シットアップのやり方と効果とは?様々な観点でクランチと比較!

監修者

勝俣智之

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

理学療法士、パーソナルトレーナーの視点からシットアップを徹底解説!同じ腹筋の種目であるクランチとの違いをはじめ、効かせる部位、効果的な効かせ方、そしてバリエーションなどを紹介していきます!

シットアップのやり方と鍛えられる筋肉部位

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

腹筋運動の代表ともいえるのがシットアップです。早速ですがそのやり方から紹介していきます。

シットアップのやり方

<やり方>
1.膝を概ね90°に曲げた状態をつくり、両手を頭の後方、もしくは耳の横にそえる
2.頭からゆっくりと身体を丸めるように起こしていき、最後まで起こしきる
3.身体を丸め、腰から床につけていくように戻す

意識したい部位は腹筋の中央部です。最初に丸めた段階では腹筋上部、そこから身体を起こすにしたがって中部、可能であれば下部まで意識できると良いでしょう。

基本的な方法は以上です。
起き上がるのが厳しい場合は、手を前方に伸ばした状態で実施すると比較的楽に行えます。

<注意点とコツ>
①スピード
筋トレには、筋肉を縮める動作と、引伸ばす動作があります。筋肉を縮める動作をコンセントリック、引伸ばす動作をエキセントリックと呼びます。エキセントリックでは筋線維の破壊が多くなるとされていて、その分筋肉の刺激が強くなり効果的です。

シットアップであれば身体を起こす動作よりも、下ろす動作をゆっくりと行ってみましょう。

②回数
腹筋は、速い速度を担当する速筋と呼ばれる筋線維よりも、スタミナのある遅筋が多いとされています。そのため他の部位よりも多くの回数をこなすことが出来ます。

一般的に20〜30回、2〜3セットを設定することが多いですが、可能な限り多く実施することが望ましい種目です。

なお、遅筋は回復も早くなります。通常の筋トレが2〜3日に1度の頻度が多いですが、腹筋はそれ以上の頻度で行うことも可能です。(身体の状態にもよります)
なるべく高回数、高頻度をお勧めします。

シットアップで鍛えられる筋肉

シットアップで鍛えられる筋肉は以下の通りです。

・腹直筋
・内、外腹斜筋
・腸腰筋
・大腿直筋

基本のシットアップでメインで鍛えられる筋肉は、実は腹直筋ではありません。
もちろん腹直筋も鍛えることはできるのですが、シットアップの特性上、どうしても限界があります。

表層にある腹直筋ではなく、腸腰筋や腹横筋などの奥にあるインナーマッスルと呼ばれる筋肉への刺激を強くしていくように意識してください。

腹筋を割るためにシットアップは効果的ではないんですね!

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

はい。「腹筋を割る」というボディメイクの観点なら、後述する「クランチ」が効果的ですよ。

シットアップの効果とは?

機能改善への効果!

シットアップの腹筋運動は、「腹筋を割る」といったボディメイクの観点よりも、腰痛改善や、肩や膝の痛み改善など、身体の機能改善に効果的です。

前述したように、シットアップはインナーマッスルを鍛えることの効果が高いので、近年ではシットアップのときに腹直筋に力が入りすぎないように行うことが推奨されています。

このインナーマッスルが身体の軸として働いていきます。
軸を安定させ、痛みの生じている部位への負担を減らしていくことが目的です。簡単な方法をご紹介します。

〇腹筋を膨らませないように行う

通常、シットアップを行うと腹直筋は縮み、筋肉が膨らむような形になります。腕であれば力こぶが作られた状態です。

この膨らみを作らないように丸めていくのです。
イメージは仰向けのときから腹部を平坦にするイメージでややお腹を凹まします。その凹みが変わらないイメージで動作を行います。

シットアップでは限界があります。中盤以降はどうしても膨らんでしまう場合はクランチで行うことをお勧めします。

シットアップのバリエーション5つ!

スピード、回数を変えても負荷が得られない場合はバリエーションを変えることをお勧めします。
身体は刺激に対して適応しようとする能力があります。この適応を定期的に外してあげなければなりません。

シットアップにも様々な方法があるので紹介します。

ツイスティングシットアップ

これまで紹介したシットアップが正面の腹直筋に対し、そのサイドにある腹斜筋をメインターゲットとした種目です。

①シットアップと同様に頭から順に身体を起こしていきます。
②軌道を斜め方向、肘を反対側の膝へ近づけていくイメージで起こしていきます。
③戻る際は同じ軌道を通して戻ります。
④左方向に捻る場合は右の腹筋を、右方向に捻る場合は左の腹筋を意識します。

※ただし反対の意識となっても構いません。左へ捻る場合は右外腹斜筋と左内腹斜筋が働きます。一般的に外腹斜筋が意識しやすい方が多いですが、反対側の内腹斜筋が働いても間違いではありません。

ウェイテッドシットアップ

通常のシットアップで回数、セット数を上げても余裕が出てきた場合は重りを持つのもひとつの手段です。

①動作は通常のシットアップと同様です。
②重りを胸の前、もしくは頭の後方で持ちます。
③重りは頭上に上がるほど強度が高くなります。強度に合わせて調整しましょう。

デクラインシットアップ

ウェイテッドシットアップと同様に、シットアップそのものの強度を上げたい場合に実施します。

①デクラインベンチ(シットアップベンチ)の角度を変え、頭が下がるように調整します。
②肩甲骨がベンチから離れるくらいまでは足の力を極力抜いておくことがポイントです。(クランチ動作まで)
③腹筋の力だけでは上がらなくなってきたら、足でさらに引き寄せるといったイメージで行いましょう。

リバースシットアップ

前述した通り、シットアップとクランチの動作上の違いは股関節の介入があるかないかです。その結果、「上げきる」「上げきらない」という差に繋がります。
この種目では下半身をメインに動かすことにより相対的に股関節を動かすことになっているため、シットアップに分類される種目です。

①仰向けに寝て両足を天井へ上げておきます。
②両足を床に向けて伸ばしていきます。可能であれば床に着くか着かないか程度まで近づけられると良いでしょう。
③膝を胸に近づける程度まで戻します。
④強度を上げるには膝の角度を伸ばして実施します。

③②の際に腰が床から離れていないことがポイントです。離れると腰を痛めるリスクが高まります。腰が浮かないポイントまでにして下さい。

ロールダウン&アップ(カールダウン&カールアップ)

カールダウンやカールアップと紹介されていることもあります。
この種目は、シットアップのエキセントリックな動きに特化した種目です。

①シットアップの要領で起き上がります。
※勢いなどつけても構いません
②手を前方に伸ばし、腰から順に床に着けていきます。この際背骨を下から(腰から)1本ずつ床に着けていくイメージが大事です。
③手の位置は頭部へ上げておくほど強度は上がります。

この種目の最大の特徴は、背骨を1本ずつ動かす分節的な動きができることです。
身体が硬い方や、シットアップが上がらない方にお勧めの種目となります。

シットアップとクランチの違いとは?

腹筋にクランチという種目も聞いたことがありますが、シットアップとは違うのですか?

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

クランチとは少し異なります。では最後にクランチの説明をしていきましょう。

クランチのやり方

最初の構えはシットアップと変わりません。膝を約90°に曲げた状態からスタートです。
最初の動作もシットアップと同様に、頭をゆっくりと身体を丸めるように起こしていきます。

シットアップとの違いはこちらからです。上げきらず、腰が床に着いている範囲から元の位置へ戻っていきます。
意識したい部位はやはり腹筋中央部です。ただし腹筋上部にターゲットが絞られます。中部から下部への意識はなかなか困難です。

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

簡単に説明すると、上げきる腹筋運動が「シットアップ」、上げきらない腹筋が「クランチ」ということになります。

なおクランチは「カールアップ「や「トランクカール」などと呼ばれることもあります。
トレーニングを推奨している協会や個人によって変わる場合がありますが、基本的には同じものとして捉えて下さい。

「上げきる」、「上げきらない」だけで効果は変わるものですか?

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

ではどの筋肉に刺激が入るのか確認してみましょう。

筋肉への刺激

シットアップとクランチで、鍛えられる部位をみてみましょう。

■シットアップ
腹直筋内・外腹斜筋腸腰筋大腿直筋
■クランチ
腹直筋内・外腹斜筋

シットアップとクランチの最も大きな違いは「腸腰筋」「大腿直筋」の介入があるかないかの差です。

動作での違いであった「上げきる」と「上げきらない」。この「上げきる」ときに使うのが腸腰筋と大腿直筋になります。また、「上げきる」ときに股関節の動きが必ず入ります。動作上の概念ではこの差が最も分かりやすいポイントと言えます。

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筋肉は重りや重力に逆らうときに力を発揮することがほとんどです。
シットアップでの上げきる場面、ここで最も重力に逆らおうと活躍するのが腸腰筋と大腿直筋です。ではそのときの腹直筋はどうしているかというと、そこまで力を発揮しようとしていません。シットアップでは最初に活躍する筋が腹直筋をはじめとする腹筋群、上げきる場面ではその役割を終え、次の筋へバトンタッチします。

特に完全に起き上がった場面では腹筋は力を抜いてもその位置に保っていられます。力のいらない場面です。

反対にクランチではどうでしょうか?
クランチはシットアップの前半のみの繰り返しです。完全に起き上がりません。腹筋は常に力が入り、休む時間がないのです。

クランチの特徴は常に腹筋に力が入るため、腹筋単体への効果を狙う際に有効だと考えられます。一方、シットアップでは力の抜ける場面はあるものの、他の筋の介入が多くなる種目です。特に腹筋群→下肢の筋(腸腰筋、大腿直筋)への連動を高めるには有効な種目といえます。

生活や競技の中でも腹筋単体だけの動作はあまりありません。トレーニング効果を様々な場面で活かせるようにするには有効だと考えられます。

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

シットアップでもクランチでも腹筋の刺激であることは変わりありません。
ただしボディメイキングや機能改善のように、目的に合わせて種目を選ぶことが大切です。
今回は強度、種類、効果を紹介してきました。
いろいろと試してみて、より自身にあった種目を選択していきましょう!

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