背中痩せに効果的な筋トレ・エクササイズ10選!綺麗な背中が手に入る!

監修者

萩原智之

JATI-ATI 健康運動実践指導者

【プロトレーナー解説】引き締まった背中のラインを作るには何が大切なのか?デスクワークやスマホの使用により姿勢が悪化している現代人。その姿勢の悪さから、背中の弛みや見た目の悪さを引き起こしています。姿勢が悪くなる原因から筋トレ・ストレッチなど順を追って説明していきます。

背中痩せって実は難しい

気がついたら背中に脂肪がついてました…(ToT)

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

お風呂に入る際身体を見ることはあっても背中まで鏡でチェックする方は少なく、いざ薄着になってから気づく方が多いですからね。

背中痩せは難しいとのことですが、長い目を持って始める方が良いのでしょうか?

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

背中に限らず、ダイエットやボディメイクは早く始めるに越したことはありません。特に背中痩せを目指すなら長年デスクワークをされているような方は毎日コツコツとストレッチを行う必要もありますので、今回ご紹介するエクササイズを是非行ってみて下さい。

そもそも部分痩せは出来るのか?

『マイヨカイン(マイオカイン)』というホルモンは聞いたことありますか?
筋肉に一定の負荷をかけた際に分泌され、炎症を抑えたり体脂肪の分解を促進する働きがあると分かっています。そのことから『痩せたい部位の筋トレをすることで部分痩せが出来るのではないか』と考えられていました。

しかし各研究により『エクササイズのみで脂肪厚が薄くなることはほとんどない』ことが分かっており、結局のところ

①カロリー収支をマイナスにする = 体脂肪の燃焼を促進
②高たんぱくな食事と全身を使うような高重量のトレーニング = 筋肉量の維持

が大切になります。

『身体を太くする、細くする』は食事。『身体のラインや姿勢を整える』は運動によるものだと思って下さい。
とは言え、背中には体内のエネルギーを熱に変えて体温を保つ『褐色脂肪細胞』が多く存在します。それらを刺激し代謝を上げるためにも、背中のラインを綺麗にするためにも、しっかりと背中のエクササイズは行っていきましょう。

背中痩せがなぜ難しいのか?

背中の筋肉は主に腕を動かすために働きます。『腕を動かす』という動作は関わる部位や筋肉が多く、非常に複雑。ましてや目に見えませんから、筋肉の収縮を意識的に行うのも難しい部位です。そしてその動きの悪さが姿勢の悪さ・見た目の悪さに直結するため、体重を減らしても綺麗に見えないことが多いんですね。

動きの悪さの原因である硬くなっている部位をほぐしつつ、背中の筋肉を正しく動かすことが大切です。
正しく動かなければ目的の効果は得られませんから、食事の改善とストレッチ、さらに適切なトレーニングを並行して行うことが背中痩せのポイントです。

背中痩せには猫背、巻き肩を改善することが大切

肩甲骨の正しいポジションとは

様々な指標がありますが、背骨と肩甲骨の内側はおおよそ平行であること。
男性であればその間隔が約7cm。女性であれば5〜6cmが目安となります。

ざっくり『肩甲骨は離れていても寄り過ぎてもいけませんよ』と覚えて頂ければ構いません。面倒であれば、トレーナーに相談してしまいましょう。

スマホのカメラを使うなどして自分自身の背中の写真を撮ることもおすすめします。セルフタイマーを利用して、裸の状態を真後ろから撮影してみましょう。自分自身で思っている以上に肩甲骨の位置は上がり、ハの字に広がっている思います。
そういった方はこちらで紹介するエクササイズを行って、ご自身が納得できる背中を目指してください。

具体的にどういった動き・姿勢になっているのか?

長時間パソコンで作業されている方は多いはず。それだけでも姿勢が悪くなる原因になります。
キーボードでタイピングしていれば、手のひらは下へ向いていますよね。

手のひらが下へ向けば、腕は内向きに捻じれます。腕が内向きに捻じれていれば、肩甲骨が開きつつ上がり、背中は丸まって、頭が前へ。手のひらを下へ向けて長時間作業するだけでも、人間の身体は連動して動くのでこういった変化が生まれます。

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

また、骨盤の角度によっても影響を受けますので、所謂『仙骨座り』は避けたいところです。
仙骨座りをしてしまう人は、しっかりと膝を曲げて踵を椅子に近づけると良い姿勢がとりやすくなります。

見た目に悪い印象を残してしまう原因は主に肩甲骨の位置と背中の丸まりの2点。
それを解消することが背中痩せのポイントですね。

背中痩せ筋トレの前に|まずは硬くなっている部位をストレッチ!

背中痩せのためのトレーニングをしたくても、以下の筋肉が硬いと正しく背中を動かすことが出来ません。
まずはストレッチから行っていきましょう!

小胸筋のストレッチ

鎖骨の外側1/3の下にある『烏口突起』というポイントを抑えます。
分かりづらければテニスボールなどを利用して鎖骨の下をざっくりと抑えて頂ければ結構です。ボールをコロコロころがしてほぐしていきましょう。

上腕三頭筋のストレッチ

二の腕の筋肉、上腕三頭筋も肩甲骨の動きに関わります。意外に思われるかも知れませんが、騙されたつもりで行ってみて下さい。肩の動きがかなり楽になります。

今回紹介するストレッチは広背筋も同時に伸ばせるのでオススメです。身体を横へ倒すイメージよりも、背すじを上へ伸ばすイメージで行って頂けるとより効果的です。ゆっくりと深呼吸しながら行ってください。

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

上記2つのストレッチはお仕事中でも簡単に出来ると思います。
タイマーを利用するなどして30~60分毎にストレッチを行う習慣をつけてみましょう。

広背筋のストレッチ

背中の筋肉ではありますが、硬すぎると実は巻き肩の原因にもなる広背筋。
写真のように四つん這いの状態で片腕ずつ行うとしっかりと伸ばすことが出来ます。呼吸の際に肋骨が膨らむように意識するのがポイントです。

大胸筋のストレッチ

片腕をベッドからはみ出すように仰向けで寝ます。手のひらは上に向いた状態で行ってみましょう。

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

これらの筋肉をほぐすために『フォームローラー』を使用するのも良いと思います。
お値段は張りますが『振動型フォームローラー』は特におすすめです。
最近ではドン・キホーテにて安価な製品も販売されました。私のブログにて紹介しておりますので興味がある方はそちらもどうぞ。

脊柱(特に胸椎)伸展のストレッチ

筒状に丸めたタオルを、肩甲骨の下側に合わせて仰向けに。お腹に力をこめて、腰と床のスペースを潰すイメージをしてください。あとはバンザイの姿勢に。背中が反りやすくなり、姿勢の改善を感じられると思います。

これらを全て毎日行うのは面倒だと思いますので、より硬さを感じる部位を重点的に行って頂いても構いません。
硬くなっている筋肉は1セットに60秒ほどストレッチすると効果的です。
左右差がある場合には、硬い方の筋肉をプラス1セット行いましょう。

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

また、肩こりの原因と言われている僧帽筋上部に関しては『前方にずれた頭部を支える』から硬くなるのであり、今回紹介するストレッチやエクササイズを行うことで改善されることが多いです。

背中を綺麗にするエクササイズ

主に弱くなっている筋肉は肩甲骨を正しい位置へ保つ『前鋸筋』『僧帽筋中部・下部』です。
背中を綺麗にするにはまずはそれらの筋肉に刺激を入れてあげましょう。

前鋸筋のエクササイズ

あごを引いて背すじが伸びた状態で立ち、手のひらを自分に向けて肘を90度でキープします。
その状態から息を吐きながら肘を前へ押し出すように背中を反ります。脇の下に力が入ると出来ている証拠ですね。

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

肩甲骨の動きの改善に必要となる前鋸筋の機能改善のためには、ダンベルを使うよりもこのエクササイズが有効です。

僧帽筋中部・下部のエクササイズ

こちらも同じくあごを引いて背筋が伸びた状態に。
手のひらを天井に向けたまま、肩甲骨を後ろへ倒すイメージで少しだけ肘を引きます。

その状態から息を吐きながら指先を外側へ向け、息を吸いながら戻す。
肘の位置を変えずに行うのがポイントです。
肩甲骨と肩甲骨の間からその下側にかけて疲労感を感じられると、しっかりとエクササイズが出来ています。

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

上記2種目に関して回数の目安は特にありません。疲労感を感じられるまで行いましょう。1日に2~3セット行ってください。

複合的なトレーニング

①台や椅子、バランスボールを使ったエクササイズ
四つん這いの状態で、手を台に置きます。そのまま胸を張るように伸びの姿勢に。胸を床に近づけるようにすることで、背中の筋肉の収縮が感じられると思いますので1分間ほどその姿勢をキープしましょう。

②コブラ
うつ伏せの状態で行うトレーニングです。
腰ではなく背中で反る必要があるため、ある程度テクニックが必要な種目となります。あごを引いたままみぞおちを床に押し付けるようなイメージで背中を反らすことが大切。その際に手のひらを外向きに返すようにしてください。
腰ではなく、背中に疲労感を感じられるとgoodです。

1セット10回で辛くなるくらいゆっくりと行ってください。

③バーを持たずにラットプルダウン
バンザイの状態から、胸を張りつつ肩を下げるイメージをしながら腕を下ろします。
お腹に力を入れることを忘れずに。背中から腰に掛けての広背筋に疲労感を感じられると良いですね!

こちらも10回で辛くなるくらいゆっくりと行ってくださいね。

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

ここまで自宅で出来るエクササイズメインにご紹介させて頂きました。
次はマシンを使ったトレーニングについて、少し細かくお伝えしていきます。

背中の引き締め筋トレ|ラットプルダウン!

背中の種目としてポピュラーな筋トレと言えば、ラットプルダウンやローイング系の種目が挙げられます。
前方から重りを引くローイング系の筋トレ種目は『背中に厚みをもたせる』効果が強く、上がった肩甲骨を正しいポジションへ戻すならラットプルダウンをおすすめします。

首の後ろへバーを下ろす『ビハインドネック』は頭部が前方へ出やすく、結果的に僧帽筋の上部に効きやすくなることも。正しく行うにはテクニックが必要ですので、まずは首の前にバーを下ろす『フロントネック』という方法を順手で握って行って下さい。

ラットプルダウンを行う際は肩甲骨を寄せてはいけない

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

ここからは少し専門的な話をしましょう。ラットプルダウンを行うなら、知っておいて損はありません。

肩関節の動きは8つに分類されます。
・外転と内転 … 腕を横に広げる動きと閉じる動き
・屈曲と伸展 … 腕を前へ持ち上げる動きと、後ろへ引く動き
・外旋と内旋 … 外捻りと内捻り
・水平屈曲と水平伸展 … 腕を水平にした状態で前へ出す動きと、後ろへ引く動き

そして肩甲骨の動きは以下の6つ。
・上方回旋と下方回旋 … ハの字に開く動きと閉じる動き
・挙上と下制 … 挙げる動きと下げる動き
・内転と外転 … 背骨に対して寄せる動きと離れる動き
これらに前傾・後傾を加えて8つに分類することもあります。

そして肩関節と肩甲骨は決まった動きで連動しています。
例えばベンチプレスを行う際に肩甲骨を寄せる意識をするのは、バーを下ろす動作(肩関節『水平伸展』)に対して肩甲骨を寄せる(肩甲骨『内転』)が必要だからです。

バンザイした状態からバーを引っ張るラットプルダウンのにおける肩関節の動作は主に『内転』と『伸展』
それに伴う肩甲骨の動作は『下方回旋』と『下制』それに加えて『後傾』になります。
肩甲骨の『内転』ではありません。

肩甲骨を寄せる = 肩甲骨内転 と定義するなら、ラットプルダウンでは肩甲骨を寄せてはいけないんですね。

ラットプルダウンに限らず、上半身のトレーニングや運動は『肩関節』『肩甲骨』『鎖骨』『胸骨』『肋骨』『脊柱』の動きが複雑に連動して成り立っています。
綺麗なボディラインを作るなら、トレーナーに相談して頂くのが一番良いかと思います。

ラットプルダウンを行う際の正しい意識づけ

先ほど『肩甲骨は寄せてはいけない』とお伝えしましたが、実際にどういった意識をすれば正しい動きになるのでしょうか。
お客様の身体の動きを見ながらご説明することが多いので『コレだけやっておけば良い』というものはありませんが、いくつかお伝えします。

チェストアップ

肩甲骨の動きは胸骨と連動しています。
肩甲骨を下げたければ胸を上へ挙げる必要があり、それを意識づけるのが『チェストアップ』です。
背中の種目を行う際にはポピュラーな意識づけですね。バーを引く際に『胸を上へ向ける』ことを意識して動作を行います。

首を長く伸ばす

首を長く伸ばす意識をすることで肩や肩甲骨が自然と下がるようになります。首を伸ばそうとしてあごを上げる方が多いので、私はあまりお伝えすることはありません。

耳たぶと肩が離れるようにバーを下ろす

バーを下ろす際に耳たぶと肩が離れれば自然と肩甲骨も下がります。肩がすくむと肩甲骨は下がりませんので、この意識づけはよく使います。

肘と肘を腰の後ろでくっつけるイメージ

こちらもラットプルダウンを行う上で有名な意識づけではないでしょうか。
背中の筋肉(主に広背筋)の収縮が強くなります。やりすぎると肩がすくむので、適切なポジションで動作を止められると良いですね。

最後に

前回の記事もそうですが、書き足りないと思った部分は私自身のブログで補足を行っていますので是非そちらも良ければ読んでいただければと思います。
肩関節と肩甲骨の動きはどうやって連動しているかを書くつもりです。

萩原智之監修トレーナーからのアドバイス

JATI-ATI 健康運動実践指導者

上半身の動きは非常に複雑。
セルフエクササイズにて効果が出ないのであれば、一度トレーナーの指導を受けることをおすすめします。

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