腰痛改善には安静ではなく運動が効果的?腰痛を治すための運動方法を解説

監修者

五十川 和之

鍼灸師、パーソナルトレーナー

【プロトレーナー解説】急性期の腰痛(ギックリ腰)の場合は安静が良いですが、腰が張ったり重だるい慢性的な腰痛の場合は運動をしないと改善されません。しかし、間違った運動は逆に悪化させてしまうこともあります。正しい運動とは、腰を動かさない様にするのでは無く腰から体を動かします。

腰痛改善に効果的な方法|運動?安静?

慢性的な腰痛には安静ではなく運動が効果的

慢性的な腰痛なんですが、運動すれば治りますか?マッサージに行っても一時的には良くなりますが、疲れるとまた痛くなります。

五十川 和之監修トレーナーからのアドバイス

鍼灸師、パーソナルトレーナー

慢性的な腰痛は、腰周りの筋肉が硬くなっている場合が多いので、運動をして柔らかくすれば改善される可能性は高いです

でも、痛い時は安静にしていた方が良いですよね?

五十川 和之監修トレーナーからのアドバイス

鍼灸師、パーソナルトレーナー

ギックリ腰など急性期の痛みの場合はコルセットなどで固定して安静にした方が良いですが、腰の筋肉がコリ固まって重い感じがする慢性的な腰痛の場合は、コルセットなどはしないで、逆に運動でほぐした方が改善されます。

でも、動かすと痛くなりそうで恐いですよね。コルセットをした方が安心です

五十川 和之監修トレーナーからのアドバイス

鍼灸師、パーソナルトレーナー

運動と言ってもいきなり激しい運動は、逆に悪化することが多いです。まずはストレッチ体操などで筋肉をほぐすのが効果的です。
コルセットをしてしまうと腰周りの筋肉が使えなくなり腰の強化ができなくなります。

慢性的な腰痛にマッサージより運動が効果的な理由

腰が張ってきたら、マッサージを受ける方は多いと思います。
マッサージで腰周りの筋肉が柔らかくなれば、一時的には改善しますが、しばらくするとまた痛くなるでしょう。

そもそも、腰痛の原因の多くは間違った体の使い方にあります。
体の使い方が悪く腰を痛めてしまい、治った後もコルセットで腰を大事にし過ぎて、どんどん腰周りの筋力低下を起こして痛めやすい腰になっているのです。
体の使い方を改善して、本来の柔軟性と筋力を取り戻さなくては、根本的な改善にはなりません。

マッサージをするのも良いですがその後、正しい運動をしましょう。
腰を柔軟にし強化する為の簡単な運動をご紹介いたします。

腰痛改善に効果的な運動(ストレッチ)3選

ストレッチ①:ウエスト捻り体操

①床に座り脚を伸ばします。(長座)
②後ろに手をついて楽な姿勢をとります。
③片脚の膝を曲げて、反対の膝の上に足の裏を乗せます。
④そのまま、曲げている膝を内側に倒します。
⑤できるところまで倒したら、元に戻しまた繰り返します。

ウエスト周りのストレッチになります。
硬くなっていると、あまり動かないですが何回もやっているとだんだん柔らかくなります。
最終的には、楽に膝が床に付きます。
回数はたくさん行った方が効果がありますが、まずは10回3セットを目安に行いましょう。反対側も行います。

コツは、骨盤の回転を意識して行うことです。
脚の力で行おうとするとなかなか柔らかくなりません。
コツを掴むとウエストが物凄く捻られている感覚になります。
この体操が腰を柔軟にするのに最も効果があります。

ストレッチ②:脇腹伸ばし体操

①立位姿勢で、片腕を上に伸ばします。
②反対の手で手首を掴み、横に倒します。(側屈)

脇腹がストレッチされる感覚を感じましょう。
10秒間行ったら反対も行います。
3セットを目安に行いましょう。
この体操は最も簡単な体操だと思います。
しっかり気持ちよく伸ばしましょう。

ストレッチ③:丸まる反る体操(キャッツ&ドッグストレッチ)

四つ這いになり背骨を丸めたり反ったりします。

ゆっくりと行い、全て骨盤から動き始める意識を持ちましょう。
丸める時も反る時も骨盤から動き始めて、背骨一つひとつが動いていき最後に頭が動きます。
10回を目安に行いましょう。
おそらく、この体操が最も難しい体操だと思います。
体が硬い人は、全然動かないと思いますが、なんとなくでも良いので繰り返すと柔軟になってきます。

五十川 和之監修トレーナーからのアドバイス

鍼灸師、パーソナルトレーナー

捻る、伸びる、丸まる反るの3つの体操は体幹をほぐす効果的なストレッチとなります。ぜひ実践してみてください。完璧にできなくても少しずつ練習することで腰が柔らかくなります。

日常生活から腰痛を改善する方法

五十川 和之監修トレーナーからのアドバイス

鍼灸師、パーソナルトレーナー

腰痛の方は片脚立ちが苦手な人が多いです。片脚立ちが苦手だと日常生活で腰を痛めやすいです。
なぜなら、歩く時など日常生活で片脚になる場面が多いからです。正しい片脚立ちを理解するだけで腰を痛め難くなります。

腰痛と骨盤の関係

両脚で立っている時と片脚で立つ時とでは、骨盤の形は違います。
同じだと思っている方は、片脚の際に体に負担がきています。

両脚で立っている時は、体の中心に軸があります。
片脚になった時は、軸は着いている脚側に移動しなければいけません。
軸が中心のまま片脚になると倒れるのは当たりまえです。
脚力がある人は、耐えられますが筋肉に負担がきます。

では、どうすれば軸が移動するのか?

骨盤を斜めにするのです。

持ち上げた脚側の骨盤を上に引き上げて、着いている脚側の骨盤を下に押す様に力を入れると軸が片脚側に移動します。
これが、効率的な片脚立ちです。

試しにやってみると、片脚立ちが安定するのがわかるはずです。

この動きは、コルセットで腰を固定したらできません。
脇腹が硬くてもできませんので、先に紹介した脇腹伸ばし体操が重要になります。

腰が不安だからと言って、コルセットで固定していると腰以外の股関節や膝に負担がきます。
また、腰が硬くなると肩甲骨の動きにも影響が出て体全体の不調に繋がります。

もし、骨盤は固定した方が良いと思っていて、現在、腰痛や股関節、膝などに不安がある方は考え方を変えた方が良いかも知れません。
本来、脚を動かす時は骨盤から動かすのが効率的です。
骨盤を使った動きができれば、腰周りの筋肉が柔軟になり腰痛も改善されるはずです。
骨盤を使った立ち方、歩き方をマスターして腰痛を改善しましょう。

腰痛を改善する骨盤ウォーキング

脚を上げる時、骨盤から引き上げてそのまま骨盤から前に押し出す様にすると脚が楽に前に出ます。
足は踵から接地するのでは無く、フラットに接地します。これが、骨盤ウォーキングです。

骨盤ウォーキングは、腰周辺の筋肉を強化し柔軟にします。
この動きもコルセットで腰を固定するとやり難くなります。

この動きをマスターする為には、先に説明した脇腹伸ばし体操やウエスト捻り体操が非常に有効ですが、さらに骨盤ウォーキングをマスターする為のエクササイズをご紹介いたします。

骨盤ウォーキングを習得するエクササイズ:膝歩き

必ず、柔らかいマットや絨毯の上で行ってください。
もしくは、膝にクッションを着けて行いましょう。(バレーボールのサポーターがおすすめ)

1.両膝を着いて立ちます。
2.股関節がなるべく動かない様にして骨盤から引き上げて歩いて見ましょう。

ポイントは、ウエストを柔らかく使うこと。時間は、1分間くらいの短めで結構です。感覚が掴めればOK!

膝歩きをやったら、その後必ず歩いて見ましょう。
骨盤ウォーキングができると体が軽くなります。

五十川 和之監修トレーナーからのアドバイス

鍼灸師、パーソナルトレーナー

コルセットを巻いて固定し安静にするのは、ギックリ腰などの急性期には必要ですが、落ち着いたら腰周りをほぐし、腰から体を動かせる様にして、強化しなければ、また腰痛になってしまうでしょう。ただ、弱っている腰をいきなり動かすのは不安があると思いますので、紹介した体操をゆっくり腰の調子を見ながら行いましょう。どれも簡単そうに見える体操ですが、腰が硬いと全然できないと思います。

出来なくてもショックを受けずに、できる範囲の動きを行えば必ず柔らかくなり腰痛が改善されると思います。ぜひ、実践して見てください。