な価格で手に入るのがバナナのいいところです。
フィリピンは一年中気温が25~30℃の間で、日本のように極端に暑くなったり寒くなったりするなどの温度差がありません。一年中がバナナの栽培に適した環境なのです。
一方で、日本の島バナナがとれるのは6~8月の終わり頃まで。日本では四季や降水量の関係で、一年の限られた期間しかバナナを収穫できません。

バナナのカロリーはどのくらい?ダイエットに向いているのか?

バナナってダイエット中にとっても大丈夫ですか?カロリーは高いですか?

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

バナナのカロリーは特段高いわけではありません(低いわけでもないです)が、糖質が高いため、ダイエットには不向きです。

バナナのカロリー・糖質・脂質・タンパク質は?

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
バナナ(100g) 86 21.4g 0.2g 1.1g
バナナ(1本90g) 77 19.26g 0.18g 0.99g
バナナのカロリー・糖質・脂質・たんぱく質量をみてみましょう。バナナ1本あたり77kcalと、とてもヘルシーなことが分かります。
しかし、糖分が約20gと多めなので、食べ方には注意したいところ。脂質やたんぱく質が低いことから、ダイエットにバナナを食べる際は糖質とどう向き合うかがポイントです。

バナナでダイエットはできる?カロリーは高い?低い?

一時期バナナダイエットというものが流行り、芸能人でも痩せた人が続出したことで話題になったことが記憶にある人も多いでしょう。
たしかにバナナはカロリーが低いので、一見ダイエットに向いている食品だと思うかもしれません。しかし、糖質がたくさん含まれている点にも注目しなければいけません。
糖質とはいわば炭水化物なので、食べ過ぎると太る原因になります。

バナナは糖質制限ダイエットに向いている?

先ほど成分表を見たとおり、バナナには糖質が含まれていることが分かります。果物のもつ糖質は「果糖」といって、ふつうの砂糖よりも太りやすいのです。
糖質制限ダイエットで早く結果を出したいという場合には、なるべくバナナを食べるのは避けた方がよいでしょう。

バナナのカロリーを他食材と比較

バナナと他の果物とのカロリー比較(100gあたり)

食品 カロリー
バナナ 86kcal
いちご 34kcal
りんご 54kcal
すいか 37kcal
もも 40kcal
みかん 45kcal
こちらの成分表は、家庭でもよく食べられている果物のカロリーを比べたものです。比べてみると、バナナは一般的な果物の中でもカロリーが高いということが分かります。
もちろん、スナック菓子を食べるよりはカロリーを抑えられるので、小腹がすいたときやおやつとしてバナナを食べるのは肥満を防止するには効果的です。

バナナの調理方法別のカロリー比較(1人前)

食品 カロリー
干しバナナ(1枚2g) 6kcal
チョコバナナ(1本110g) 189kcal
バナナを加工すると、カロリーも変化します。干しバナナは輪切りになっているものや丸ごと干されたものなど様々ですが、おやつに手のひら1杯程度を(30g)食べたとすると90kcalを摂取するということです。
お祭りで定番のチョコバナナはカロリーが高いですね。バナナがカロリーが低いといっても、チョコレートでカロリーを増やしてしまってはダイエットには効果がありません。

バナナの糖質・脂質・タンパク質量を他の食材と比較

バナナと他の果物との糖質・脂質・タンパク質量比較(100gあたり)

食品 糖質 脂質 タンパク質
バナナ 21.4g 0.2g 1.1g
いちご 7.1g 0.1g 0.9g
りんご 10.77g 0.1g 0.2g
すいか 9.2g 0.1g 0.6g
もも 10.2g 0.1g 0.6g
みかん 11.1g 0.1g 0.7g
バナナとほかの果物のカロリーに加え、糖質・脂質・たんぱく質量を比べてみましょう。カロリーと同じように、他の果物と比べてもバナナの糖質量が多いということが分かります。
食べた感覚としてはいちごやももなどの方が甘くて糖質が高いのでは?と思う人も多いでしょうが、実際には果物の中でもバナナの糖質はとても高いという結果になりました。
しかし、バナナは果物に不足しがちなたんぱく質を含んでいるという点は評価したいですね。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

ダイエットには向きませんが、バナナには体のエネルギーとなる糖質がたくさん含まれており、吸収も早いためトレーニング前の栄養補給としてバナナは優秀な食品です。

バナナの調理方法別の糖質・脂質・タンパク質量比較(1人前)

食品 糖質 脂質 タンパク質
干しバナナ(1枚2g) 1.43g 0.01g 0.08g
チョコバナナ(1本110g) 29.64g 7g 2.37g
カロリーを比べたように、生のバナナと加工品を糖質・脂質・たんぱく質の面でも比較していきます。
干しバナナを手のひら一杯程度(30g)食べたとすると、糖質が21.45g、脂質が0.15g、たんぱく質が1.2gです。すぐに食べられてしまう割には糖質がとても高いので、食べ過ぎには注意しましょう。
チョコバナナの場合は糖質が30g近くもあります。厚生労働省のデータを元にすると、わたしたちは1日の糖質の摂取量を260gほどに抑えるのがいいと計算できるので、チョコバナナを1本食べただけで1日の8分の1の糖質をとったことになります。

バナナの特筆すべき栄養素

バナナは他の果物に比べるとカロリーや糖質が高いため、なるべく早く痩せたいという場合にはおすすめしません。ですが、健康を保って肥満を防止するための気軽なダイエットであれば、バナナは積極的に食べたい食品です。豊富なビタミンやミネラル類や、果物にしては筋肉や血液の材料となるたんぱく質が多いため、優秀な食品だといえるでしょう。

バナナのダイエット効果

バナナには種類豊富なビタミン類が含まれています。とくにビタミンB2が脂肪を燃焼しやすくしたり代謝をアップしたりしてくれるほか、ビタミンB1が糖質の代謝を促します。
バナナが含む食物繊維は「水溶性食物繊維」で、胃の中で水分を吸収して膨らみ、食欲を抑える効果があるのです。そのため血糖値の上昇が緩やかになり、からだに脂肪が溜まりにくくなります。
腸内環境も整い、便通が改善する効果や肌の調子を整える効果もあります。
また、カリウムはむくみを解消してくれる効果があるため、老廃物をからだの外に出しやする効果も。

豊富な栄養素が美肌をつくってくれる

ビタミンB1には糖質の代謝を助ける働きのほかに、肌のターンオーバーを促す効果もあります。他のビタミン類と一緒に肌荒れを防止したり、健康な髪や肌をつくったりしてくれるのです。
また、バナナは赤ワイン・緑茶の次にポリフェノールを多く含んだ食品で、アンチエイジングの効果も期待できます。老化の原因である活性酸素を取り除き、からだの機能を若々しく保ってくれるのです。
このため、生活習慣病やがんの予防にも効果があると期待されています。

バナナのおすすめの食べ方・レシピ

カロリーが低く、美容やダイエットにとり入れたい栄養素がつまっているバナナですが、糖質が多いことからすぐに体重を減らしたい人や糖質制限中の人には向いていません。

それでも、バナナが好きな人やダイエットや美容効果をとり入れたいと思う人は多いでしょう。

そんなときは「1日1食置き換えダイエット」をしてみましょう。

おすすめは黒酢バナナを使ったスムージーやヨーグルトです。黒酢バナナはフルーツビネガーのようなもので、水や炭酸で割ったりヨーグルトや牛乳で割ってもおいしいですよ。
黒酢はクエン酸とアミノ酸のおかげで代謝がよくなることで、ダイエット効果が期待できます。

また、血液サラサラ効果や美肌効果、疲労回復や便秘解消などにもいいのだとか。
ただし、原液をそのまま飲むと胃腸を傷つけてしまうので気をつけましょう。

黒酢バナナのつくり方

【材料】
バナナ 1本
・黒酢 200cc
・黒糖 100g

【つくり方】
1.バナナを2cm幅の輪切りにする
2.黒糖、バナナ、黒酢の順番でガラス瓶に材料を入れる
3.フタをせずに電子レンジ(600w)で30秒加熱する
4.フタを締め、暑すぎない常温で一晩置いたら完成

【飲み方】
・お好みの酸っぱさで水・牛乳・豆乳で割ったり、ヨーグルトにかけたり
・黒酢バナナに生のバナナ・牛乳を加えてスムージーに

バナナを食べるなら朝か夜に1食置き換える

バナナを食べて太らないようにするには、1食置き換えで糖質をコントロールすることが大切です。
バナナはエネルギーに変わりやすいため朝食に食べるのは理にかなっていますが、できれば朝食はバランスよくしっかりと食べ、夜にバナナを食べることをおすすめします。
夕食を軽めにすれば消化に体力を消耗しなくなるため、寝付きがよくなって翌日に疲労を持ち越すことがなくなります。目覚めたときに胃が空っぽなので、朝食をしっかりと食べられるなど、いいことづくめです。
空腹や栄養の偏りが気になる人は、サラダにとりささみや豆腐や卵などカロリーが低くたんぱく質が多いものや、食物繊維やビタミン類が豊富な野菜を一緒にとりましょう。

バナナでダイエットの注意点、太ってしまう理由

バナナはカロリーが低いため、一見ダイエットによさそうに見えます。バナナダイエットが流行って多くの人が痩せましたが、一方ではまったく逆の効果に悩む人も。
バナナでダイエットしようとして太ってしまう人の原因は、食べ過ぎによる糖質オーバーです。

バナナダイエットで太る理由

バナナがダイエットや美容にいいとはいっても、朝昼夜の3食をしっかり食べて運動もしないところにバナナをプラスしたのでは、カロリーも糖質もとり過ぎで太ります。
短期間で結果を出したいダイエットの場合は、1日の摂取カロリーをなるべく減らすと効果が出やすいので、1食置き換えダイエットが効果的です。

ダイエット中にバナナを食べる時の注意点

バナナを食べて痩せるには、食べ過ぎないことが大切です。バナナはカロリーが低い食品なので、普段から低カロリーで低糖質な食事を心がけているのであれば、1日にバナナを1本加えただけですぐに太るとは考えにくいです。

また、しっかり食事をとったあとに夜食をとるのもやめましょう。バナナのようにカロリーが低いものでも、夜の遅い時間に食べると胃が休まらないのでおすすめしません。

生のバナナをそのまま食べるのに飽きてしまったら…

バナナは皮をむいてそのまま食べられるため手軽なおやつとして便利ですが、毎日生で食べ続けるのは飽きてしまいますよね。
そのようなときは、フライパンで軽く焼いてみましょう。バナナの皮をむき、縦と横に4つに切ってオリーブオイルで焼くだけ。
甘みが増しておいしくなりますし、ヨーグルトやオートミールとの相性もいいですよ。
バナナは栄養素が豊富で健康にもいい食品なので、食べ方を工夫しながらとり入れたいですね。